第452話
艦橋から出たハルトたちはゴーレム八号機の甲羅へと向かって行く。
甲羅の上に出ると、ハルトは目撃する。甲羅の二つある主砲の魔力砲に一眼で分かるほどの大きな亀裂が出来ているからだ。
それに甲羅の上に固定されて砲撃を行なっていたゴーレム部隊も破損しているのが多い。
辛うじてゴーレム七号機は武器を手放す事をしていなかったのは安堵する。あの武器を作る事は不可能に近いからだ。
「結界が張られていてもここまでの被害を受けてるのか。甲羅の魔力砲は修復可能か、ナビィ。」
『外装にダメージがあるだけなので問題ないですね。それよりも口内の魔力砲は完全に破棄です。修復は不可能ですから。』
「艦橋内が大きく揺れるほどの爆発だったからな。八号機の頭部すら破壊する爆発で修復可能だったら、それは凄いだろ。」
甲羅の上にあるゴーレム部隊をヒスイとプルンの二匹のアイテムボックスに収納する様に指示を出すと、ハルトとコッコロはミルクに騎乗してガイアドラゴンの死骸がある場所へと向かった。
「ナビィ、地面で戦っていた大型ゴーレム部隊は動けるゴーレムはあるのか?あるなら、近くの動けないゴーレムを集める様にしておいて欲しい。」
『分かりました。数機だけですが動けるゴーレムがありましたので、そのゴーレムたちを使います。』
ミルクが結界魔法で足場を作り出し空中を移動している間に、ハルトはナビィに指示を出し終わると、死んで動かないが威圧感が半端じゃないガイアドラゴンを見つめる。
「これが生きて目の前に居たら、動けなくなってたろうな。死んでも凄い威圧感だ。」
地面に着いたミルクを移動させながらハルトはガイアドラゴンを見上げる。これと正面切って戦える様になるのを目標に強くなる必要がありそうだ。
ガイアドラゴンに触れると、ゴーレム八号機分の空いているアイテムボックスにガイアドラゴンは収納される。
「コッコロとミルクはガイアドラゴンの尻尾の回収と吹き飛ばされた大型ゴーレムの回収を任せた。」
『分かったわぁ。』
『分かりましたモー!!』
コッコロとミルクの二匹が離れると、ハルトは切断された尻尾から流れ出ていた血液が溜まって出来た血溜まりへと足を運ぶ。
「はぁ、これを仕舞うならヒスイとプルンのどっちかが居ないと時間が掛かりそうだ。」
ため息を吐きながらハルトは血液回収用の木の樽をアイテムボックスから取り出して行き、世界樹の棒に魔力を込めて行った。
血液以外の不純物を魔法を使って分離しながら、ハルトはガイアドラゴンの血を木の樽に流し入れてアイテムボックスに仕舞う。
途中で魔力回復ポーションを服用したが、それでも死んだガイアドラゴンの近くにあった血溜まりからの血液の回収は終わった。
「ナビィ。ヒスイとプルンは甲羅の上のゴーレムの収納は終わったか?」
『あと少しですね。』
「それなら大型ゴーレムが集められた場所に集合する事を伝えてくれ。」
『分かりました。』
ハルトは動ける大型ゴーレムたちが動けない大型ゴーレムを集めて出来た場所へと向かって走って行く。
全身に身体強化を施したハルトでも十キロ未満だが距離の離れている場所へと走って移動するのは時間が掛かった。
そして集められた大型ゴーレムの山の一つにたどり着いたハルトは、アイテムボックスに仕舞えるだけ、動けない大型ゴーレムを収納して行った。
この一山の大型ゴーレムを全て収納出来たハルトは次の大型ゴーレムの山へと向かって走り出した。
それからヒスイとプルンと合流したのは三つ目の大型ゴーレムの山で、コッコロとミルクと合流したのは六つ目の山だった。
そうして小さな大型ゴーレムの身体の一部以外の回収を終えたハルトたちは、目印になるゴーレム八号機の元へと向かって行き、ゴーレム八号機を収納してから簡易拠点を作るのだった。
……………………………………………………
新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます