第451話
ゴーレム八号機とガイアドラゴン。両者の繰り出した限界を超えた魔力光線と道連れにしようとするブレス攻撃は衝突する。
その衝突は魔力を撒き散らしながら衝撃波を発生させた。発生した衝撃波の衝撃の威力は高く、ゴーレム八号機とガイアドラゴンの周囲に居た接近戦用の大型ゴーレムたちは全て吹き飛ばされてしまう。
「これ、大丈夫なのか!?」
『危険です!八号機の主砲である魔力砲は融解し始めています。冷却していますが、いつまでも持ちません!このままだと爆発を起こすでしょう!』
それほどか、このままだとガイアドラゴンのブレス攻撃を相殺する事が出来そうにない。
主砲の魔力砲が爆発をしても艦橋まで影響はないだろうけど、相殺出来なくてゴーレム八号機の魔力炉を破壊されれば大爆発を起こすぞ!
「このままで相殺は可能か?」
『可能でしょう。それよりも、この魔法の発動を行なってください!』
ナビィからある魔法のイメージがハルトに送られる。その魔法のイメージは対ブレス攻撃魔法障壁と似ている魔法だ。
「ヒスイ、俺の使っている魔法の維持を頼んだ!」
『たのまれたよ!』
ヒスイに艦橋内に張っている魔法の維持を頼むと、ハルトはナビィから送られて来た魔法のイメージを元にした魔法の発動準備を行なっていく。
「ナビィ、準備が出来たぞ!」
『その魔法をガイアドラゴンの口内に放ってください!』
ガイアドラゴンの口内にイメージした魔法が放たれ命中するイメージが頭の中に浮かぶ。
どの位置でどの角度から放てば良いのかもナビィから送られるイメージを元にして、ハルトはガイアドラゴンのブレス攻撃を絶賛吐き出し中の口内へと魔法を放った。
複数の属性を混ぜ合わせて作り出した魔法の光線は、ガイアドラゴンのブレス攻撃に命中して貫き、そのままガイアドラゴンの口内へと消えていく。
光線の外周を常に魔力を霧散させる結界で守られるイメージの魔法は、結界に使用する魔力で光線が細くなりながらもガイアドラゴンの口内の奥へと命中し、ほんの少量のダメージを与えた。
本来なら問題ない攻撃だった。だが、今のガイアドラゴンに取っては重大な問題となる。
死に体のガイアドラゴンには、このほんの少しのダメージの影響で高出力のブレス攻撃の制御が乱れたのだ。
制御がほんの少しの間だけだが乱れた影響は大きく、その乱れた一瞬で拮抗状態だったゴーレム八号機の魔力光線が一気にガイアドラゴンの方へと向かって行く。
そのままガイアドラゴンの口内まで魔力光線が向かった時、ドカーーーーン!!!!!と大きな音を出しながらゴーレム八号機の亀の頭部が爆発を起こした。
吹き飛ぶゴーレム八号機の頭部。冷却作業を行なっていた作業用ゴーレムも多くの数が吹き飛んでいく。
そして、押していた魔力光線が消えた事で、このままガイアドラゴンのブレス攻撃がゴーレム八号機に命中するのかと言うとそれも違う。
ゴーレム八号機の主力武器である魔力砲が爆発を起こす直前に、ガイアドラゴンのブレス攻撃も魔力の枯渇に依って吐き出せなくなったのだ。
艦橋内でもモニターの一部が映らない状態になったが、ハルトたちへの爆発の影響は皆無。
そして残っているモニターには死力を尽くして道連れに行なったブレス攻撃も当てられずに動かなくなったガイアドラゴンの姿が映っているのだった。
「ふぅーーー終わった、な。」
『ええ、お疲れ様です。これで土の世界樹の迷宮の攻略が終わりました。残りは六つです。』
「まだ先は長そうだ。」
土属性の世界樹の迷宮の攻略は百階層のボスモンスターガイアドラゴンを倒して終わった。
だが、この世界には火属性、水属性、風属性、闇属性、光属性、最後に生命と死を司る世界樹の迷宮がある。
まだまだハルトたちの旅は終わらずにこれからも続いて行く。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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