第448話

 ガイアドラゴンがブレス攻撃を行なう少し前、ハルトたちが居る艦橋ではナビィがガイアドラゴンの魔力の高まりを感じ取った。


 『ガイアドラゴンがブレス攻撃を行なう準備を行なっています!対ブレス攻撃用魔法障壁の展開を行なってください!!』


 「ナビィ、発動のタイミングを決めてくれ。みんな、いつでも発動する準備はしておけよ!」


 そうしてガイアドラゴンが吐き出したブレス攻撃が、魔力光線やアダマンタイト弾頭を消し飛ばして行く中、ハルトたちは発動するタイミングを待つ。


 『今です!!』


 ナビィの合図でハルトたちは対ブレス攻撃用魔法障壁の魔法を発動した。


 ゴーレム八号機の前方に展開された対ブレス攻撃用魔法障壁に、ガイアドラゴンのブレス攻撃がぶつかると、対ブレス攻撃用魔法障壁は一枚一枚破壊されて霧散する。


 破壊されて霧散した対ブレス攻撃用魔法障壁は、霧散した事でブレス攻撃を拡散して威力を落としていく。


 辛うじてゴーレム八号機までガイアドラゴンのブレス攻撃は届いたが、それもゴーレム八号機内の結界発生の魔道具が起動して張られた結界が展開されてブレス攻撃は防がれる。


 「反撃開始だ!ナビィ!さっきのブレス攻撃の代わりに最大威力の魔力光線をガイアドラゴンに放て!!」


 『了解です。口内魔力砲、魔力増大、放ちます!』


 甲羅の二つの魔力砲は使わずに、ゴーレム八号機の口内に仕込んだ魔力砲に魔力を送って、魔力を増幅させた最大威力の魔力光線が大きく口を開けたゴーレム八号機の口から放たれる。


 先ほどのお返しとばかりにゴーレム八号機の口内から放たれた魔力光線はガイアドラゴンへと真っ直ぐに向かう。


 そんな魔力光線を防ぐ為か、ガイアドラゴンの前方の大地が盛り上がり、その大地から大森林が生み出され生い茂って行く。


 「あそこまで大規模な魔法を、こっちの攻撃を防ぐて為に使うのか!?」


 『それだけ危険だとガイアドラゴンも判断したのでしょう。現に最大威力の魔力光線を受ければ、ガイアドラゴンでも大きなダメージを与えられたでしょうからね。』


 最大威力の魔力光線の威力は、ハルトたちの全力の防御でも突破されるだろうと思われる威力を持っている。


 『それと魔力光線後、冷却と修理をしますので当分の間は口内魔力砲の使用は出来ません。』


 「どれくらいの時間が掛かる?」


 『万全なら三十分ほど掛かります。』


 修理が終わるそれまでは、甲羅の魔力光線と遠距離攻撃用ゴーレムだけがガイアドラゴンへ攻撃する手段か。


 盛り上がった大地とその大地の上に生い茂る大森林は、最大威力の魔力光線に消し飛ばされ、更にその奥に居たガイアドラゴンに命中する。


 だが、そのガイアドラゴンは大きな翼で自身を包み込み防御体勢に入っていた。


 だからなのか、ゴーレム八号機の魔力光線が収まって見えたガイアドラゴンは翼にダメージを受けていても、ガイアドラゴンの頭部や胴体に傷は一つもなかった。


 『自然回復で回復可能なダメージしか与えられませんでしたか。八号機はこのまま突っ込みます!振動が激しくなりますので注意を!』


 そうナビィが言ってすぐにゴーレム八号機の移動スピードが上昇すると、ガイアドラゴンに向かって突っ込んで行く。


 その間にもハルト、ヒスイ、ミルクの一人と二匹は、ガイアドラゴンに大地を魔法で操られない様にしながらゴーレム八号機が進む道を整える。


 地面からの干渉は上記のハルトたちが防いでいるが、その間にプルンとコッコロはガイアドラゴンが放っている大量の魔法攻撃の対処で忙しくしていた。


 プルンは水属性魔法で、コッコロは風属性魔法でガイアドラゴンの魔法攻撃の威力を減衰させ、ゴーレム八号機の結界で防ぎながら進んでいる。


 ガイアドラゴンとの距離が縮まった頃、ガイアドラゴンは翼を羽ばたき始めた。




……………………………………………………

新しく作り直した作品があります

・怪異溢れる世界

以上の一作です

時間がある方は読んでくれると嬉しいです

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