第376話

 ヒスイとプルンの二匹が魔力や気配の隠蔽に魔法を使用してハルトたち全員の隠蔽を済ませると、ハルトは結界魔法を使ってミルクの移動する為の足場を作り、その足場をミルクが駆けて行く。


 ハルトたちが空中を移動し始める頃、ハルトたちの真下の地面には、ハルトたちの囮になっている様々な属性魔法を使って作り出されたハルト、ヒスイ、プルン、コッコロ、ミルクの木人形が上空のハルトたちと似た動きで動き出している。


 「コッコロ、卵爆弾の方は順調か!」


 『問題ないわぁ。最大威力のミスリル弾頭を放てるように貯めて行ってるもの。』


 爆発の威力の高い卵爆弾を一つずつ産み落とし、風属性魔法でお互いに接触して爆発しないようにして、コッコロは卵爆弾の数を増やしていく。


 「ナビィ、どこまで移動すればいい!!」


 『そうですね。あそこの位置まで行ってください。』


 そう念話でナビィが伝えた場所に結界魔法の足場が現れると、ハルトはその足場までの道のりを結界魔法で作り出していく。


 ハルトがやるべきことが終わり、ハルトはチラリと地面を見下ろす。


 すると、ハルトたちを模した木人形を追うように移動していると土の膨らみがあり、それがアースドラゴンなのだろうと思われる。


 「土の中なのに結構速いな。」


 『土属性魔法も使用して地面を掘り進めて移動しているからでしょうね。アースドラゴンが地面を移動する際に地面が液状化しているのだと思いますよ。』


 「そんな移動法をしているのか。下手したら地面を走って移動するよりも速いんじゃないか?」


 『ハルト様。目標の場所に着きましたモー。』


 「みんな、早速ミスリル弾頭を放つ用意をするぞ!」


 目標にしていた場所に到着したハルトたちはミスリル弾頭を放つ用意を始めていく。


 砲台が地面へと落下しないように結界魔法を使って強固にした足場を使い、アイテムボックスから取り出した砲台を設置する。


 ミスリル弾頭を放つ相手である目標のアースドラゴンは地上に居るからと、結界魔法で張った結界は斜めになっているが、それでも滑り落ちていかないようにかなりの魔力をハルトは使用していく。


 『卵爆弾の設置は終わりましたよぉ。いつでも放てますわぁ。』


 「よし。ヒスイ、プルン。お前たちはミスリル弾頭発射後の防御を任せた。コッコロとミルクは足場を頼む。ミスリル弾頭発射後に足場が壊れるだろう。その時に足場の生成をしてくれ。」


 『うん!』『りょうかーい!』『分かったわぁ。』『分かりました、ハルト様!』


 ハルトの指示に返事を聞いてヒスイたち従魔は了承の返事を返すと、早速動き出していく。


 「ナビィ、こっちは準備が出来たぞ。いつでもミスリル弾頭を撃ち込める。」


 『そのようですね。では、私もアースドラゴンをミスリル弾頭の着弾地点に誘き寄せます。アースドラゴンが地面の下から囮の木人形たちを攻撃して来たのが、アースドラゴンにミスリル弾頭を放つ合図にします。いいですか、皆さん。いつ発射しても良いようにしておいてくださいよ。』


 「ああ、分かった。」


 いつでもミスリル弾頭を放てるように、ナビィが操作する量産型のゴーレム二機が発射装置を押せるようになっている状態で、アースドラゴンが囮に引っ掛かるのを待っていると、とうとうその時が来た。


 砲台が向いている真下に近い斜めの方にある地表に動かずに居た囮の木人形たちの居る地面が動き出していく。


 そして、その地面の下が盛り上がると、そこから口を大きく開けたアースドラゴンが出て来た。


 『放ちます!!!』


 「全員!防御体勢を取れ!!!」


 アースドラゴンが囮の木人形たちを地面ごと一緒に噛み砕こうとした瞬間に、ナビィが操作した量産型のゴーレム二機が砲台の発射装置を起動した

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