第374話
ハルトたちがゴーレム六号機の背後へと回ると、ナビィから更にアースドラゴンのブレス攻撃対策をするように言われて、ハルトたちはゴーレム六号機の前やハルトたちを囲むように魔法壁や結界を張っていく。
『来ます!防御体勢を取ってください!!』
ナビィからの念話が届いた瞬間にアースドラゴンは土属性魔力のブレスをゴーレム六号機の背後に隠れたハルトたちへと吐き出した。
アースドラゴンのブレス攻撃は、ハルトたちが張った魔法壁を次々に紙を破るように易々と破壊する。
そして、土属性魔力の奔流はゴーレム六号機が構えた大盾に命中し、ゴーレム六号機はブレスの勢いに押されて少しずつ下がっていく。
「ナビィ!六号機が押されているけど、これは大丈夫なのか!?」
ジリジリと着実にアースドラゴンのブレス攻撃により下がって行くゴーレム六号機を見て、ハルトは焦りナビィに問いた出す。
『問題ありません。大丈夫です。それよりもブレス攻撃が終わった直後のアースドラゴンへミスリル弾頭を撃ち込む準備を始めてください。』
「この状況でなのか!?」
『はい。流石のアースドラゴンもブレス攻撃終了後は一時的に消耗します。そこでミスリル弾頭を放てば、アースドラゴンに命中する確率も高いはずです。』
確かにナビィの言う通りその可能性は高そうだ。
だが、砲台の準備をしているその間にもしゴーレム六号機の大盾が破壊されれば、ハルトたちはひとたまりもないだろう。
それでもハルトはナビィの言う通り、この出来るかも知れないチャンスを活かす為にアイテムボックスから砲台を取り出して、ヒスイたちと一緒にミスリル弾頭を放つ準備を行なっていく。
ハルトたちは手早く準備を行なって行き、アースドラゴンがブレス攻撃を止めるまでの間に二つの砲台の準備を終えるだろう。
『ハルト、合図を出しますので、そのタイミングでゴーレム六号機を収納し、そのすぐに砲台からミスリル弾頭を同時に放ちます。今回は量産ゴーレムを使って放ちますから、ハルトたちは防御してくださいね。二発同時ですので近くにいるハルトたちへの影響は高いですから。』
「量産型のゴーレムでもBランクの魔石を使って作っているのに、それはもったいないな。」
『仕方ありません。倒す勝機をそれで見逃すよりも増しですよ…………ハルト、今です!』
二機の量産型のゴーレムを取り出したハルトは、いつでもすぐにゴーレム六号機を収納出来るようにタイミングを待っていたが、そのタイミングは思いの外速く来るのだった。
しっかりとハルトたちを守り切ったゴーレム六号機の大盾は、アースドラゴンが行なった一回のブレス攻撃に寄って使い物にならなくなるが、そんな大盾と大剣もゴーレム六号機と一緒にアイテムボックスへと収納する。
『ミスリル弾頭を放ちます!防御体勢を取ってください!!』
ナビィが念話を使って全員にミスリル弾頭の発射を伝えると、ブレス攻撃を終えて消耗しているアースドラゴンへと二発のミスリル弾頭が砲台を壊して放たれた。
ハルトたちにはミスリル弾頭が放たれた衝撃で二つの砲台が破壊された爆破により見えない中、二発のミスリル弾頭はブレス攻撃を行なったアースドラゴンに真っ直ぐ進んで行く。
アースドラゴンも自身のブレス攻撃が完全に防がれ、更にいきなり自身のブレス攻撃を防いだゴーレム六号機の消失に驚いていたせいもあって、そのあとすぐに放たれた二発のミスリル弾頭の防御は間に合わなかった。
二発放たれたミスリル弾頭のうち、一発はアースドラゴンの右肩に命中し、二発目はアースドラゴンがブレス攻撃後に頭を下げていた為、アースドラゴンの背中を削って一本の線の傷を付けてボス部屋の何処かへとミスリル弾頭は消えて行ってしまう。
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