第373話
「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
コッコロの卵爆弾が命中したアースドラゴンの怒りの咆哮を背後に聞きながらハルトたちは進んで行く。
ハルトたちがミルクに騎乗してゴーレム六号機の元へ移動している最中、ハルトたちを追い掛ける怒りを発するアースドラゴンは、ハルトがナビィに念話で言われた通りに設置した魔法罠に引っ掛かかった。
「グォッ!!?」
木属性の魔法罠を踏み付けたその足に絡まるように生える蔦や木の根の拘束に、アースドラゴンは驚いたのか追い掛ける足を止めてしまう。
だが、やはり最初は驚いたアースドラゴンもすぐに正気に戻って、自身の足に絡まる植物の拘束を力尽くで壊してしまった。
『今魔法罠の一つが壊されました。』
「どれくらい足止め出来た?」
ハルトも遠隔で発動した魔法罠が発動して壊されたことは分かったが、思いの外に壊される時間が長く、ナビィに魔法罠はどれくらいの時間足止めが出来たのかを聞く。
『アースドラゴンが驚いて足を止めた為、数秒時間を稼げましたね。私としては驚くことなく何もなかったかのように魔法罠を破壊すると思ったんですけどね。』
「まあ、そこは運が良かったと思おう。それより一発くらいミスリル弾頭を撃ち込めるんじゃないかと思うんだけど、ナビィはいけると思うか?」
ここまでアースドラゴンとの距離も離れているし、まだ一発しか撃っていないミスリル弾頭を撃ち込めるのではと思い、ハルトはナビィに聞いた。
『止めてください。せめてゴーレム六号機の近くまで来てからでないと、アースドラゴンが何かした時に対応が出来ない可能性がありますから。』
「そうか、それなら止めておくか。ミルク、あと少しだぞ。全力疾走だ!」
「モーーーーーーー!!!!!!!!」
それから全力で走るミルクに騎乗して大剣と大盾を構えて待っているゴーレム六号機の姿が見えて来た頃、アースドラゴンが発する魔力の高まりをハルトたちは感じ取った。
『これは!?アースドラゴンがブレス攻撃の準備をしています!!ゴーレム六号機も向かわせますが、急いでミルクをゴーレム六号機の元まで向かわせてください!!』
「分かった!ミルク、我慢してくれよ。全力で身体強化の魔法をお前にかける!」
『分かったモー!アースドラゴンがブレスを使う前にたどり着いてみせるモー!!!』
ナビィから焦った念話が届いたハルトは、ミルクの身体に負担がかかるがその分だけ身体能力の強化が行なわれるイメージの魔法をミルクに発動する。
すると、ミルクの走るスピードは先ほどまでの三倍くらい速くなり、ゴーレム六号機との距離が近付いていく。
『ミルク以外の皆さんで防御用の壁を魔法で作ってください。ゴーレム六号機の大盾ならアースドラゴンのブレスを防げるでしょう。ですが、それでもブレスの威力が減るのは大盾の負担を減らすことに繋がります。』
「聞いたな。それぞれ得意な属性魔法で壁を作るんだ。ナビィ、全員のサポートは任せたぞ!」
ヒスイ、プルン、コッコロの三匹はハルトの言葉に返事をそれぞれ返すと、ハルトはミルクが進む進行方向の背後に木属性魔法と結界魔法を組み合わせた魔法壁を作り続けていく。
ヒスイとプルンは水属性魔法の壁を、コッコロは風属性魔法に火属性魔法それに氷属性魔法の魔法壁を生成して行き、そしてミルクはゴーレム六号機の元までたどり着き、ゴーレム六号機の両足の間を通り抜ける。
ハルトたちがゴーレム六号機の後方にたどり着くと、ナビィの操作するゴーレム六号機は大盾を地面に突き刺し、大盾に備え付けられた魔結晶の魔力を使いミスリルコーティングがされた大盾を強化して、アースドラゴンのブレス攻撃に備えていくのだった。
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