第372話
コッコロがアースドラゴンにもダメージが通るような卵爆弾の生成に取り掛かる頃、ハルトは消耗した魔力の回復の為にポーションを飲んでいた。
「(少し酸っぱいな。次にポーションを作る時は、もう少し甘くなるようにするか。)コッコロ、卵爆弾の準備は出来たか?」
『あと三分ほど時間をちょうだい。そうすれば今の私の最大威力の爆弾が出来るわぁ。』
「三分だな。それくらいならアースドラゴンとの距離もそこまで近付かれないだろう。ヒスイ、プルン。風属性魔法の準備はしておけよ。二匹はあまり得意じゃないからな。」
『ヒスイおねえちゃんとのーきょうりょくまほうのじゅんびはーできてるよー!』
『あとはコッコロのじゅんびがおわったら、ヒスイとプルンはまほうをつかえるよ!』
「それならコッコロの準備が出来たら頑張ってくれよ。」
『うん!』『わかったー!』
ヒスイとプルンも卵爆弾の飛距離を上げる為の風属性魔法の準備を終わっているのを確認すると、ハルトはミルクに健康魔法を発動して身体の疲労を取り除き、体力の回復を促していく。
『ハルト様!ありがとうございますモー。』
「ミルクにはまだまだ走って貰わないといけないからな。頑張れよ、ミルク。」
ミルクに応援の言葉を送っていると、ミルクの進む道を整地しながら周囲の地面に土属性魔力を送り、アースドラゴンの土属性魔法の妨害と言う二つのことをしているナビィから念話が届いた。
『ハルト、このイメージで魔法罠を仕掛けて置いてください。ほんの一瞬でも足止めが出来ます。』
「このイメージだな。それにしても、これでも一瞬か。」
『あの巨大のモンスターであるアースドラゴンの動きを一瞬でも止められるのなら十分ですよ。』
「それもそうか。」
『卵爆弾の用意が出来たわぁ。いつでも投げられるわよぉ。』
ハルトはナビィから送られて来たイメージで木属性魔法の魔法罠を仕掛けていると、コッコロの卵爆弾の用意が出来たようだ。
「コッコロ、ヒスイとプルンと協力してアースドラゴンまで届かせるんだ!三匹で協力して協力魔法で卵爆弾を届かせろ!!」
ハルトからの指示を聞くとヒスイ、プルン、コッコロの三匹は風属性魔法の協力魔法の準備を開始した。
協力魔法の準備はヒスイとプルンが事前に準備していたこともあり、アースドラゴンにもダメージが通る卵爆弾がいよいよ投擲される。
『いくよ!』『くらえー!』『これが私の爆発よぉーーー!!!!!』
三匹が協力して発動した風属性魔法により、コッコロの生成した卵爆弾がアースドラゴンに向かって飛んで行く。
風属性魔法で風に守られた卵爆弾は、風の抵抗が一切掛かることなく、更に風のジェット噴射に寄って移動する。
コッコロが一匹で投擲するよりも断然速いスピードで飛んで行く卵爆弾を、アースドラゴンは迎撃をすることなくハルトたちを追った為、卵爆弾がアースドラゴンに命中して大爆発を起こした。
ズドーーーーーーンッ!!!!!!!!!
命中した卵爆弾が爆発した音が遠く離れているハルトたちの元に届き、更に爆発音から少しして爆風や衝撃波がハルトたちのところまで届いた。
大きな爆発による影響がここまで来ることは分かっていた為、ハルトたちは事前に対策をしていた。そのお陰で爆発の影響はなかった。
「ナビィ、あの爆発はアースドラゴンにどれほど効いたと思う?」
『衝撃と爆風で怯ませることは出来たでしょう。ですが、ダメージはそこまで大きくは与えられていないでしょうね。鱗や甲殻がアースドラゴンの身体を守っていたでしょうから。それでも鱗や甲殻に与えたダメージは大きいので、先ほどの卵爆弾をあと数発命中させられれば、かなりのダメージを期待できますよ。』
「でも、アースドラゴンも次からは警戒するだろう?」
『ですね。ですから、ゴーレム六号機の元へすぐに向かいますよ。』
そうしてハルトたちは遠回りしながら移動を続けてゴーレム六号機の元へと向かうのだった。
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