第367話
超大型ゴーレムの試験を終えると、ヒスイたちはそれぞれの修行に戻って行った。
『ハルト、大剣と大盾を地面に起きますので注意してください。』
「ここから動かないよ。」
ゆっくりとナビィの操作する超大型ゴーレムが大剣と大盾を地面に置いた。
それから大剣と大盾を置いた超大型ゴーレムである六号機を再び横にすると、ハルトは大剣と大盾をアイテムボックスに収納すると横になっているゴーレム六号機の解体を始める。
「あのさ、ナビィ。六号機に使うスライム筋肉を他のゴーレムに使えば、どれくらい強くなるんだ?」
今のゴーレムだと一機だけをナビィが操作するのならかなり強いゴーレムだ。それをスライム筋肉を使った場合はどうなるのか、それをハルトはナビィに質問する。
『そうですね。動きや力、操作性は上がるでしょうね。それと防御力は同じくらいです。』
「でも、まだ三十分しか持たないからな。」
『そこが問題なんですよね。この問題はレベルとスキルを上げないといけないので解決はまだ掛かるでしょう。』
レベルもスキルも百レベルまでの道は長いと思いながら、ゴーレム六号機からスライム筋肉を取り除いていく。
スライム筋肉は一部がドロドロや千切れていたりと、ゴーレム六号機の中はすごいことになってる。
「これ、掃除が必要じゃないか?」
『必要ですよ。大きな物はアイテムボックスに仕舞って、あとは浄化魔法で綺麗にしてください。私は採取用ゴーレムで大きなスライム筋肉の破片を取り除いて行きますから。』
「ああ、分かった。本当に大変だな、これ。」
ため息を吐き、ハルトは手前のスライム筋肉をアイテムボックスへ収納していく。
作るのにも製造にも時間が掛かったスライム筋肉の残骸を取り除き、僅か三十分でこんな有り様になったことを落ち込みながら一時間かけて、ハルトはゴーレム六号機を綺麗にした。
『それではハルト。スライム筋肉を付け直しますよ。頑張ってください。』
「ナビィ、整備用ゴーレムを次からは作ろう。これ大変だ。六号機を組み立てるのもキツかったしさ。」
『採取用でも細かいところはキチンとする整備は難しいですからね。まあ、それは次ですね。今日は私も魔力腕で手伝いますから、時間も最初の組み立てよりは、それほど掛かりませんよ。』
そうして新しいスライム筋肉の取り付けを行なうと、ハルトは完成したゴーレム六号機をアイテムボックスに収納した。
「やっぱりアイテムボックスの収納空間を結構取るな。このゴーレムは。」
『今のハルトたちでは巨大なモンスターと戦うには力が足りませんから。アースドラゴン用の切り札もありますけど、六号機で対処する方がよっぽど勝率が高いです。』
「資料に五十メートルとか書いていたしな。それほど巨大なモンスターと戦ったことないけど、どんな感じなんだろう。高さだったら六号機の方が高いんだけど。」
全長十メートルから二十メートルくらいの間が今までのモンスターの大きさだったが、アースドラゴンは全長五十メートルで、一体どれくらいなのかさっぱり分からない。
『それは実際に戦ってみないと分からないですね。戦う時は意識をしっかり持ってないと意識を持っていかれます。ですから気合いを入れないと駄目ですよ。』
「それほどか。」
『そうほどです。』
「俺も修行をするよ。ナビィ、模擬戦の相手をしてくれるか?」
『良いですよ。ハルト。』
アイテムボックスからゴーレム一号機を取り出して、ハルトはナビィが操作するゴーレム一号機と模擬戦を行なうのだった。
それから月日は流れて五十階層での修行を始めてから一年が過ぎ、ハルトたちはいよいよ五十階層のボスモンスターであるアースドラゴンとの決戦を行ないに向かった。
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