第366話

 冒険者クラン獣牙戦闘団との出会いもあったが、そんな中でハルトとナビィはアースドラゴンと戦う為の新しいゴーレム、超大型ゴーレムの製造を開始した。


 今回製造する超大型ゴーレムは長期間の戦闘は出来ない代わりに戦闘能力の高いゴーレムだ。


 その長期間の運用が出来ない原因であるスライム系モンスターの素材と他のモンスター素材を使う部分を今回は作らずに装甲やフレーム、動力、武装を今回は一ヶ月間で修行やレベル上げもしながら製造した。


 装甲やフレームには魔鋼を主に使用してミスリルを超大型ゴーレムの重要な箇所だけに使い、これだけで集めたミスリルインゴットもかなり使われている。


 動力には錬金術スキルのレベル上げをする為に合成し続けた超大型の魔結晶を動力炉に使った。


 超大型ゴーレムの武装はアースドラゴンのブレス攻撃の防御に使う為の魔結晶付きでミスリルコーティングの魔鋼の大盾、刃の部分だけミスリルコーティングを行なった魔鋼の大剣が超大型ゴーレムの武装だ。


 残りのミスリルはハルトたちが使ってアースドラゴンに致命傷を与える兵器に使う予定になっている。


 あとは超大型ゴーレム用のゴーレムコアとスライム系モンスター素材と他のモンスター素材で作られるスライム筋肉を作れば、超大型ゴーレムは動き出す。


 ここまでで一ヶ月使い、動かすのに必要な分のスライム筋肉製造に二週間、超大型ゴーレム用のゴーレムコアには丸一日製造に必要だった。


 スライム筋肉の製造にはスライム系モンスターの素材を多数使い、他のモンスター素材と錬金術を使って合成していく。


 それで出来たスライム筋肉を更に錬金術を使って合成を行ない大型化させて行き、最終的にかなりの量を錬金術で使用することになった。


 ゴーレムに肝心のゴーレムコアはと言うと、ミスリルインゴットとAランクモンスターの魔石を三つにBランクの魔石を十個使うことになる。


 ミスリルを使って円形の板に開けた三ヶ所の穴の内、Aランク魔石三つを真ん中の三角形の穴の頂点に填めると、Bランク魔石とミスリルにAランク魔石を填めたミスリルの円形板を錬金術を使って超大型ゴーレム用のゴーレムコアを製造していく。


 そして、ハルトとナビィは製造した超大型ゴーレムを組み立て行き、最後に超大型ゴーレムである六号機を起動させる。


 「みんな、離れろ。六号機が動き出すぞ。」


 『六号機、起動!動かします!!』


 起動実験の見学をしているヒスイたちに注意すると、ナビィが六号機の操作を開始した。


 横たわらせていた超大型ゴーレムは両腕を地面に突き上半身を起き上がらせる。


 「ナビィ、どうだ?今のところ問題はないか?」


 『問題ありませんね。このまま立ち上がらせます。』


 そのままナビィが動かす六号機は立ち上がり始め、そして超大型ゴーレムは二本の足で立ち上がった。


 『おおきい!』


 『たちあがったー!!』


 『これがアースドラゴン戦の戦力ですかぁ。すごいですねぇ。』


 『これがないと、今の僕たちじゃ倒せないくらいアースドラゴンは強いんですモー?』


 「そうなんだろうな。これと対峙して戦えるアースドラゴンはどれくらい強いモンスターなんだろうな。」


 超大型ゴーレムが歩き出し身体を動かして問題がないかをナビィは確かめていく。


 『ハルト、超大型ゴーレム用の大剣と大盾をアイテムボックスから出してください。それを使って問題が無いかを確かめます。』


 「分かった。出すぞ。」


 アイテムボックスから超大型ゴーレム用の武装を取り出すと、ナビィが操作する超大型ゴーレムは武装を両手に身に着ける。


 武装を身に着けた超大型ゴーレムは大剣と大盾という武装を持って動かして行き、最終的に超大型ゴーレムの起動は問題なく済んだが、それでもスライム筋肉は磨耗しており、今のままだと三十分の起動がせいぜいだと分かるのだった。

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