第365話
最初のワイバーン戦から幾度も集まって来たモンスターを倒し続けるハルトたちだったが、未だに隠れて覗き見している冒険者たちにモンスターが接近し、モンスターと冒険者たちが戦闘を始めた。
『どうやらやっと上手くいきましたね。ハルト、特製肉を完全に燃やしてください。そしてら、拠点から更に遠回りして帰りますよ。』
「ああ。みんな、聞いたな。すぐに移動するぞ!」
ハルトは特製肉の周りに張った結界を解いて、特製肉を消し炭にするほどの威力の高い火属性魔法で燃やし尽くすと、既にミルクの上に乗っている三匹と共に自身もミルクの鞍の上に乗った。
「ミルク!」
「『出発進行!!!!!』モーーーーーー!!!!!!」
勢い良くミルクは駆け出すと、先ほどまで居た場所からどんどんと離れていく。
それに気が付いたハルトたちを探っていた冒険者たちが何かを言っているのが、遠くから聞こえたような気がしたが、距離が離れたハルトたちにはよく聞こえなかった。
「始めからこうしていれば良かったんじゃないか?そんな気がするんだけど。」
『いえ、必要でしたよ。今もあの場所では特製肉の残り香があります。だからこのスピードで移動すれば、よっぽどのことが無い限りモンスターも追いかけてきません。』
「なるほどな。それならミルク、移動速度が上がるように魔法を使うから気を付けろ。」
『分かったモー。いつでも良いモー。』
そしてミルクの移動速度を上昇させる魔法をハルトはかけると、ミルクは更に走るスピードが上がって遭遇したモンスターを置き去りにする。
それから偶に追いかけて来るモンスターには、ヒスイとプルンの魔法の粘液水やコッコロの閃光卵爆弾を使って迎撃したハルトたちはようやく拠点に帰還した。
「これでアイツら撒いたよな?」
『はい。魔法的な監視もされていませんでしたからね。ミルクを追い掛けて、この場所にたどり着くのも不可能でしょう。』
「そうか、それなら良かった。みんな、今日の残りの時間は休みにするぞ。」
ハルトは休むことをヒスイたち従魔に伝えると、自身も含めた全員に健康魔法を発動した。
『やすみにするんだね!』
『きゆうけいだー!』
『今回は爆発を起こせて良かったですからねぇ。ゆっくり休ませていただきますよぉ。』
『僕はちょっと修行をするモー!』
ヒスイとプルンは休みにすることを喜び、コッコロは羽を休め、ミルクは修行をする為に隣接する修行用の結界に向かう。
ハルトも身体を休めると、この日はナビィと一緒に作り置きの料理作りと倒したモンスターの解体を済ませ、ヒスイたちとのんびりと遊びながら過ごして行った。
そして、獣牙戦闘団と遭遇した日から一週間が経った頃、結界内での修行から久しぶりに結界の外に出て、獣牙戦闘団がもう居ないのかを確認する為にダンジョン探索を行なった。
「一週間も経ったし、流石にもう居ないだろう。」
『そうですね。アースドラゴンと戦う為に一日くらいは休憩も取ったはずですが、もうアースドラゴンと戦って負けて死んだか、それとも勝って先に進むか、それとも帰っているか、どちらにしても五十階層に居ないと思います。』
「どっちにしても、俺たちが活動することが出来るのかを確かめないとな。まだ居たら特製肉を使ったレベル上げが出来ないし。」
そうして結界の外に出たハルトたちは五十階層のダンジョン探索に出て、魔法により移動速度の上昇したミルクに乗って移動を開始した。
かなりの速度で移動するミルク乗っての探索は、今回はハルトはモンスターの拘束役を担って遭遇するモンスターはミルクの上に乗っている三匹とミルクの突撃により倒して進む。
それから半日掛けてのダンジョン探索で冒険者クラン獣牙戦闘団の姿は確認出来ず、獣牙戦闘団は居ないとハルトたちは判断するのだった。
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