第361話

 それから集団で迫るモンスターの大群をハルトたちは倒して行き、五回目のモンスターの大群が迫ったタイミングで、ようやくモンスター寄せに使っていた肉がすべて無くなったとナビィから伝えられた。


 「なら、あとはあの集団を倒して、次に迫るモンスターが居ないかを確かめれば、今回は終了だな。」


 『そうです。あともう一息ですので頑張ってくださいね。』


 そうして迫るモンスターの大群にハルトはあと少しで終わるからと様々な属性魔力弾をモンスターの大群に乱れ撃つ。


 一つ一つに込めた魔力のお陰でスティールリザードのような防御力が高いモンスターにはそれほど効かないが、アースドラゴンもどきやロックリザードマンには効き目があり、すぐには倒せないがその数も減っていく。


 「ナビィ、俺はスティールリザードを倒すから、ダメージを受けているモンスターたちは任せる。」


 『分かりました。あそこまでダメージを受けていれば、モンスターたちも回避することは難しいでしょうからね。すぐに倒せるでしょう。』


 ナビィに多く居るアースドラゴンもどきとロックリザードマンの二種類のモンスターを任せたハルトは、属性魔力弾を受けてもそこまで多くのダメージを受けた様子のないスティールリザードを狙って攻撃を仕掛けていく。


 「スティールリザードも数が多いな。」


 まだ距離はあるが十匹近く居るスティールリザードを倒す為に、ハルトは残りのモンスターも少ないからと、命中すれば破裂する木の実とその木の実の中に猛毒と麻痺の花粉のイメージで魔法を発動する。


 その魔法はすべてのスティールリザードに命中して猛毒や麻痺の状態異常にさせると、動きの鈍ったスティールリザードにトドメを指す魔法を発動して倒していく。


 スティールリザードを倒し終わったハルトは、ナビィに任せたゴーレムたちがまだ倒していないモンスターを狙って倒して行き、ようやく終わりかと言うタイミングで追加で少数のモンスターがこちらに向かって来るのが見えた。


 それからも一、二匹でのモンスターの襲撃は続いて行き、特製肉がすべて燃え切るまでの間、事前に仕掛けた罠はすべて使い切り、コッコロへの爆撃要請も北側だけで十回以上することになったが、ようやくレベル上げ第一弾は終了した。


 初回だと言うこともあり、午前中だけで今回は終えたが、本来は午前午後の二回に分けて行なわれる。


 そんなレベル上げ第一弾を終えたハルトたちは、東西南北に広がっているモンスターの死骸を今は集めている最中だ。


 「かなり広範囲に散らばっているな。」


 『コッコロの卵爆弾の威力が凄まじかったですからね。コッコロも盛大に爆破することが出来て満足そうにしていますし。』


 バラバラになっているロックリザードマンの手足やワイバーンの頭、アースドラゴンもどきの胴体などの肉体や、なんのモンスターなのか分からない肉片など様々な物が、この場所には飛び散っている。


 「流石に肉片は回収しなくて良いだろう?」


 『構いませんよ。採取用のゴーレムの製造をした方が良いですかね?』


 「それは良いな。それがあれば、かなり楽になる。収納袋もダンジョンを探索中に宝箱から出ているしな。」


 採取用のゴーレムの製造することを早速決めたハルトは、早く終わらせる為に次々とアイテムボックスに収納して行った。


 拾い切れるだけ拾うと、ハルトたちは陣地に集合して陣地の解体を行ない拠点に帰還する。


 帰還後は全員疲労で疲れている為、ハルトは自身も含めた全員に健康魔法を使用して体調を整えた。


 それからこの日のハルトたちは、午後は今回の反省会とどうすればより効率的にモンスターを倒せるのか、そんな話し合いや今回のレベル上げで倒したモンスターの解体をして過ごすのだった。

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