第357話

 ハルトが一人でロックリザードマンを倒し終わる頃には、残りのロックリザードマンと戦っていた面々は既に倒し終わっていた。


 ロックリザードマンたちをアイテムボックスに収納して行く時に、全員にロックリザードマンと戦ってどうだったのかを聞いた。


 すると、ヒスイとプルンは多くの手数で圧倒したそうで次からは一匹だけで戦いたいそうだ。


 コッコロとミルクの二匹は苦戦したそうだ。コッコロが牽制の役目を行ない、ミルクが攻撃の役目をすることで倒したが、今のコッコロでは攻撃力が卵爆弾や魔法を使わなければ足りないらしい。


 ナビィが操るゴーレムの戦闘がどうだったのかを聞くと、ゴーレムを二機のみの操作ならば一対一でも戦えるが余裕で勝てるだろうが、四機同時に操作ならまだ無理だろうと言う。


 そして、改修したゴーレム四号機と五号機の戦闘はどうだったのかと言うと、攻撃力は申し分ないそうだが、ロックリザードマンもその危険性から警戒して戦闘は長引いたそうだ。


 それでも四号機、五号機の攻撃力はかなり高い為、ドリルの攻撃を命中させることが出来れば相手の身体が大きくなければ簡単に倒せるだろうと、ナビィに言われた。


 「なあ、ナビィ。ゴーレムをもっと素早く動かせないか?そうすれば命中させられるだろう?」


 『出来るかどうかは出来ますね。ですが、まだハルトでは品質の良い物が作れないです。出来ればハルトだけじゃなくヒスイとプルンのレベルが100レベルまで行って欲しい。そうすれば消耗の少ない物が作れますから。』


 今現在、一番レベルの高いハルトでも80レベルになったばかりで、100レベルになるまで時間が掛かる。その為、素早く動けるゴーレムが作られるのはまだ先のことだろう。


 『ねえねえ、ヒスイもなにかやるの?』


 『なにをてつだうのー?』


 『ヒスイとプルンにはスライムゼリーなどの素材ですね。かなりの量が必要になるので頑張ってください。』


 「スライムゼリーを使うのか?」


 『そうです。人間で言うところの筋肉の代わりに使いますね。素材も素材ですし、製造後の保存にも気を使わないといけない消耗品ですね。』


 スライムゼリーだけじゃなく他にも保存が効かない素材を使うから消耗品なのか?


 でも今までの話からして、消耗を気にしなければ今でも作れるのではないかと思い、ハルトはナビィに聞いてみた。


 『確かに消耗を気にしなければ可能でしょうが、全力で稼働すれば一戦だけ、通常戦闘でも余裕を持って五戦くらいが限界になるでしょうね。』


 「そこまで少ない戦闘で駄目になる素材を使うのか。」


 『はい。今のハルトの加工技術では私がサポートしても、そこまで良い物が作れませんし、ヒスイとプルンに生成して貰う素材も出来ればレベルが高い方が良いですから。』


 長期戦闘も出来そうにないのなら、一戦限りのボスモンスターとの戦いなら良いだろうが、通常戦闘だと使えないと言うことだろう。


 レベルだけじゃなく、どのスキルのレベルを上げれば良いのか、それをナビィから聞こうとした時、視界に三匹のワイバーンが向かって来るのが確認できた。


 「あれはワイバーンか。コッコロ、準備してくれ。」


 『分かったわぁ。』


 コッコロに閃光爆音の卵爆弾を生成して貰い、ハルトたちは墜落後のワイバーンと戦う為に組み分けをしていく。


 ハルト、コッコロ、ミルクの一組にヒスイとプルンの一組、あとは三号機を抜いたゴーレム部隊で一組の三組で分かれてワイバーンの相手をする予定だ。


 「コッコロ、高いけど卵爆弾はあそこまで届くか?」


 『風魔法を使えば問題はないわぁ。行くわよ!!』


 ハルトたちを中心にして空高く周囲を周回して回るワイバーンたちに、コッコロは閃光爆音卵爆弾を投擲した。

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