第356話

 昨日はゴーレム三号機の修理やゴーレム四号機と五号機の改修を行ない、四十一階層までに採掘した鉱石を錬金術を用いて抽出して様々な金属を入手した。


 ゴーレム四号機と五号機はフレームを魔鉄と魔鋼からミスリルと魔鋼の合金に変えて、左手のドリルはミスリルをコーティングした魔鉄製にし、右手はパイルバンカーから鋭い鉤爪に、そして右上腕にパイルバンカーを放つ機構を装着する。


 改修したゴーレム四号機と五号機の戦闘を試す為にモンスターを探したいところだが、四十一階層からは情報はあるが、実際に戦ったことはない為、ゴーレムが戦うところは見れないかも知れないが、それはナビィに実戦の結果は聞くことにして、ハルトたちはダンジョン探索に出かけていく。


 四十一階層から現れるモンスターは、スティールリザードと言う魔鋼の鱗や皮を持つ五メートルサイズのトカゲのモンスター。


 ロックリザードマンと言う石のような皮を持ち武器や防具に魔鋼を使うリザードマン。


 二十一階層から三十階層で現れたワイバーン。


 そして、最後に十階層のボスモンスターとして現れたアースドラゴンもどきの四種類が四十一階層からは現れるモンスターたちだ。


 どのモンスターも複数で行動する為、ここからの戦闘もかなりキツい戦いになるだろう。


 そんな風に昨日の夜にナビィから聞いたことを思い出していると、早速ハルトたちの前方にロックリザードマンだと思われる二足歩行のモンスターが見えて来た。


 「ロックリザードマンの数は五匹だ。ヒスイとプルン。コッコロとミルクで組んで一匹ずつ相手をしてくれ。ナビィは残り三匹の内の二匹を一号機、二号機、四号機、五号機で相手を頼む。俺は一対一で戦う。行くぞ!!」


 それぞれに指示を出したハルトは迫り来るロックリザードマンたちに向かい進んで行った。


 そして、先頭のロックリザードマンと衝突してお互いに武器を打ちつけ合う。


 ハルトが世界樹の棒を振るってロックリザードマンと打ち合いをしている間、他のみんなもロックリザードマンと戦闘に入った。


 プルンが前衛で戦って、ヒスイが魔法で援護を行ないながら触手で突きや叩き付けを隙を見て行なっており、コッコロがロックリザードマンの周囲を舞って魔力刃を纏って翼で切り裂きながらミルクが突進からの頭突きを行なう。


 ナビィが操るゴーレムはと言うとゴーレム一号機と二号機は、メインは一号機で魔槍・ベノムランスで突きを繰り出し、二号機は魔鋼製の盾と槍を駆使してロックリザードマンの妨害をしながら一号機に攻撃のチャンスを作り出していた。


 そして、改修したばかりのゴーレム四号機と五号機はと言うと、ギュイーーンとドリルを高速回転させながらロックリザードマンと戦っており、盾と剣を使っているロックリザードマンは攻めあぐねていた。


 そんな中、ハルトはロックリザードマンとお互いの武器を打ち合いながら、ロックリザードマンに隙が出るのを待つ。


 「(なんて技量をしているんだ!二十階層のボスモンスターの鉄拳猿武も相当な使い手だったけど、コイツの方が武器の技量も身体能力も高いぞ。でも、隙が出来た!そこだ!!)」


 数十回目の打ち合いでロックリザードマンにも隙が出来た。その隙をハルトは世界樹の棒の先端を変形させて突きを繰り出す。


 魔鋼の鎧に守られていないロックリザードマンの太ももに世界樹の棒を突き刺した。


 痛みに叫ぶロックリザードマンに世界樹の棒を再び変形させて、今度はショートソードの形にすると、魔力刃を纏わせてロックリザードマンの剣を持つ右腕の関節を切り飛ばした。


 クルクルと飛んで行く腕を尻目にハルトはロックリザードマンの方へ踏み込むと、未だに戦意を保っているロックリザードマンの喉元を切り裂いて後ろに飛び退く。


 そして、飛び退いたハルトは世界樹の棒をロックリザードマンに向けて魔力弾を大量に浴びせて、最期の反撃もさせずにロックリザードマンを倒すのだった。

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