第354話

 ハルトたちは各々の役目を果たす為に動き出していく。


 『ハルト、ミルク。』


 「ああ。」


 『やるモー!』


 ハルトとミルクは木属性魔法と土属性魔法で協力魔法を行ない、植物の根っこと土がお互いに協力してドリモールのドリルを中心に身体全体の拘束を行なう。


 『ヒスイ、プルン。』


 『さんだ!』


 『とけるぞー!!』


 次にヒスイとプルンはお互いに生成した濃縮酸を混合すると、ドリモールのドリルへと酸を散布していく。


 「モキュウウウ!!!!!!」


 そこで酸で溶け出す身体の痛みに気絶から目を覚ましたドリモールが起き出して来る。


 『コッコロ!』


 『はっはは!!爆発だわぁ!!!』


 濃縮酸の散布が終わり、既にドリモールから距離を取ったヒスイとプルンがゴーレム三号機の構える大盾の背後に隠れると、コッコロ自身が現在行なえる最大威力の卵爆弾をドリモールへと投擲を行なった。


 すると、ドリルを回転させて拘束から逃れ始めたドリモールにコッコロの卵爆弾が命中すると、卵爆弾は盛大に爆発を起こす。


 ズドーーーーーーーーン!!!!!!!!


 凄まじい爆発音がボス部屋の中に響く中、ゴーレム三号機の構える大盾に爆発や爆風に爆発により飛び散った様々な物がぶつかる。


 ゴーレム三号機は、この爆発を大盾で完璧に受け切るが、それでも魔法障壁を張っていたハルトたちにも影響は出ていた。


 「あれだけじゃ抑えきれなかったか!?」


 『うぅぅ、耳が痛いモー……。』


 爆音の対策もしていたが、それでもハルトとミルクの耳にダメージが行くほどの威力で一人と一匹に被害が出る中、ヒスイとプルンに卵爆弾を投擲した三匹は調子が良さそうだ。


 『しんどうすごい!!』


 『ぐらーぐらー!』


 『くっくく、素晴らしい爆発でしたわぁ!!!!』


 嬉しそうにしている三匹がいる中、ハルトは健康魔法を自身とミルクに掛けると、ナビィにドリモールがどうなったのかを聞いた。


 『ドリモールはまだ生きていますね。ですが、ドリルは破損しているでしょう。ドリルまで満たされていた魔力が今は感じませんからね。それに今のドリモールは動いていませんから攻撃のチャンスです!!』


 「流石にあの威力の爆発にドリモールもかなりのダメージを受けたみたいだな。みんな、追撃に向かうぞ!!」


 土煙りが舞う中でハルトたちは視界を遮られているが、感知系スキルなどを使いドリモールの元へと向かった。


 「うわっ、すごい傷だ。これならドリモールにトドメを刺さるんじゃないか?」


 『可能でしょうが、油断は禁物ですよ。』


 濃縮した酸の影響もあるだろうが、ドリモールのドリルは根本から無くなっており、更にドリモールの身体にはかなりの傷から血液が大量に垂れ流されている。


 「ヒスイ、プルン。お前たちはドリモールの傷口から体内に侵入して攻撃をしてくれ。」


 『わかった!』


 『たべちゃうぞー!』


 『ハルト、私もドリモールを食べたいわぁ。』


 「分かった。気を付けろよ。ミルクは俺と一緒にドリモールを拘束だ。ドリルも無いドリモールなら俺たちが協力すれば逃げられないだろうからな。」


 『ハルト様。僕、ドリモールが動けないように頑張りますモー!』


 そうしてハルトとミルクが協力魔法を使用して傷だらけのドリモールを拘束すると、ヒスイとプルンは傷口からドリモールの体内に侵入して攻撃を行ない、コッコロは傷口を啄ばみ捕食を開始した。


 それから少し経ちドリモールが目覚めると、身体の中や外から発生する痛みに苦しみ暴れ出す。


 「ミルク、このまま維持だ!」


 『ふんっ!!ハルト様、ドリモールを締め上げますモー!』


 「分かった、やるぞ!」


 ドリモールの拘束を更に強化して暴れていたドリモールを大人しくさせると、暴れている最中は捕食を止めていたコッコロは食事を再開した。

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