第350話

 土の手に掴まれた状態のドリモールは朦朧としていた意識を取り戻し、麻痺で痺れた身体や酸や氷結で耐久が落ちて破損し始めたドリルを無理矢理動かしてこの状態から脱出しようとドリモールは動き出す。


 そんな動き出そうと暴れ始めたドリモールにゴーレム一号機と二号機からの闇属性魔力の光線が放たれ、更に接近していた四号機がドリモールの肛門にドリルとパイルバンカーを同時に行ない、五号機が大きな傷口に四号機と同じようにドリルとパイルバンカーを行なった。


 流石に肛門からの攻撃は激痛が走ったのか、ドリモールが今までに聞いたことのない声で苦痛の悲鳴をあげる。


 あまりの痛さに暴れていたドリモールも一瞬動きを止めたが、それも一瞬でドリモールは今までよりも一層激しく暴れ回りミルクが握り潰そうとした土の手の拘束から流れて尻から血を流しながら地面に潜って行く。


 「うわっ、えげつない攻撃だな。」


 『ですが、あれでドリモールにかなりのダメージを与えましたよ。このまま上手く対処して倒してしまいましょう。』


 それからのハルトたちの戦闘は地中から飛び出て攻撃してくるドリモールからの攻撃を回避し、反撃に攻撃するということを何度も繰り返し行なった。


 『動きも遅くなってますね。これなら次で仕留められそうです。あと少しです。ですから皆さん、意識をドリモールから逸らさないで集中したまま戦ってください!』


 「流石に疲れて来たけど、みんなあと少しだ!頑張ろう!!」


 ドリモールとの戦闘事態は既に二時間以上も経ち、そろそろハルトたちの集中力も落ち始めて来た頃、ドリモールがゴーレム四号機を狙って飛び出して来た。


 ボロボロになっているドリモールのドリルに向かって、ゴーレム四号機の腕に付けられたドリルがぶつかり合う。


 これが召喚されたばかりのドリモールのドリルならば、ゴーレム四号機や五号機のドリルのぶつかり合いに一瞬だけだが拮抗するくらいは出来ただろう。


 だが、今のドリモールのドリルはボロボロになっていたせいで、ゴーレム四号機とのドリルのぶつかり合いに負けてしまった。


 ゴーレム四号機のドリルも無事では無いが、それはドリモールのドリルの破壊に比べればなんてことないだろう。


 ドリルを破壊されたことで唖然とした表情をして動きが固まっていたドリモールだったが、ドリモールはすぐに激昂して破損したが、それでも硬く重いドリルの鼻先を振り回してゴーレム四号機を吹き飛ばしてしまう。


 その威力はドリルの回転が無くても高く、ゴーレム四号機の手足は破壊や破損をしていた。


 『遠距離攻撃です!ドリモールはドリルで潜っているせいで手で穴を掘って地中には潜れません。今のうちに遠距離攻撃で倒してください!!』


 「聞いたな!これが最終局面だ!!ここで仕留めるぞ!!!」


 疲労しているが、それでも声を張り上げてハルトは言うと、全員が行なえる遠距離攻撃をドリモールへと行なっていく。


 ドリモールも頭を振って破損したドリルで攻撃を弾こうとするが、多勢に無勢ですべての攻撃を防ぐことは出来ずに全身がボロボロになってしまう。


 それから十分も経たずにドリモールは地面に倒れ伏した。


 ドリモールが倒れて完全に死んだのかをナビィに確認して貰うと、やはりドリモールは死んでいるようで、そこでハルトは座り込んで、ホッと息を吐く。


 そして、自身に健康魔法を使って回復すると、ハルトは一番近くで動かずに疲れているミルクの元に向かい健康魔法を掛けると、ヒスイたちの元にも健康魔法を掛けて行った。


 それからハルトたちは破損したゴーレム四号機の腕や足の部品やドリモールのドリルの破片の回収をして行き、倒したドリモールをアイテムボックスに収納した。

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