第348話
翌日、ハルトたちの朝食は英気を養う為に豪華な食事を摂り、朝食後は身体を戦闘状態に移行する為に軽く身体を動かしていく。
『これからハルトたちが戦うことになるドリモールは格上のモンスターです。ですから、一時的に身体能力の強化と魔力の回復量、魔法効果の上昇をさせるポーションを飲んでください。』
「死にたくないし、飲むけど……これ、不味いんだよな。はぁ。」
『ヒスイもそれきらい!』
『ぼくもきらーい!』
『そのポーション、癖になる味なのよねぇ。』
『僕もそれは苦手ですモー。』
それでも能力の強化を一時的に起こすポーションをハルトたちは飲み干して行き、更にその上から魔法で能力強化を施していく。
『皆さん、ドリモールが魔法陣から召喚された瞬間に弱体化の魔法や拘束の魔法を発動してください。』
「俺が弱体化で。」
『ヒスイはこうそく!プルンもいっしょにこうそくにしよっ!』
『うん!ヒスイおねえちゃん!!』
『私は弱体化ですねぇ。』
『僕は拘束ですモー!』
そうして各々が召喚されたばかりのドリモールへ行なう行動の確認を行なったハルトたちはボス部屋へと向かった。
ボス部屋の中は普通なら視界の効かない暗闇の広場だろうそんな場所に魔法陣が展開されて光が広場の中心を照らす。
そして、その魔法陣の中心に現れたのは、頭部の鼻の部分がドリル状になっているモグラのモンスターだった。
『今です!!』
ナビィのその念話を聞いたハルトたちは一斉に召喚されたばかりのドリモールへと行動を移した。
まずハルトが行なったのは移動スピードを下げる弱体化から始まり、幾つもの弱体化の魔法を行なう。
ヒスイとプルンにミルクは、協力魔法を水属性魔法でヒスイとプルンが行なって水の鎖がドリモールに絡まり、ミルクの手のひらが一メートルもある複数の土の腕がドリモールを拘束してその場に止める。
最後にコッコロが閃光爆音卵爆弾の投擲により、耐性も弱体化していたドリモールは気絶させてしまう。
『ドリモールの気絶確認!!ドリモールの側面に移動して、各々が放てる最大威力の攻撃を行なってください!』
「みんな、移動するぞ。ナビィ、攻撃の合図は頼んだ。」
『分かりました。』
ナビィがドリモールの気絶の確認を終えると、ハルトたちはそれぞれの持ち場に着くように移動して魔力を高めていく。
全員が攻撃体制に入って準備を終えると、ナビィからの合図を待つ。
『今です!攻撃開始ッ!!!』
ナビィからの合図でハルトたちは一斉にドリモールへと攻撃を開始した。
水の鎖で縛られ、複数の土の腕に掴まれてグッタリと気絶して動かないドリモールにハルトたちの攻撃が命中していく。
木属性魔法で作られた大きな種子の弾丸がドリモールの体内深くまで突き刺さり、協力して生成された濃縮酸が水属性魔法を使い鼻先のドリルを溶かし始め、雷撃を爆発と共に発生させる卵爆弾が命中し、土属性魔法で一時的に作られた鉄の腕が振り下ろされ鉄の拳が根本が溶けて始めた鼻先ドリルの先端に直撃する。
気絶中で抵抗することが出来なかったドリモールは、一連のハルトたちの攻撃で気絶から覚醒するが、その身体にはかなりのダメージが蓄積した。
更に痛みで目覚めたドリモールが悲鳴をあげ地中に潜ろうとドリルを回転させた時、待機中だった五機のゴーレムが動き出す。
一号機と二号機が胸部の装甲を開いて闇属性魔力拡散収束光線砲を収束させ両腕から猛毒の太い針を放つ。
四号機と五号機が片腕のドリルを高速回転させてドリモールの毛皮を削り、その下の皮膚を貫通させて体内を削り出し、肉や血液などが飛び散らせ、もう片方の腕のパイルバンカーを起動させて貫き穴を開ける。
そして、十メートルの巨大のゴーレム三号機が、その身の丈にあった改造インセクトキラーハンマーを両手で持ち上げて振り下ろすのだった。
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