第346話
クラン大地の大槌のクランマスターであるザンカと別れたハルトは、洞窟に掘った坑道の奥に向かった従魔であるみんなを呼び戻すと、坑道の入り口を任せてミスリル鉱石の鉱脈の元へと向かった。
「掘り進めたみたいな。ありがとう、ヒスイ。」
『どういたしまして!はい、これ!』
ヒスイから石破壊のツルハシを受け取ると、ハルトは早速ミスリル鉱石の鉱脈を掘り進めて行く。
掘り進めて行く間、ハルトたちの元にモンスターは来ることなく、ミスリル鉱石の鉱脈を掘り終える。
ヒスイが集めたミスリル鉱石の山をアイテムボックスへと収納すると、ハルトとヒスイは坑道入り口を守っていたプルンたちと合流すると、他の鉱脈を探す探索へと出る。
クラン大地の大槌が進んで行った先には向かわず、ダンジョン探索を進めていると、こちらに向かうモンスターの群れが感知スキルに入って来た。
「見えて来た。あれはオンパバットだな。みんな、超音波の斬撃に気を付けろ!!」
向かって来るオンパバット六匹が視界に入ると、オンパバットも超音波で分かっていただろうが視認したからか、超音波攻撃をオンパバットは放って来た。
キィーーーンと音をオンパバットたちが鳴らすと、六つの超音波の斬撃がハルトたちの方へと向かう。
『ハルト!音波の斬撃が来ます!!事前に決めた魔法で防いでください!』
「ああ!」
事前に決めたイメージでハルトは魔法を発動すると、迫る不可視の音波の斬撃を風属性魔法で作り出した振動する風の壁を作り、オンパバットの超音波斬撃を防ぎ切る。
『ハルトが防ぎました。皆さん一斉に攻撃してください!まずは私からです!!』
ナビィが指示を出すと、ナビィはゴーレム一号機と二号機に備え付けられた機能を発動し、闇属性魔力の拡散する光線がオンパバットたちへと放たれた。
放つ闇属性拡散光線の威力は拡散することにより威力が落ちるが、洞窟の道すべてに逃げ場のない拡散光線にオンパバットたちはダメージを受ける。
だが、それでもオンパバットたちはダメージを受けても墜落することなく、ハルトたちの元へと向かって来る。
そんなオンパバットたちにヒスイたちは攻撃を繰り出した。
ヒスイが身体から伸ばした触手の先から水弾を、プルンが複合属性魔力の光線を、コッコロが翼を羽ばたき魔法で風の刃を、ミルクが圧縮した硬く重い土弾を放った。
各々が持つ遠距離攻撃がオンパバットたちへと次々と命中して行き、攻撃が命中したオンパバットたちも死にはしなかったが洞窟の地面に墜落する。
『まだ生きています。トドメを刺してください、ハルト!』
「あれだけ受けて、まだ生きてるのか!ナビィ、サポートは頼んだぞ!」
世界樹の棒に魔力を込めると、ハルトはナビィのサポートを受けた木属性魔法を発動すると、パタパタと羽を動かして再び空中へと飛ぼうとするオンパバットたちの真下の地面から木の杭が伸び出て串刺しにする。
「オンパバットたち、あれを食らってまだ生きてるな。小さいのに思ったより生命力が高い。みんな、今度こそトドメを刺してくれ。俺はこのまま魔法を維持しないとオンパバットたちに投げられるからな。」
『オンパバットの牙や声帯は素材になりますから注意して倒してください。それと瀕死でしょうが、音波での攻撃をする可能性もありますから、それにも注意が必要ですからね。気を付けてください。』
ナビィに注意することを伝えられると、ハルトの指示を受けたヒスイたちは、未だに串刺し状態だが生きているオンパバットの群れの元へと移動して、それぞれがオンパバットへと攻撃して倒していく。
そして、倒したオンパバットたちの元へとハルトは移動すると、アイテムボックスにオンパバットたちを収納して、迷宮の先へと進んで行った。
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