第332話

 ハルトを先頭にしてラプトルリザードの群れにハルトたちは向かって行く。


 ラプトルリザードの方も接近して来るハルトたちの方へ走り駆けると、先頭のラプトルリザードがハルト目掛けて飛び掛かって来た。


 「はぁあああ!!!!!」


 気迫の籠った声を出しながらハルトは飛び掛かり伸し掛かろうとするラプトルリザードに対して、世界樹の棒の先端の重量を重くして振るいラプトルリザードに命中させる。


 先頭の飛び掛かったラプトルリザードは、そんなハルトの攻撃で地面に叩き付けられるが、そんな地面に転がるラプトルリザードは囮だった。


 世界樹の棒を振り抜いた体勢のハルトに次から次へとラプトルリザードは襲い掛かって来る。


 最初のラプトルリザードと同じく飛び掛かる者、そのまま真っ直ぐに突撃して来る者、体勢を低くして襲い掛かる者など様々だ。


 だが、そんな動きで攻撃を仕掛けたラプトルリザードにヒスイたちが攻撃を仕掛ける。


 ヒスイは触手の大きさに合わせた多くの小さな鎧を身に着けて鞭のように振るい、プルンは八つの剣を振るい攻撃を行ない、コッコロは翼に魔力を込めて翼撃をぶつけて、ミルクは角を構えて突進を行なった。


 それぞれの攻撃はハルトを狙って攻撃して来たラプトルリザードに命中してダメージを与える。


 だが、それもまたラプトルリザードたちからしたら囮だったようで、その後ろに待ち構えていた四匹のラプトルリザードがミルクに襲い掛かったところだった。


 『痛いモー!!つ、爪が食い込んでるモー!!』


 ミルクが痛みで泣き叫ぶ念話が届いた。


 そんなミルクの声が出て届いている中で、ハルトはミルクの上に乗っているラプトルリザード目掛けて世界樹の棒を横薙ぎに払い落とすと、足に噛み付いているラプトルリザードを剣の形に変形させた世界樹の棒で縦に一閃する。


 ラプトルリザードの首を切り落とすと、そのままスムーズに移動を行ない、更に世界樹の棒を槍の形に変えると、その世界樹の棒で攻撃を止めてミルクから離れる二匹のラプトルリザードの内、その内の一匹に向かい突きを繰り出して胴体を貫き、ラプトルリザードの心臓にに突き刺した。


 これで八匹いたラプトルリザードの内、二匹倒すことに成功し、残りのラプトルリザードは六匹になる。


 ラプトルリザードも二匹倒されてしまい、一旦ハルトたちから距離を取ると集まり出す。


 無傷の状態のラプトルリザードは一匹だけしかいないが、それでもラプトルリザードの戦意は落ちていない。


 「第二ラウンドだ!行くぞ、みんな!!」


 今度はハルトたちからラプトルリザードへと攻撃を仕掛ける。


 ナビィから送られた念話による作戦を行ない、ミルクが真っ直ぐにラプトルリザードへと突っ込んで行く。


 地面が陥没するほど力強く走り突撃するミルクの勢いにラプトルリザードたちは一瞬だけだが怯んだ様子を見せる。が、ラプトルリザードは一匹を残してミルクの進行方向から左右に離れる。


 そんな離れずにいたラプトルリザードは踏ん張りミルクを受け取れる体勢を取るが、ミルクの突撃に跳ね飛ばされてしまう。


 それでもミルクの突撃の勢いは削がれてしまい、ミルクのスピードが落ちた段階で距離を取っていたラプトルリザードたちが一斉にミルクに襲い掛かる。


 「ミルクに集中している今がチャンスだ!」


 だが、今回もミルクの役目は囮で、そんな囮に引っ掛かるラプトルリザードたちへハルトたちは各々の武器や攻撃手段で攻撃を行なっていく。


 ハルトとプルンは魔力刃の斬撃を飛ばしてミルクに行なうラプトルリザードの攻撃を妨害し、ヒスイの先端に酸を纏わせた触手の連続突きを行ない、コッコロは全身に魔力を纏い空中から体当たりをしてラプトルリザードを吹き飛ばした。


 ミルクも立ち止まった状態で頭を振るって飛び掛かるラプトルリザードを地面に叩き落として行った。


 それからハルトとプルンは接近して攻撃を行ない、ヒスイはそのまま触手を振り回し、コッコロはラプトルリザードの上に乗って頭部に嘴で突いて穴を開け、ミルクは地面に倒れて起き上がろうとするラプトルリザードを踏み付けて倒していく。

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