第331話
泥の沼地で泥の腕に拘束されている六匹のラプトルリザードに対して、ヒスイとプルンが水属性魔法でラプトルリザードの身体全体を濡らして湿らしていく。
「俺の魔法で一気にダメージを与えるから、その後まだ生きているラプトルリザードはミルクが倒してくれ。ヒスイとプルンは近くまで接近して来たら攻撃だ。良いな。」
『わかった!』
『うん、それでいいよー!』
『分かったモー、ハルト様!』
そしてハルトは、魔力が集まっている世界樹の棒をラプトルリザードに向けると、準備をしていた雷属性魔法を発動した。
世界樹の棒の先端からラプトルリザードへと放たれる雷属性魔法は、一直線一番近くのラプトルリザードに命中すると、そこから他のラプトルリザードに枝分かれするように雷撃が分かれてダメージを与えていく。
そして、六匹すべてのラプトルリザードに雷撃が行き渡ると、更にラプトルリザードにダメージを与える為に、雷撃はそのまま沼地に流れずにラプトルリザードのみに流れ続ける。
そんな雷属性魔法の雷撃によりラプトルリザードは苦痛の悲鳴をあげている。
「ミルク、攻撃だ!」
『これが僕の全力だモー!!』
ミルクの二本の角に魔力が溜まっていくと、その魔力を使って土属性魔法を発動し、硬化させた硬い石弾がラプトルリザードたちに向かい放たれた。
かなりの魔力が込められた土属性魔法の石弾の威力は高く、痺れ拘束されたラプトルリザードの頭部に命中すると、そのラプトルリザードの頭部は弾けて潰れた。
そんな石弾の魔法をミルクは一発放つだけで一分も時間を掛けて放ち、ラプトルリザードはハルトの魔法で死んだもの以外はミルクの魔法で倒すことが出来た。
そして、コッコロの方はと言うと、最初の爆発を受けて、ラプトルリザードたちは足を怪我したのか移動が遅く、そんなラプトルリザードにはコッコロの投擲した卵爆弾の回避は不可能で、ラプトルリザードたちは爆殺されてラプトルリザードのモンスター素材は使えないほどボロボロになっているのだった。
「コッコロの方のラプトルリザードは回収しなくても良さそうだな。あれほどの爆発を受ければ素材は使えないだろう。」
『瀕死のラプトルリザードにあれほど投擲しなくても良いくらい、コッコロはたまご爆弾を投擲していましたからね。ラプトルリザードの回収はハルトとミルクが倒した物だけで良いでしょう。これからもラプトルリザードとの戦闘はありますからね。』
そうしてハルトたちは正面から来たラプトルリザードだけをアイテムボックスに仕舞うと、ナビィの案内で二十二階層の階段の場所まで向かって行く。
その道中で先ほど倒したばかりのラプトルリザードと同じ数のラプトルリザードの群れと再度遭遇した。
「今度は接近戦で戦ってみよう。ラプトルリザードは連携が得意のようだから、それには気を付けろよ!」
世界樹の棒に魔力を込めて行きながら、ハルトたちはラプトルリザードに向かって行く。
『今回の群れは正面から来るようですね。』
「それぞれ連携しながら戦って行くぞ!ナビィが指示を出してくれ!」
『分かりました。まずは前衛にハルトとプルンにミルクで行きましょう。ヒスイとコッコロは動き回りながら攻撃してください。ハルト、ミルクに今出来るだけの強化の魔法を掛けてください。そうすれば、今のミルクでも致命傷になる攻撃を受けないでしょうから。』
「分かった。ミルク、動くなよ。」
ミルクにハルトが行なえるだけの身体能力を強化する魔法を掛け終わると、一応ミルクだけじゃなくハルト自身やヒスイたちにも魔法を掛けて身体能力を強化していく。
「強化は終わったな。それに丁度ラプトルリザードの群れが見えて来た!みんな、行くぞ!!!」
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