第325話
突撃したミルクは空中を滞空する木登りリザードに激突すると、そのまま木登りリザードをすぐ近くの木に叩き付ける。
『これでトドメだモー!!』
木に木登りリザードを叩き付けたミルクは、一歩だけ木から下がると地面に落ちた木登りリザードを前足で踏み付ける攻撃を行ない、木登りリザードの頭部を踏み潰してしまう。
『木登りリザードを倒したモー!』
『ミルク、まだ戦闘は続いています。次の木登りリザードに備えてください!』
『そうするモー!』
それからハルトたちの元へと向かって来る木登りリザードを全て倒し終わると、ハルトたちはアイテムボックスに木登りリザードを収納してダンジョン探索を再開した。
「それにしても少し多かったな。木登りリザードの数。」
『朝一番だったからですかね。この道を通った冒険者はいなさそうですから。新しく生み出されたモンスターが多く居るのでしょう。』
「それであんなに多かったのか。木登りリザード以外の他のモンスターは現れなかったけど、それは運が良かったのかな?」
『それはそうでしょうね。他の二種類のモンスターも増えている筈ですから注意しておいてくたさい。』
「そうだな。みんなも警戒は頼むぞ。」
話をしながら進んで行き、話を終えてから五分も経たない内にナビィが行なっている感知スキルの範囲にモンスターが入るのが分かったのか教えられた。
「今度はどんなモンスターが接近して来るんだ?」
『木登りリザードよりも移動スピードが速いです。ですから、木登りリザードでは無いのでしょう。ロックモンキーと石皮イノシシのどちらかでしょうが、こちら側に向かって来る数が多いですから、きっとロックモンキーですよ。』
「ロックモンキーか。それなら投擲には注意が必要になるな。それで俺たちの方に来ているか?」
『まだ気付いてはいないでしょう。ですが戦闘はありますよ。どうやらロックモンキーはこの道を通る相手を狙える位置で動きを止めました。』
「そうか……こっちから攻撃することが出来る位置があれば良いけど、この周囲の木々だと無理だろうからな。」
『そうですね。ロックモンキーからの投擲を防ぎながら戦いましょう。それくらいしか今のところはありませんから。』
この木々を通ってロックモンキーたちの元へ行けば良いけど、ミルクは移動し難い。その為、ロックモンキーからの投擲をミルクだけ躱したりは出来ないからだ。
他の方法もあるがハルトたちは周囲に結界魔法で障壁を張りながら道を進んで行った。
そして、ロックモンキーからの投擲攻撃が行なわれた。
「結界魔法の障壁を破壊するほどの威力は出ないみたいだな。みんな、感知した先に居るロックモンキーを攻撃するぞ!」
張られた障壁により投擲された石が弾かれる中、ハルトはヒスイたちへと指示を出すと、自身も未だに投擲を行なっているロックモンキーへと攻撃を仕掛けた。
「木の枝に乗って投擲をしているのか。ナビィ、魔法を使うからサポートを頼むぞ!」
『分かりました。いつでも構いません!』
身体に生成された石を剥ぎ取り、その石を投擲して来るロックモンキーたちに対して、ハルトは世界樹の棒に魔力を込めて地面に突き刺さると、発動する魔法のイメージを行ない魔法を発動した。
そして、ヒスイたちが狙っていないロックモンキーをナビィのサポートにより分かったハルトの魔法は、ロックモンキーの乗る木を利用し、その木からロックモンキーを狙って鋭い穂先の木の槍が作り出され放たれる。
「ギャギィイイイイ!!!!!!」
そんな声がハルトの発動した魔法に命中したロックモンキーたちから聞こえ出した。
ハルトの魔法を受けた大体のロックモンキーは胸部などの急所近くに命中して動かなくなるか、貫かれて血を流しながら痛みで騒いでいるだけになり、痛みで叫び声を上げているロックモンキーを狙って二回目の魔法が発動された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます