第324話
世界樹の迷宮十一階層で一夜を過ごしたハルトたちは早朝には寝泊まりしていた場所を移動する為の移動の準備をしていた。
そして、この十一階層は十階層までと違う景色をしており、十からと繋がっていた近くは広場になっていたが、その広場の周りは鬱蒼とした森林が広がっていた。
「この道が出来ている方に向かえば次の階層への階段があるんだよな?」
『冒険者ギルドの資料ではそうでしたね。途中で道が枝別れしているそうですが、五十階層までの地図は覚えていますので道案内は大丈夫ですよ。』
「頼むよ、ナビィ。みんな、この階層からはまた新しいモンスターが出現するから気を付けてくれよ。」
『うん!』
『きをつけるよー!』
『分かりましたわぁ。』
『気を付けるモー。』
「それじゃあ出発だ!」
ハルトたちは獣道と言うには整えられている道を進み始めるが、進み始めてからそれほど時間が経たずにモンスターに襲われた。
事前に気配や魔力を感知するスキルのお陰で奇襲は免れたが、周囲の木々を盾に接近して来たモンスターにハルトたちは先制攻撃を行なえなかった。
『相手は木登りリザードです。魔法は使いませんが牙には毒がありますから噛み付かれるのは気を付けてください!』
「みんな、聞いたな。噛み付きには気を付けろよ!ヒスイとプルンは木の上から来る木登りリザードを攻撃してくれ!コッコロは木の後ろに隠れているのを狙え!ミルクは俺と一緒に接近して来た木登りリザードだ!」
ハルトが指示を出すと、ヒスイたちは早速行動を開始した。
ヒスイとプルンはミルクの身体の上に飛び乗り、周囲の木々から接近してくる木登りリザードを狙い始め、コッコロは感知した木に向かって卵を投擲し、ミルクはすぐに動けるようにしながら周囲を警戒する。
『いた!プルン、いっしょにこうげきだ!』
『わかったよーヒスイおねえちゃん!』
ミルクの上で木登りリザードを狙うヒスイとプルンは感知スキルで見つけ出した木を移動する木登りリザードに協力して魔法を発動した。
木の上側の裏に居る木登りリザードを狙い発動した水属性の協力魔法は、木を貫通して木登りリザードを貫くのだった。
そうしてヒスイとプルンが魔法を使い木の上側に居る木登りリザードを倒している間、コッコロは地面を移動して接近する木登りリザードに卵を投擲してダメージを与えているが、それでも卵の爆発が直撃している訳ではない為、それほどダメージを受けてはいなかった。
その為、ハルトたちの元までたどり着く木登りリザードが現れた。
「ミルク、戦うぞ!左から来る一匹は任せた。」
『分かったモー!』
「他のみんなはそのまま戦っていてくれ!」
接近して来た木登りリザードの数は三匹でその内の一匹をミルクに任せると、ハルトは残りの二匹の木登りリザードへ攻撃を仕掛けた。
一匹は世界樹の棒の先端を向けて呪魔法から始まって数々の属性魔法の魔力弾を放って攻撃を加えて倒し、更にこちらに接近して来た木登りリザードを世界樹の棒の形を剣に変えると、形を変えた世界樹の棒に魔力刃纏わせて剣状の世界樹の棒を振るって木登りリザードに切り裂き倒した。
ハルトが二匹の木登りリザードと戦っていた頃、ミルクの方も若干格上の木登りリザードと戦っていた。
『ミルク、ヒスイたちのことは気にしなくて大丈夫です。そのまま戦ってください!』
『きにしなくてもいいよ!』
『ぼくとーヒスイおねえちゃんならーだいじょうぶだからー!』
『分かったモー、そうするモー!』
そうしてミルクは道に出て来た木登りリザードに対して、土属性魔法で木登りリザードの腹側を突き上げるように石の柱で真上に突き上げると、石の柱は再び地面に戻る。
そして、腹を強打されて変な声を出し空中を滞空している木登りリザードへとミルクは突撃していった。
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