第313話
それから何度か遭遇した牛系モンスターを突撃を行なって倒して進み、二日掛けて魔境猛る牛の草原との境までたどり着けた。
「これで猛る牛の草原も終わりか。肉もかなり手に入ったし、突撃も最初の頃と比べれば、だいぶ上手くなったんじゃないか?」
『そうですね。最初の頃に比べれば上手くなりました。一回の突撃で大半のモンスターを狩れるようになりましたからね。』
「それにしてもこっちに向かえば良いのか?何もない草原だけど。」
『大丈夫です。ここからかなり真っ直ぐに行った位置に目的の町がありますから。』
「そうか。なら、行くぞ。ミルク。」
「もー!」
ミルクに真っ直ぐに進むように指示を出すと、腰の近くまで長く成長している草原をミルクは駆け出した。
「ナビィ、警戒は任せても良いか?」
『任せてください。』
「警戒はナビィがしてくれているから、俺たちは今のうちに修行をするぞ。」
ハルトはミルクの上に騎乗しているヒスイ、プルン、コッコロの三匹に声を掛けると、騎乗した状態で修行を開始した。
各々が苦手な属性魔法や耐性のスキルレベルの上昇を目指したり、得意なスキルを更に磨け上げたりしながら三日掛けて目的の町の近くまで来た。
「プルン以外は送還するぞ。」
『うん。』
『分かったわぁ。』
「もー。」
プルン以外の従魔を送還すると、ハルトは町へと向かった。
門兵に冒険者ギルドのギルドカードを見せると、真っ直ぐに商業ギルドへと向かった。
商業ギルドで牛系モンスターの皮や骨を素材に作成した武器や防具、アクセサリーに装飾品、鞄や服など査定して貰って買い取りをして貰う。
(防具や鞄、衣服はそれなりの値段で売れたな。)
『需要があるのでしょうね。アクセサリーもそこそこの装備効果があったので売れましたし。』
(それに比べて骨や角の武器は高く売れなかったな。薬師ギルドはここだな。)
薬師ギルドに着くまでの間、ナビィと念話で話していると、商業ギルドからそれなりに歩く距離にあった薬師ギルドに到着した。
薬師ギルドでポーションの売却を行ない、珍しい薬草などの植物はないのかを探したり、ポーション瓶の補充をして行った。
それが終わると、ハルトたちは冒険者ギルドへと向かった。
冒険者たちの列がなかった為、並ばずに犬耳の受付嬢の居る受け付けに着くと、ハルトはアイテムボックスから冒険者ギルドのギルドカードを取り出して受け付けのテーブルに置く。
「Bランク冒険者の方ですか。本日はどのようなご用件ですか?」
「新しく従魔が増えたんだ。だがら、従魔登録をしてくれ。」
「分かりました。準備が終わりましたら、従魔の確認をさせてください。」
従魔だと分かるように従魔の証を取りに行く受付嬢が戻って来るのを待つ間に、ハルトはミルクが乗れるサイズの結界の足場を作り出して置く。
「お待たせしました。準備が終わりましたので従魔の確認をさせていただきます。」
「分かりました。」
先ほど作った結界の足場にミルクを召喚した。
「もー!」
「ミルクカウを従魔にしたんですか?!」
「声が大きいです。」
「申し訳ありません。」
冒険者の数は少ないがそれでも居る状態で叫ばれると、多くの人に注目されてしまう。
そのことを思い、受付嬢を注意すると受付嬢もすぐに気付いたのか頭を下げて謝ってくる。
その後、すぐにミルクに従魔の証を取り付けギルドカードへの登録を終わらせると、受付嬢がミルクカウの牛乳の買い取りを頼まれた。
「じゃあ、解体場に持って行きますけど、入れ物はどうすれば良いですか?」
「解体場で用意されるので解体場の職員に伝えてください。依頼書もありますので依頼を受けてからの方が良いですよ。」
「分かりました。」
それから依頼を受けたハルトは解体場で牛系モンスターの素材の売却と幾つかの依頼を達成して冒険者ギルドに戻り、諸々の手続きを済ませていく。
そして、このタンギュウの町での用事を済ませたハルトたちは市場を覗いてからタンギュウの町を後にした。
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