第310話
翌日、あれから拠点に構えた場所を後にしたハルトたちは、魔境猛る牛の草原の魔力の源泉のある場所を目指して進んでいた。
その道中にミルクカウの捜索も行なっていたが、その影すらも未だに見つかっていない。
魔力の源泉にたどり着くまでの間、ここまでの道のりで、遭遇したモンスターは牛系モンスター以外にも多かったが、やはり苦戦するレベルの高いモンスターとは遭遇することはなかった。
そんな中、魔力の源泉には三日目の午後の夕方頃の時間帯にハルトたちはたどり着いた。
猛る牛の草原の魔力源泉は少し小さめな泉が湧き出る場所にあり、その場所は牛系モンスターの巣窟になっていた。
「それにしてもこれだけ牛系モンスターが居て全然ミルクカウは見つからないな!」
『猛る牛の草原の主モンスターであるマザーミルクカウを倒す時に、ミルクカウも多く倒したと報告されていたそうですからね。新しくミルクカウが生み出されるまでまた他にないですね。ヒスイ、斜め右に土の壁を出してください。』
『うん!わかった!おりゃ!』
ヒスイはナビィの指示を聞き、砂珠の杖を地面に刺して斜め右から突っ込んで来る猛牛の前方に土の壁を生やし、その土壁に猛牛は衝突した。
衝突の衝撃で土壁は破壊されたが、猛牛も衝突のダメージを受けて地面に倒れる。
『ヒスイ、トドメを刺してください。』
『うん!』
地面から硬い棘の針が丁度、猛牛の頭部に突き刺さると、ヒスイはトドメを刺した。
『ハルト、プルン。正面への攻撃が薄くなってますよ。威力も大事ですが、それよりも数を優先してください。』
「了解……はぁ!!!」
『いーっぱいくらえー!』
命中した相手から枝分かれするように増える雷をイメージして、世界樹の棒に魔力を込めて魔法を放つ。
プルンはと言うと魔力刃を纏わせた六本の剣を振るって魔力の斬撃を飛ばし、剣を持つ以外で伸ばした身体の箇所から複合魔法の光線を放つ。
ハルトの雷属性魔法で一時的に動きを止めて、動きが止まったその瞬間にプルンの攻撃が牛系モンスターたちに命中していく。
一方、左側を任されたコッコロはどうしたのかと言うと、楽しそうに卵を牛系モンスターたちに投擲していた。
『うふふふ!!!あははははは!!!!もっともっとぉ!!爆発だぁぁぁ!!!!あはははははは!!!!!!』
手当たり次第に様々な属性攻撃が追加された卵の投擲により、牛系モンスターたちは慌てており、その場で暴れたり、別の方向へと走り出したり、同士撃ちする牛系モンスターも多く居た。
そんな中でも冷静さを失わない牛系モンスターの個体もおり、そのような牛系モンスターはコッコロを倒そうとする。
だが、そのようなモンスターはゴーレム一号機、二号機が相手をする。
接近する前に胸部からの闇属性魔力の光線を直射で放つか、拡散させて放って攻撃を行ない、接近されれば大盾で押さえ付けて槍でトドメを刺す。
そして、ゴーレム三号機はと言うと、ハルトたちの後方から迫る牛系モンスターと戦っていた。
この猛る牛の草原で遭遇して倒した牛系モンスターの骨や角を錬金術なども使って作り出した巨大な骨の棍棒をゴーレム三号機は使って戦っている。
骨の素材は金属よりも軽く、思いの外に素早くゴーレム三号機は振るい、それによって攻撃を受けた牛系モンスターは空中を飛ぶ羽目になっていた。
そんなこんなで魔力の源泉にたどり着いてから、一時間ほどの時間をかけて辺りの足系モンスターを倒し終わると、ハルトたちはその場で解体はせずにアイテムボックスに収納して行った。
『ここに拠点を構えましょう。ミルクカウは魔力の源泉近くに出現しやすいモンスターですからね。』
「そうか。それならそうしようもう、今日は疲れたから、簡単に整地してテントを建てよう。疲れたと思うけどお前たちも手伝ってくれ。」
接近戦をしない為に多くの魔力を使って戦ったヒスイたちも疲れた様子を見せていたが、三匹にも手伝って貰って拠点を作っていく。
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