第303話

 転倒しているブラックキングライオンにハルトたちが攻撃を加えて行き、かなりのダメージを与えていく。


 『全員!ブラックキングライオンから離れてください!三号機で攻撃します!』


 「離れるぞ!」


 ナビィからの念話でハルトたちは、ブラックキングライオンへの攻撃を止めて距離を取る。


 すると、ゴーレム三号機が大盾をその場で手放し、ナビィが使用したアイテムボックスから改造されたインセクトキラーハンマーを取り出した。


 『これでトドメを刺してあげます!!』


 そして、ゴーレム三号機は改造インセクトキラーハンマーを振り上げて、ブラックキングライオンの頭部に振り下ろした。


 ハルトたちからの攻撃を受け、更に今までの蓄積されたダメージもあったブラックキングライオンは、振り下ろされる改造インセクトキラーハンマーを避けられず、ブラックキングライオンの頭部に直撃した。


 ヒスイの酸を受けて、頭蓋骨の一部が脆くなっていたこともあり、ゴーレム三号機の振り下ろした一撃によって、ブラックキングライオンの頭蓋骨は大きく陥没してしまい、ブラックキングライオンは、その後すぐに息を引き取った。


 「た、倒したのか?ナビィ。」


 『はい、終わりましたよ。ハルト。ブラックキングライオンを倒しました。』


 「はぁー!終わったぁー!」


 ハルトはその場に座り込んでしまう。


 そんな座り込むハルトに向かい、ヒスイやプルン、コッコロが集まってきた。


 「みんなもよく頑張ったな。」


 『ヒスイ、つかれちゃった!』


 『ぼくもつかれたよー!』


 『爆発のしがいがある相手でしたぁ。』


 一匹一匹を労いながら撫で、健康魔法を掛けていく。


 『ハルト、休み終わったのなら、ブラックキングライオンを収納してください。その後はゴーレムのメンテナンスをしますので。』


 「分かった。ヒスイ、プルン。下ろすぞ。」


 膝に乗っていたヒスイとプルンを下ろして、ハルトは頭部の形が変わったブラックキングライオンをアイテムボックスに収納する。


 そして、ゴーレムたちを番号順に並べて行き、一号機から順番にメンテナンスを始めた。


 一号機、二号機は闇属性魔力拡散収束光線砲の一部に負担が掛かっており、修理が必要な状態になっていた。


 その他にも幾つかダメージがある場所もあり、時間がある時に製作した大きな錬金布を取り出してゴーレム一号機から修理を行なっていく。


 「お疲れさま。」


 一号機と二号機のゴーレムの修復を終えると、ぽんぽんと手で優しく叩いて労うと、二機のゴーレムをアイテムボックスに仕舞った。


 「この大きな三号機を調べるのは大変だな。ナビィ、どれくらいヤバい状態なんだ?」


 『三号機は、ほぼ全体の修復が必要な状態です。それに大盾の修理もありますので、修理しなくては当分戦闘には使えないでしょう。』


 「全体の修理かぁー。大変だな。」


 ゴーレム三号機を見上げながら、ハルトはそう思った。


 「三号機の修理と身体を休める為に二、三日くらいこの場所に居ても大丈夫か?」


 『多分ですが、大丈夫でしょう。キングライオンが新しく生まれるまでの間、この場所には、そこまで強いモンスターは現れないでしょうから。』


 「なら、良さそうな場所を見つけて、拠点作りを始めるか。」


 ハルトはゴーレム三号機をとりあえずアイテムボックスに仕舞い、拠点になれるだろう場所をヒスイたちにも協力して貰い動き出した。


 『ハルト!ここならいいんじゃない!』


 「確かに良さそうだな。ここにするか。」


 ヒスイが見つけてくれた拠点に良さそうな場所に着いたハルトは、そこに寝床や調理場、修行場、畑などを作っていく。


 そして、拠点作りを終えたハルトたちは、今日は結界の中から外には出ずにゆっくりと過ごすことにした。


 それから一週間の間、魔力の源泉のある場所でゴーレム三号機の修理などをして過ごして行った。

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