第302話

 大型ゴーレムのゴーレム三号機に殴られたブラックキングライオンは身体をのけ反らせる。


 『皆さん、今です!攻撃を行なってください!』


 ナビィからの念話が聞こえた瞬間に、アッパーカットのような一撃を受けて上体をのけ反っているブラックキングライオンに向かって駆け寄り、ハルトたちは攻撃を行なった。


 ハルトとプルンはブラックキングライオンの懐まで接近して各々の武器を振るって攻撃を行なう。


 ハルトはブラックキングライオンの体内を破壊するように魔力を纏った世界樹の棒を振るい、プルンは六本の剣にスキル魔力刃を使用して斬撃威力の向上した斬撃を食らわす。


 ヒスイとコッコロ、ゴーレム一号機とゴーレム二号機は遠距離攻撃を行なった。


 ヒスイは自身の身体が溶けるほど高い高濃度の酸を生成して酸弾として放ち、コッコロはブラックキングライオンの耳の中を狙って爆発と雷撃と爆音を発生させる卵を投擲した。


 ゴーレム一号機と二号機は胸部の装甲を開き限界を超えた最大威力の闇属性魔力の光線を放った。


 ブラックキングライオンは、ハルトの攻撃で内臓にダメージを受け、ヒスイの酸弾は水属性魔法でコントロールされブラックキングライオンの額に命中し、プルンの斬撃でブラックキングライオンの胸部に六つの大きめな切り傷が出来ると血が溢れ、コッコロの卵で耳の穴から大量の血が流れ出し、ゴーレム一号機と二号機の光線はブラックキングライオンの毛皮を貫通してダメージを与える。


 「グルルルルルァァアア!!!!」


 痛みにブラックキングライオンは唸り声を上げると、ハルトたちから離れずそのまま爪や牙で攻撃をしてくる。


 ゴーレム三号機がハルトたちの前に出て庇い、ブラックキングライオンが攻撃を行なった際に出た隙を付いて、ハルトたちは少しずつブラックキングライオンに攻撃を行ないダメージを与えていく。


 ブラックキングライオンとの接近戦一度目の時とは違い警戒をされていて、それほど多くのダメージをブラックキングライオンに与えられはしないが、それでもブラックキングライオンにダメージが蓄積している。


 だが、それはハルト側も同じだった。


 タイラントホーンビートルの突撃を防いだゴーレム三号機でもブラックキングライオンの縦横無尽の攻撃は機体に負荷が掛かるが、それでも三号機は大盾を犠牲にしながらも完璧に守っていた。


 ゴーレム三号機のお陰で今のところは誰もブラックキングライオンからの直接攻撃は受けていない。


 それでも今までの蓄積したダメージがブラックキングライオンに今現れた。


 ゴーレム三号機のシールドバッシュを受けてブラックキングライオンがダウンしたのだ。


 『チャンスです!今が攻撃をする時です!ここでトドメを刺しましょう!!』


 「分かった!全員、行くぞ!」


 地面に倒れたブラックキングライオンが起き上がる前にハルトたちは一斉に攻撃を仕掛けた。


 「はぁッ!次はこれだぁ!!」


 世界樹の棒を槍のように変形させてブラックキングライオンの傷口に突きを行なって突き刺さると、木属性魔法で体内にダメージをハルトは与える。


 『うぅ、いたい。でも、がまんだよ!はやく、とけちゃえ!!!』


 ヒスイはブラックキングライオンの頭部に飛び乗ると、高濃度の酸を酸弾で溶けた箇所に掛ける。


 『きるよー!せつだんだー!!』


 プルンは自身を回転させながら、チェーンソーのように六つの剣をブラックキングライオンの右前足に当てて切断しようとする。


 『盛大に弾けるんだぁ!!!アッハハハハハハ!!!!』


 コッコロはブラックキングライオンの耳の穴に次々と卵を投擲して行く。


 ゴーレム一号機、二号機は胸部から放つ光線を多用した為、一時的に使用出来ない状態だが、それぞれの武器を持って攻撃を行なった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る