第241話

 二十一階層にたどり着いてからハルトたちは二週間ほど上級ダンジョンの中で過ごし、その間に二十五階層までダンジョンの探索を終えた。


 その間、薬草などの素材集めや遭遇するモンスターを倒して過ごし、レベルとスキルレベルを上げていった。


 その間の食事はモンスターの肉やボムコッコの卵、ダンジョン内なら作れる野菜を調理して料理を食べていた。


 特にボムコッコの卵は黄身が濃厚な味わいでかなり美味しくみんながお気に入りになったほどだ。


 二十一階層までに出現したモンスターの中でも十階層ずつあるボス部屋のボスモンスターの肉は美味しくダンジョン探索中に全ての肉を食べ終わってしまった。


 他にも新しくボムコッコと契約を行ない、三匹目の従魔が仲間になった。


 新しく仲間になったナビィが見定めたボムコッコは、他のボムコッコよりも丸々としていて転がせば転がりそうだから、ころころしているボムコッコでコッコロと言う名前にした。


 コッコロは食欲旺盛で肉や野菜、魚に穀物など好き嫌いもなく、食材を調理した料理もかなり食べる。


 そんな新しく仲間になった従魔を連れてハルトたちは今、上級ダンジョンから外に出て解体場の中に居る。


 解体場で売却する素材や受けた依頼の素材や狩猟証明を出して、売却金と依頼書に達成のハンコを貰う。


 ダンジョンの外に出た時間が二の鐘が鳴っている時間帯だった為、そんなに待つ時間が掛からなかった。


 ハンコの押された依頼書を持ち、次に向かったのは冒険者ギルドだ。


 冒険者ギルドの中も今の時間帯だと列に並ぶ必要も無く、すんなりと受け付けを行なえた。


 「おはようございます。本日はどのようなご用件でしようか?」


 「依頼が終わったのと新しくモンスターを従魔にしたので、その報告を。」


 「コッコッコッ。」


 依頼書と冒険者カードを受け付けに置きながら受付嬢に言う。


 受付嬢にそう言うと、ハルトの肩に乗るプルンを確認して次にハルトの足下に居て鳴いているコッコロを見た。


 「もしかしてボムコッコですか?」


 「そうです。従魔に出来たのでお願いします。」


 受付嬢が足下に居るボムコッコであるコッコロを見ながら言う。


 「分かりました。それにしてもよくボムコッコを従魔に出来ましたね。それでは準備しますね。」


 受付嬢が冒険者カードを手に取ると席を離れて受け付けの奥に行ってしまった。


 受付嬢が戻って来るまでの間、ハルトは肩に乗るプルンをカウンターに降ろしてフニフニと突いていると、コッコロがスボンを啄んでくる。


 念話の使えないコッコロの為にナビィが通訳をすると、コッコロは自分も構って欲しいようだ。


 プルンだけでは無くコッコロも撫でて過ごしていると受付嬢が戻ってきた。


 「従魔登録が終わりました。次は依頼報酬ですね。これが今回の依頼報酬です。」


 受付嬢はコッコロの従魔登録が終わったことを伝えると、手早くハンコの押された依頼書を確認して依頼報酬の用意を始めた。


 「一応、従魔ですがボムコッコですからなるべく町の中で召喚するのはやめた方がいいです。特にボムコッコの危険性を知っている冒険者の方は多いですから。」


 「分かりました。確かに冒険者ギルドに来るまでの間、警戒している人たちが多かったのはそのせいですか。」


 そしてハルトは依頼報酬と冒険者カードを受け取る。


 「ジョブ部屋を使用したいのですが使用しても構いませんか?」


 「ジョブ部屋ですか?構いませんよ。では案内しますね。」


 受付嬢に案内されたジョブ部屋は少し奥まった場所にあった。


 「新しくジョブに就き終わりましたら受け付けで伝えてください。」


 「分かりました。」


 ジョブ部屋の中に入り、受付嬢が外に出たタイミングでヒスイもハルトは召喚する。


 「これからみんなにはジョブに新しく就いて貰う。最初はコッコロからな。」


 「コッコッコッ。」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る