第240話

 ヒスイとプルンが大岩の上でボムコッコと戦っている間にボムコッコとの距離をハルトは投擲される爆発する弾を魔法で弾きながら縮めて行く。


 「ナビィ、結界で階段!」


 『分かりました。サポートをします。』


 大岩は二メートルを超えるほど大きく、大岩の上に乗るには時間が掛かる。


 その為、ナビィに結界で階段を作るサポートを頼むと、大岩までの間に結界の階段が作り出される。


 結界の階段を登りながら大岩にたどり着くとボムコッコを攻撃していく。


 既に大岩の上のボムコッコの数はヒスイとプルンにより減り、その数はいま三匹しかいない。


 ここまで近く接近しているとボムコッコは爆発する卵を使って来ない。


 そのお陰でボムコッコとの戦闘は離れていた時のことを考えると簡単に片付いた。


 「お疲れさま。ヒスイ、プルン。」


 『ヒスイ!がんばったよ!』


 『ぼくもがんばったー!ほめてー!』


 ピョンピョンと飛び跳ねているヒスイとプルンを褒める。褒め終わるとボムコッコをアイテムボックスに収納して大岩の上から降りて行く。


 「ボムコッコは厄介だったけど、ボムコッコの卵を手に入れるにはどうすればいいんだ?ナビィ。」


 『ボムコッコの卵を手に入れるのは少し難しいんですよ。次にボムコッコと遭遇した時に教えます。ですから、これからは私がサポートするので移動の際は常に隠蔽して置いてください。』


 魔力や気配の隠蔽は今もしているがナビィがサポートを行ない、隠蔽の強さを高めないといけないのか。


 「それは今以上に隠れながら探索するのか?」


 『はい、そうです。』


 そこからナビィによるボムコッコの卵の採取方法を教わった。


 ボムコッコはスキルで卵の生成をするには魔力と体力を消費するらしい。その為、ボムコッコに気付かれずに接近して拘束する。


 ボムコッコは拘束すると勝ち目が無いと判断して自爆するようだ。自爆の為に卵を大量に生成して産み落とす卵を水魔法で生成した水の中に入れていく。


 水の中に入れることでボムコッコの卵は爆発を起こさずに採取することが出来るそうだ。


 「なら、ボムコッコが投擲してきた卵を水魔法で受け止めればよかったんじゃないか?そうすれば簡単に採取が出来そうだけど?」


 『いえ、ボムコッコの卵は産んですぐに水に漬けないと駄目なんです。少しでも時間が経つと水で受け止めても爆発しますから。』


 その後もナビィから話を聞くとボムコッコとは違う魔力で生成された魔力の水で無いと卵は爆発するようだ。


 それからの探索ではナビィのサポートを受けた隠蔽により、二十一階層で現れるモンスターであるダガーアントやボムコッコに気付かれずに奇襲で戦闘を始められるようになった。


 そして今、ハルトたちは六匹のボムコッコを魔法により拘束するのに成功した。


 『もうそろそろ卵を産みますよ。水魔法で受け止める準備をしてください。』


 「こんな感じで大丈夫か?」


 『はい。大丈夫です。』


 拘束しているボムコッコの下半身を水の塊で覆うようにしていると、ボムコッコたちから魔力を高めるのを感じた。


 すると、ボムコッコたちは一斉に爆発を起こす卵を次々に産み落としていく。


 水の中には一匹につき二十個の卵を産むと、ボムコッコは身体が痩せて行き、力が抜けてぐったりすると、動かなくなり力尽きる。


 「死んだのか?」


 『卵を産み、体力や魔力を使い果たして敵対相手を自爆で道連れにするのがボムコッコですからね。』


 自身が力尽きても相手を道連れにするなんて、ボムコッコはとんでもないモンスターだ。


 『ボムコッコと卵をアイテムボックスに収納しちゃってください。』


 「分かった。ヒスイ、プルン。拘束を解いて良いぞ。」


 ボムコッコの拘束を解いてボムコッコとボムコッコの卵をアイテムボックスに収納していった。

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