第242話

 ジョブ部屋にあるジョブを取得することが出来る水晶にコッコロが触れられるように結界で足場を作り出す。


 「コッコッコッ。」


 コッコロが結界の階段を登り、ジョブ取得の丸い水晶に翼で触れる。


 「コッコッコッ。」


 それからしばらくしてジョブを選び終わったのか、コッコロは水晶から触れていた翼を離して結界を鳴きながら降りて来た。


 「ナビィ、コッコロはどんなジョブを取得したんだ?」


 『ボマーというジョブに就いてますね。』


 爆弾に関係がありそうなジョブだけど一体どんなジョブなのか気になってナビィに聞く。


 「それってどんなジョブなんだ?」


 『爆発物の威力や爆発系スキルの効果が増えるスキルや自身の爆発で受けるダメージを減らすスキルなどのジョブスキルがあるジョブですね。コッコロの卵による投擲の威力が上がりますから、なかなか良いジョブですよ。』


 「それならボムコッコのコッコロには良さそうなジョブだな。次はヒスイがジョブを確認するといいぞ。」


 『ハルト、そうするね!』


 今度はヒスイが結界の階段を登って水晶玉に触れる。


 水晶玉に触れて少しすると、しょんぼりした雰囲気をヒスイは出していた。


 「どうした?」


 『まえとおなじのしかなったよ。』


 どうかしたのかを聞くと前に水晶玉に触れた時に現れていたジョブしかなかったのだろう。


 「そうか。なら、ヒスイの今のジョブは前と同じで魔法使いなんだな。」


 『うん。そうだよ。かえなかったから。』


 しょんぼりしているヒスイを撫でて慰める。


 「次はプルンがジョブを選ぶといいぞ。」


 『そうするねー!』


 ピョンッピョンッとジャンプしながら結界の階段をプルンは登っていき、水晶玉に触れる。


 『あっ!あったよー!これでぼくはけんしになったー!』


 プルンの就いていたジョブは今まで見習い剣士だった。だが、見習い剣士よりも上位のジョブである剣士のジョブがあったのだろう。


 「プルンは剣士のジョブにしたのか?」


 『うん!そうだよー!』


 嬉しそうに結界の階段をプルンは降りる。


 「じゃあ次は俺だな。」


 結界の階段を解いて無くすと、ハルトは水晶玉の前まで移動して水晶玉に触れる。


 そうすると様々なジョブが選べる状態になる。この中からナビィと相談しながら何のジョブに就くのかを決めていく。


 「ナビィ、上級ダンジョン攻略をするにはどのジョブが良いと思う?」


 『私のオススメは錬金術士がいいと思いますよ。』


 戦闘に関係ないジョブを選んだナビィに不思議に思い、なぜ錬金術士のジョブなのだと聞く。


 すると、ナビィはこれからのダンジョン探索では手が足りなくなることを危惧していたようだ。


 それを契約で新しくモンスターを従魔にするよりもゴーレムを作り出して簡易的な味方を増やす方が良いとナビィは言う。


 その為にも人造ゴーレムの心臓部であるゴーレムコアを作れる錬金術スキルを育てる効果のスキルや錬金術の効果と製作確率の上昇できるスキル、錬金術で製作したアイテムのランクが上がりやすくなるスキルなどがある錬金術士のジョブが言いそうだ。


 それらを聞いてハルトはナビィのオススメする錬金術士のジョブに就くことにした。


 それぞれがジョブ部屋でやるべきことを終わらせると、ヒスイと従魔登録とジョブの取得が終わったコッコロを送還する。


 ジョブ部屋を出て受け付けで受付嬢に使い終わったことを伝えるとハルトたちは冒険者ギルドを後にする。


 小さく無害そうなスライムであるプルンを肩に乗せたハルトは、次に従魔も泊まれる初日に泊まった宿屋で一日分の部屋を取ると、商業ギルドに向かった。


 商業ギルドではダンジョンの中で過ごした時に製作した武器や防具などの売却をする。


 今回のダンジョン探索ではかなりの毛皮が手に入り、様々な防具や防寒具なども作れたからか、売却金は金貨数枚ほどだった。

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