第49話

 手入れを終えた防具をアイテムボックスに仕舞っていると窓の外から鐘の音が聞こえてきた。ヒスイを抱き上げ夕食を食べに一階の食堂に向かう


 「あっ!ハルトお兄ちゃんこっちこっち!」


 食堂に先にいたサーヤが俺の事を呼んでいる。サーヤが座っている椅子のあるテーブルに向かう


 「どうしたんだ?サーヤちゃん」


 「一緒にごはん食べよ!ハルトお兄ちゃんが来ると思ったからお母さんに夕ごはんを持ってきて貰っているから」


 「そうなんだ、ありがとう」


 「ほら!飲み物はわたしが持って来たんだ!」


 サーヤの正面の席に座りサーヤから渡された麦茶が入っているコップを渡された。サーヤと今日あった事を話したりしながら夕食が来るのを待っているとサーヤの母親のサーシャがお盆を持ってこちらに来た


 「お待たせしました。今日の夕食よ」


 「ありがとう!お母さん!」


 サーシャはお盆からサラダとスープ、焼いた肉の乗っている皿を俺とサーヤのテーブルに置いていく


 「冷めない内に食べてくださいね」


 「うん!」


 「はい」


 『「「いただきます」」』


 ウサギの肉をソースを付けて食べたりみずみずしい野菜のサラダを食べるとナビィの食レポが始まりそれを聞きながらヒスイにも夕食を分けたり収納から出した薬草の茎をあげたりしながら夕食を食べ進んでいく


 サーヤと夕食が来る前にしていた話の続きをしながら夕食を食べ終わる頃には夕食を食べに来たお客さんが増えてきた

 

 最後に麦茶を飲み終わり夕食を食べ終わるとサーヤはお手伝いをする様だ


 「お手伝い頑張ってね」


 「うん!じゃあね、ハルトお兄ちゃん!」


 二階にある部屋に戻るとヒスイをテーブルに下ろしてテーブルにヒスイが魔法の練習が出来る様に桶を置いて椅子に座り一息つく


 桶の中に入り魔法の練習をしているヒスイを見ながらゆっくりと腹休めをしていたのを終えて俺もスキルのレベル上げをし始める


 明かりのついていないこの部屋で夜目で視認して魔力感知、気配感知を同時に使い魔法の練習をしているヒスイを観察する


 ヒスイが使う魔力の流れを感知しながら最初は本当に近くにいないと感じられなかった気配感知も少し離れている場所にいるヒスイを今は感知出来る様になった


 ヒスイも魔力がなくなってきたからか身体の粘体の形をうねうねと変えたり伸ばしたりしながら桶に出した水を吸収していく


 そんな様子を見ながらスキルを鍛えていると俺の魔力もだいぶ回復してきた。聖魔法の取得をするか今ある魔法の練習をするのか悩んでいるとナビィが念話をしてきた


 『明日も訓練所を使うのでしたら聖魔法の取得の練習は朝やって今は所持している魔法スキルのレベル上げをしたらいいと思いますよ』


 「そうか?……まぁ、悩んでいたしそうするか。どの魔法がいいとかナビィにおすすめはある?」


 『ありますよ。まず一つ目は拾って貰った折れた治癒の枝を使っての魔法の練習です。この練習では土属性魔力、水属性魔力、木属性魔力、生命属性魔力を使うのでこの四つの魔法の練習が出来ます。二つ目は前に買った野菜や果物を使ってする魔法の練習です。こっちは木属性魔力、生命属性魔力、死属性魔力、聖属性魔力を使いますのでこの三つの魔法の練習になります』


 「どっちの方をやるのがいいんだ?」


 『私としては一つ目ですね。死魔法は余り使わないと思いますから』


 「なら一つ目をするか。どうすればいいんだ?」


 『まずは収納から治癒の枝を出してください。出した治癒の枝に向かい木属性四、生命属性三、土属性二、水属性一の割合で枝から成長するイメージをした魔力を流し込んでください。魔法が成功すれば治癒の枝が成長して葉っぱが生えたり折れた場所から根っこが生えたりしますよ』


 ナビィのやり方の説明を聞きながら魔法でそんな事も出来るのか凄いなと思いながらさっそくやってみる


 アイテムボックスから出した治癒の枝に向かい世界樹の棒を向けてナビィがさっき説明したイメージをしてから放出する魔力を時間が掛かりながらもちゃんとした割合でそれぞれの属性魔力に変換して治癒の枝に流し込んでいく


 少しずつ流していく魔力を多くしながら魔力を流していくと折れた部分から細い根っこが数本生えてきたのが見えた


 「おっ!根っこが生えてきたぞ」


 『ハルト、成功しましたね』


 「あぁ、このまま続けるぞ」


 魔力がなくなってくるまで続けていくと生えた根っこは最初より少し太くなり若葉が数枚生えてきた


 「ふぅ……ナビィ、この治癒の葉っぱは調合に使えるのか?」


 『使えますよ。これはGランクですが魔法スキルや流した魔力量でランクが変わりますからね。でもやっぱり魔境の魔力を使って育つ物よりはランクが低い傾向ですからやっぱり魔法の練習くらいですね』


 「そっかならこの若葉はヒスイにあげるかな」


 『ハルト、今度は枝先に多く魔力を流れる様に操作すると葉っぱがより多く生えてくる様になりますよ』


 「次そうしてみるよ」


 治癒の枝に付いている若葉を取って桶の中に居るヒスイにあげると体内に取り込み吸収しているのが見てわかる


 そんな様子を見ながら瞑想を使用して魔力を完全に回復するまで行いナビィのアドバイスのとおりに治癒の枝に魔力を流して流した魔力を根っこが生えている方ではなく枝先に多く魔力を操作して流していく


 魔力がなくなってくる頃には枝には先ほどよりも多く葉っぱが生えて若葉も成長した物が何枚かあった


 繰り返し行っていくと外から鐘の音が鳴っている事に気づいた。小さな桶をアイテムボックスから出してその中に火魔法の取得により火属性魔力を使える様になり簡単にお湯にする事が出来る様になったからお湯を桶に入れていく


 湯気がたっている桶の中に布を入れて服を脱いで身体を拭いて綺麗にしていく。そんな俺の方を桶から半分身体を乗り出してヒスイが見ていた


 「どうしたんだ?……ナビィ、教えてくれるか」


 『……ヒスイもお湯が使いたいそうですよ』


 「そうか」


 桶を中サイズの桶に近づけて俺は拭き終わったので服を着て浄化魔法を二つの桶、ヒスイ、俺に掛けて健康魔法をヒスイと俺に掛けて寝るためにベットに入る


 「ヒスイ、もう寝るから後片付けお願いね」


 ステータスと念じてステータスボードを確認する



ステータス

名前 ハルト

年齢 15

レベル 10

ジョブ 【棒術士】【見習い魔法使い】

才能

体力 A

魔力量 A

力 A

耐久 A

器用 A

敏捷 A

魔力 A

精神 A

恩恵スキル

【ナビゲーション】【健康魔法レベル3】【ジョブ増加レベル10】

ジョブスキル

棒術士【棒装備時攻撃力小上昇】【棒術スキル経験値小上昇】【能力値力小上昇】【能力値器用小上昇】見習い魔法使い【魔力消費微軽減】【魔力系スキル経験値微上昇】【能力値魔力量微上昇】【能力値魔力微上昇】

変化スキル

【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】

ノーマルスキル

【棒術レベル13】【投擲レベル5】【火魔法レベル 1】【土魔法レベル4】【水魔法レベル4】【木魔法レベル5】【生命魔法レベル4】【死魔法レベル 1】【浄化魔法レベル5】【契約レベル5】【魔力感知レベル12】【魔力操作レベル12】【魔力身体活性レベル4】【アイテムボックスレベル5】【気配感知レベル4】【呼吸レベル9】【歩行レベル8】【回避レベル2】【夜目レベル2】【瞑想レベル7】【集中レベル8】【解体レベル6】【採取レベル6】【調合レベル2】【素材加工レベル6】【魔力回復量増加レベル9】【精神耐性レベル7】


ノーマルスキル【火魔法】

 効果

・スキルレベル相当の火属性の魔力を使う事が出来る


名前 ヒスイ

年齢 2

レベル 10

ジョブ 【見習い粘体士】

才能

体力 B

魔力量 C

力 E

耐久 A

器用 C

敏捷 F

魔力 B

精神 D

恩恵スキル

ジョブスキル

【粘体攻撃時攻撃力微上昇】【粘体術スキル経験値微上昇】【能力値耐久微上昇】【能力値器用微上昇】

変化スキル

ノーマルスキル

【粘体術レベル8】【水魔法レベル6】【生命魔法レベル4】【魔力感知レベル6】【魔力操作レベル6】【吸収レベル7】【酸生成レベル7】【細胞生成レベル7】【魔力回復量増加レベル 1】【打撃耐性レベル3】



 ステータスを確認するとスキルレベルがちゃんと上がっておりヒスイも魔力回復量増加スキルを取得できていた


 「これでヒスイも魔法が多く使える様になったみたいだな」


 『そうですね。ヒスイにもこれでハルトと同じ様に常時魔力を使って鍛えられる様になりましたね』


 「それヒスイにもやって貰うのか……ほどほどにな、ナビィ。……じゃあおやすみ」


 『はい、おやすみなさい』

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