第47話
「ナビィ、それで治癒の葉っぱや花はどうすればいいんだ?」
今日、採取した治癒の木に生えた葉っぱや花についてナビィにポーション作りの下処理をどうするのかを聞く
『そうですね。葉っぱは葉脈を取り除いてペーストにしてください。花は萼を取り除いた十個の花をスライムウォーターに漬け込んでください』
「わかった。じゃあヒスイ、このポーション瓶にスライムウォーターを出してくれないか、お願いするよ」
ヒスイにアイテムボックスから出したポーション瓶一六本をテーブルに置いておくとプルプルと身体を震わせながらヒスイはその内の一本を伸ばした粘体の身体で持ち上げて身体の中に取り込んだ
ヒスイは取り込んだポーション瓶の中に新しく水分を多く含んだ細胞を生成した。その瓶を身体から取り出してまた新しいポーション瓶を取り込んだ
「ありがとう、ヒスイ。これに花を入れればいいのか」
ランクが高い回復草を葉っぱ付きでヒスイの近くにたくさん置いてヒスイが作ってくれたヒールスライムのスライムウォーターが入った瓶に萼を取り除いき加工した治癒の花を十個分入れて蓋をする
ヒスイはどんどん空いているポーション瓶にスライムウォーターを生成して入れるのでそのスピードと同じくらいテキパキと萼を取り除いて花を入れる作業を繰り返していく
「これで花は終わったな。次は葉っぱを擦る作業だな」
ペーストに治癒の葉を加工しているとヒスイもポーション瓶にスライムウォーターを生成して入れる作業が終わり出して置いた今持っている中でランクが高かった回復草の束をごっそりと伸ばした触手で回収して身体に取り込んでいく
「お疲れさま、ヒスイ」
ヒスイは触手を振ってまた桶の中で水を出して魔法の練習を再開し始めた。俺も残りの治癒の葉っぱを擦りおろしてペースト作りを進めていく
それから一時間くらい経つ頃にペースト作りを終えることができた
「ふぅ……やっと終わったー」
『ハルト、お疲れさまです』
座った椅子の背もたれに寄りかかりながら脱力する。そうして休憩をして休み終えると作業をしていた調合器具やテーブル、汚れた手に浄化魔法を使い綺麗にする
「あぁーお腹空いたー」
綺麗にしたテーブルに身体を倒して目を閉じてまた休み始めているとヒスイが桶から出てきてその冷んやりとしたプルプルボディをイタズラのつもりかうつ伏せにした頭の上に乗っかってくる
「うっ……重い」
首にヒスイの体重が掛かりそう言うとヒスイは頭の上でプルルンと震え身体から伸ばした触手で背中をペチンペチンと叩いてきた
「いっ、痛ってー」
『これはハルトの自業自得ですね。ヒスイだって女の子なんですよ。そんな事を言ってはダメですよ!』
「えっ!ヒスイって性別あったの!」
そんな事を言うとその発言にも怒ったヒスイは更に触手をしならせて叩いてきた。先ほどよりも痛いそれを受けながらヒスイを頭から降ろそうとするとそれをナビィに身体を止められそのままヒスイが気が済むまで叩かれるのだった
「あうー、背中……痛い」
『まったく今度からそんな事を言ってはダメですからね、ハルト』
「流石に言わないよ……それでナビィはなんで止めたんだよ」
『ヒスイが怒っていたのもありますけどレベルも上がった事ですし今日からハルトに耐性系のスキルを取得してもらう良い機会かと思いましたから』
「それで止めたのか」
『はい』
ナビィから理由は聞いたがこれから痛い思いをする事になるのかと思うと憂鬱な気持ちになる
『ハルト、耐性系のスキルの取得は生存に絶対に必要ですから嫌でもやらないとダメですよ』
「わかっているよ」
ため息を吐きながら怒っていたヒスイに残っている治癒の葉っぱを上げてご機嫌取りをしていると鐘の音がしてきた
「もう、夕食か……ヒスイも食べに行こうか」
まだ怒っているのかヒスイは反応する事なく桶の中で水を出している
『ハルト、ヒスイを連れて夕食に行きますよ。ヒスイももう怒ってはいないですから』
「でも反応しないぞ」
『ヒスイはかまって欲しいだけですから』
桶にいるヒスイを見るとビクッとしてからプルプル震えて俺の膝の上に乗っかってきた
「怒ってないのか?」
ヒスイに聞くと身体を俺に絡ませてくる
『ほら、怒ってないでしょう。夕食が楽しみですから行きますよ』
腰に絡まるヒスイを落とさない様にしながら立ち上がるとヒスイは元の姿に戻る。ヒスイを抱きかかえながら食堂に向かうと夕食を二つテーブルに乗せて待っているサーヤがいた
「ハルトお兄ちゃん、遅いよー!」
「待っていたんだね、サーヤちゃん」
「いつもこの時間に食べていたから待っていたんだよ!飲み物も用意したから早く食べようよ!」
「そっか、ありがとう。じゃあ食べようか」
サーヤの前の椅子に座り膝にヒスイを乗せる
『「「いただきます」」』
夕食のクリームグラタンをヒスイに上げたりナビィの食レポを聞きながらサーヤと今日あった事など話をしながら夕食を食べていく
夕食を食べ終わると夕食を食べにきたお客さんで賑わう食堂を出て自分の部屋に戻り椅子に座る
「今日も結構食ったなー……それでいつ耐性スキルの取得をするんだ、ナビィ」
『もう少し食休みをしてからで良いですよ、時間がきたら教えますから』
「そう、わかったよ」
目を閉じてテーブルの桶に入ったヒスイの気配を気配感知で感じながらゆっくりとナビィが念話をするまでの間休む。ナビィの念話が聴こえて練習を始める
『ハルト、始めますよ』
「わかった。それで何をするんだ」
『毒耐性からにします。毒薬を出してください』
アイテムボックスから毒薬を取り出してテーブルに置く
『その毒薬は刃物や鋭い武器に付けるか食べさせるなどして毒状態にする事ができますから指先で触れて舐めてみてください。それくらいなら死ぬことはないでしょう』
毒薬の蓋を開けて粘度がある紫の液体に指を触れて蓋をしてから舐める。苦いと感じてからすぐに身体が熱くなっていき苦しくなる。吐き気や頭痛がしてきて唸りながら椅子に寄りかかる
「ナビィ……これは大丈夫な、の……
か……」
『苦しいでしょうが大丈夫ですよ。耐えてください、ハルト』
苦しんでいる俺を心配して桶からヒスイが俺に寄り添ってくる。その冷んやりした身体が気持ちがよく感じる
それから十分くらいすると毒が抜けたのか苦しくなくなった
「はぁー……あれが毒なのか……」
『あれを毎日一回やりますよ、頑張りましょうね』
「ああ、頑張るよ」
身体に健康魔法を使い完全に毒が抜けると汗で汚れた服と身体を浄化魔法を使って綺麗にしてから今あるスキルの練習をする
鐘が鳴るまで練習をすると最後に桶にお湯になる様に水を溜めて身体を拭きなる用意をする
「ステータスを確認したら寝るぞ、ヒスイ」
まだ桶の中にいるヒスイに声を掛けてステータスボードを開いてステータスを確認する
ステータス
名前 ハルト
年齢 15
レベル 10
ジョブ 【棒術士】【見習い魔法使い】
才能
体力 A
魔力量 A
力 A
耐久 A
器用 A
敏捷 A
魔力 A
精神 A
恩恵スキル
【ナビゲーション】【健康魔法レベル3】【ジョブ増加レベル10】
ジョブスキル
棒術士【棒装備時攻撃力小上昇】【棒術スキル経験値小上昇】【能力値力小上昇】【能力値器用小上昇】見習い魔法使い【魔力消費微軽減】【魔力系スキル経験値微上昇】【能力値魔力量微上昇】【能力値魔力微上昇】
変化スキル
【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】
ノーマルスキル
【棒術レベル12】【投擲レベル5】【土魔法レベル3】【水魔法レベル4】【木魔法レベル4】【生命魔法レベル3】【死魔法レベル 1】【浄化魔法レベル5】【契約レベル4】【魔力感知レベル12】【魔力操作レベル12】【魔力身体活性レベル3】【アイテムボックスレベル4】【気配感知レベル3】【呼吸レベル8】【歩行レベル7】【回避レベル2】【夜目レベル1】【瞑想レベル6】【集中レベル8】【解体レベル6】【採取レベル6】【調合レベル2】【素材加工レベル6】【魔力回復量増加レベル8】【精神耐性レベル7】
【夜目】
効果
・暗い場所でもスキルレベルに応じて見える様になる
名前 ヒスイ
年齢 2
レベル 10
ジョブ 【見習い粘体士】
才能
体力 B
魔力量 C
力 E
耐久 A
器用 C
敏捷 F
魔力 B
精神 D
恩恵スキル
ジョブスキル
【粘体攻撃時攻撃力微上昇】【粘体術スキル経験値微上昇】【能力値耐久微上昇】【能力値器用微上昇】
変化スキル
ノーマルスキル
【粘体術レベル7】【水魔法レベル5】【生命魔法レベル3】【魔力感知レベル5】【魔力操作レベル5】【吸収レベル7】【酸生成レベル7】【細胞生成レベル7】【打撃耐性レベル3】
俺は夜目のスキルが新しく増えてスキルレベルが上がったな。ヒスイもレベルやスキルレベルが上がっている様だ
「確認も終わったし寝るか……おやすみナビィ、ヒスイ」
『おやすみなさい』
ベットに横になり目を閉じると毒の苦しみや疲れがまだあるのかすぐに寝ることができた
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