第45話
異世界生活八日目 四月二十日第四火の日
「んー……はぁ」
目が覚めると身体を起こして伸びをして起きる
「ナビィ、ヒスイおはよう」
『おはようございます、ハルト』
毛布の中に入り込んで隣りにいたヒスイを撫でながら朝の挨拶をする。窓から見える外は薄暗く一の鐘が鳴る時間の前だろうが一応ナビィに確認する
「ナビィ、今って何時なんだ」
『五時ちょっと過ぎですよ』
「朝食までどうするかな」
『なら聖魔法の取得はどうですか。死魔法の時と同じで早く取得できる可能性がありますよ』
「でも魔境に行くから魔力をあまり使わない方がいいんじゃないか。魔法の取得する時は結構な魔力を毎回使うし」
『そうですね。では外に出るのはどうですか。朝のこの時間に出歩く事なんてないでしょうから』
確かにこの時間に外に出るのは初めてかなこっちの世界でもあっちの世界でも第一ラフルトに来てから早寝早起きをしているしな
「じゃあ散歩にでも行くか、ヒスイはどうする?」
隣にいるヒスイに目を向けるとヒスイはピョンとベットから降りて俺の事を見てくる様に見上げている
『一緒に行くそうです』
「そうか一緒に行くか」
ベットから降りて浄化魔法と健康魔法を身体に使い身体をスッキリさせて体調を整える。部屋の鍵を閉めて一階に降りるとトーヤが食堂に向かっている所で出くわした
「おはようございます」
「おはよう、ハルト君」
「少し散歩に行くので鍵を預かって貰っていいですか?」
「これから朝食の用意をするからな。そのまま鍵は持っていていいぞ」
「いいんですか?」
「ああ、でも今日だけだぞ」
「わかりました、ありがとうございます」
トーヤは厨房に向かっていったのを見送り俺は大熊亭を出た。大熊亭を出ると外は薄暗く空気が冷んやりしている。人の気配が少ないがもう出歩いている人はいる様だ
「広場でも行ってみるか」
広場に向かいながら隣をヒスイが飛び跳ねながら移動している。出歩く人が少ないからヒスイを抱えて歩く必要がないなと思いながら広場に着くと屋台などの用意をしている人がそれなりの数いる様だ
「まだ流石に買い物は出来そうにないな」
広場を見回りながら歩いていくが特に何もなく広場を一周して何もなかったなぁと思いながら大熊亭に戻り始める
「もう戻るか。ヒスイ、まだもう少し散歩するか?」
立ち止まりヒスイの方を見るとプルプルと震えている
『ヒスイももういいそうですよ。ハルト、それでもう大熊亭に戻るのなら冒険者ギルドに行って依頼を受けに行くのはどうですか?』
「冒険者ギルドは開いているのか?」
『大抵のギルドは二十四時間いつでも開いていますよ』
「そうなんだな、知らなかった」
大熊亭に戻る前に冒険者ギルドに行くと中は明かりが付いていた。冒険者ギルドの中に入ると受け付けには二人しか居らず依頼ボードの前には人がいない
依頼ボードの前に行き依頼を確認していく。報酬がいい依頼書を取りそれを持って受け付けにいく
「おはようございます、本日はどの様なご用件でしょうか」
「おはようございます、この依頼をお願いします」
受付嬢に依頼書を渡して依頼を受理して貰う。依頼の受理が終わり依頼書を受け取ると冒険者ギルドを出て大熊亭に戻る。大熊亭に入り部屋に戻ると窓から見える外は朝日が空を照らして部屋が少し明るくなっている
「もう依頼を受けたから朝食を食べたらそのまま魔境まで行けるな」
『そうですね。昼食は買ってくださいね』
「必要か?昨日、買った物でいいと思うんだけど」
『買いだめしておいた方がいいと思うんですけどね。まあ、急ぐ必要はないですけど』
「この町を出るのは一年後だしまだいいと思うぞ」
そうやって念話でナビィと会話したりヒスイを撫でたりプニプニと突っついたり薬草の茎をあげたりしていると外から鐘の音が聞こえてきた
「よし、朝食の時間だな。腹も減ったしさっそく行くか」
『はい、そうですね』
部屋の鍵をかけて一階の食堂に行くとサーシャがテーブルを拭いている所だった
「おはようございます」
「おはようございます、ハルト君。朝食?」
「そうです。頼んで大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。少し待っていてくださいね」
サーシャが厨房に行っている間に飲み物の麦茶をコップに入れて席に座りヒスイを膝の上に乗せて朝食を待っているとサーシャが戻ってきた
「今から作るから待っていてね」
「はい、わかりました」
サーシャそう言うと残りのテーブルを拭いていたりしていると厨房からトーヤの声が聞こえてサーシャが厨房に向かった。その後すぐにお盆に朝食の皿を乗せて戻ってきた
「お待たせ、朝食よ」
「ありがとうございます」
今日の朝食はパンにベーコンと目玉焼きが乗せられた料理の様だ
『「いただきます」』
ナイフを使い六等分に分けるとフォークで黄身を絡ませて食べる。目玉焼きとベーコンがパンに合い良く噛んで食べていく。ナビィの食レポを聞きながらヒスイに一口分けたりして朝食を食べ終わる
『「ごちそうさまでした」』
朝食を食べ終わるとサーシャが食べ終わった皿を下げる。その時に美味しかったですと言って部屋に戻ると防具に着替えてテーブルに置いてある桶を収納して部屋を出る。一階の食堂に向かいサーシャに鍵を預かって貰い大熊亭を出て魔境に向かう
町の門を通る時に門兵に冒険者ギルドカードを見せて通ると魔境に向かい小走りで走って移動していく。魔境に着く頃には身体の疲労が少し出たが健康魔法を使い疲労を取ってからヒスイを召喚して魔境に入る
気配感知をナビィにサポートしてもらいながら魔境の中を探索していくと生き物の気配が感知範囲にするがモンスターではなく小動物の様だ
警戒しながら魔境を進んで行くと離れているが前方をゴブリンが通り過ぎようとしている
見つけたそのゴブリンに向かい収納から出した石を狙いを付けて投げるとゴブリンの肩に当たる。ゴブリンは石に当たった肩を押さえながらこちらに向かい走ってきた
そんなゴブリンに向かいヒスイが酸で作った玉を水魔法を使い水と混ぜながら放つ。水と酸が混ざり大きくなった玉はゴブリンに向かい飛んで行くがゴブリンの手前で弾けてしまう。弾けた酸が混じった水の玉は弾ける事でゴブリンの身体に広範囲でかかり酸の効果は低くなったがそれでもゴブリンの身体を溶かしていく。ゴブリンは叫び声をあげながらその場で身体を丸くして痛みに耐えようとしている
そんなゴブリンに向かい近づき世界樹の棒を使いとどめを刺す。頭に振り下ろして倒したゴブリンの身体の表面がところどころ皮膚が溶けて身体の中が見えている。そんなゴブリンの狩猟証明の部位と魔石を解体して取り収納してその場を離れる
警戒しながら先ほどの戦闘でのヒスイの行動を褒める
「それにしてもさっきの戦闘でのヒスイのあの攻撃はすごいな。ナビィがヒスイに教えたのか?」
『そうですよ。ゴブリンは解体での損傷は気にしなくていいモンスターですからね。ああいった攻撃ができますから』
「毛皮が使えるモンスターだと売れなくなるもんな」
『はい、危なくならない限りヒスイにもそんな指示は出しませんよ』
「そうかなら安心だな」
昼食までの間に魔境ゴブリン森林を探索し続けて採取や狩猟をしながら過ごしていくとナビィが一本の小さな木の前で念話をして止めてきた
「どうしたんだ?」
『この小木は治癒の木なんですよ。葉っぱや木の実がポーションの材料になりますから採取しておきましょう』
「これもポーションの材料なのか」
ブルーベリーの木の様な見た目の木を見ながら葉っぱを採取していく
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