第38話

 異世界生活六日目 四月十八日第三闇の日


 「んーーはぁ」


 目が覚めて身体を起こして伸びをして起きる


 『おはようございます、ハルト』


 「ん、おはようナビィ」


 ナビィに挨拶をしていると目の前でヒスイがピョンと跳ねて震えていた


 「ヒスイもおはよう」


 ヒスイを撫でながら挨拶してナビィに今は何時なのか聞くとあと少しで鐘が鳴るらしいので身支度をして健康魔法や浄化魔法をヒスイや自分自身に使いテーブルにある物を収納していきコップに水を魔法を使い入れて飲んでいるとゴーンと外から鐘の音が鳴った音がした


 「じゃあ朝食を食べにいくか。ヒスイはどうする一緒にくるか」


 『ヒスイも一緒に行くみたいですよ』


 ナビィからそう聞きヒスイを抱えて一階の食堂に向かうとサーシャが居りサーシャに挨拶してから朝食を頼んで飲み物を自分でコップに入れにいく。コップに麦茶を入れて椅子に座り膝の上にヒスイを置いて麦茶を一口飲んでから収納している生命草の茎をヒスイに上げているとサーシャが朝食を持ってきた


 「今日の朝食はサンドイッチですよ」


 「ありがとうございます」


 サーシャはテーブルを拭いたりなどの給仕をし始めた


 『「いただきます」』


 サンドイッチを一口食べると燻製されたウサギ肉とレタスをパンに挟まれておりなかなか美味しい


 「今日も美味しいな」

 

 『この燻製の肉も香りが口の中に食べる毎にしてなかなか美味しいですね』


 サンドイッチを食べながらヒスイに生命草の茎や千切ったサンドイッチを上げながら朝食を食べ終わった


 『「ごちそうさまでした」』


 朝食を食べ終わって部屋に戻り外に出る為に防具を着けていき世界樹の棒を持って部屋を出て鍵を閉める。下に降りてサーシャに鍵を預けると大熊亭を出て冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドの中はまだ朝が早いからか依頼ボードの前には人は少なく今日は魔境に初めて行くから依頼を良く見ながら受ける依頼を考えて決め依頼ボードから取った依頼書を受け付けにいるセシリアの所に向かう


 「おはようございます、セシリアさん。この依頼をお願いします」


 「おはようございます。この依頼ですね。少々お待ちください」


 セシリアに依頼書を渡して少し待っていると受注が終わったのかセシリアから依頼書を受け取った


 「魔境は危険が多いですから気をつけてくださいね」


 「はい、わかりました。じゃあ行ってきます」


 「いってらっしゃいませ依頼頑張ってくださいね」


 冒険者ギルドを出て広場に行き屋台から昼食用の食べ物を購入してから魔境に向かう為門に向かう。門兵にギルドカードを見せて魔境までの道を小走りで移動していく。小走りで移動しているからかモンスターには襲われずに魔境のゴブリン森林の入り口に着いた


 「魔境に着いたな。ヒスイを出すか」


 朝食から送還で返したヒスイを召喚で出して辺りを警戒しながら魔境に入る用意をする


 「一応ナビィも警戒お願いしていいか」


 『構いませんよ、ハルト』


 「ヒスイも頼むぞ」


 ピョンピョンと跳ねて返事をしている様だ。魔境に入ると魔力感知で辺りの魔力が増えた様に感じた。警戒しながら進んでいくと前方に後ろを向いているゴブリンが一匹いた


 (ナビィ、俺は石を投げるからヒスイにゴブリンに向かって酸を飛ばすように念話で言ってくれ)


 『わかりました。ヒスイ、ハルトが石を投げた後にゴブリンに向かい酸を飛ばしてください』


 石を収納から出してゴブリン目掛けて石を思いっきり投げる。その後にヒスイが酸を球状にした酸を放つ。石はゴブリンの後頭部に直撃してゴブリンは前にヨタヨタと数歩進むとその背中に酸が当たった。ゴブリンは石が直撃しクラクラしている所に酸が当たり痛かったのかその場で叫びながらゴロゴロと転がった


 「いくぞ!ヒスイ!」


 世界樹の棒を持ち転がっているゴブリン向かって走りゴブリンに向かって棒を振り下ろしているとその間にヒスイも到着して触手をヒスイも振り下ろしてペチペチと攻撃する。ゴブリンは棒が頭に直撃して動きを止めて倒した様だ


 「少し強かったなこのゴブリン」


 『魔境の魔力により強化されていたのですかね』


 ゴブリンを収納して他のモンスターを探しに行く。ときどき動きを止めて薬草を採取したりしているとこちらを向いている一メートル程の身体の大きさのイノシシがいた。イノシシもこちらに気づいているのか突進してきた。毛皮の買い取りが高かったの思い出してヒスイに指示を出す


 「ヒスイ!水魔法で攻撃してくれ!」


 急ぎ収納から石を取り出してイノシシに投げるとイノシシの頭に当たるが怯む事はせずにそのままの勢いで突進してくる。ヒスイも水魔法で水の玉を作りイノシシに当たるがあまりイノシシはダメージを受けている様子が見えない


 「ヒスイ!避けるぞ!」


 突進してきたイノシシをヒスイと左右に避けるとイノシシはそのまま通り過ぎるが勢いを止めてまたこちらに走ってきて突進をする


 『ハルト!土魔法でボアーの進行方向に穴を作ってください!』


 「わかった!」


 イノシシの進行方向に穴を開ける様に世界樹の棒から地面に向かい魔力を放出して地面に穴を少しずつ開けていく。ギリギリまでイノシシを引きつけているとヒスイがイノシシの顔に水を掛ける事で目に水を入れて怯ませる事に成功してスピードが落ちたイノシシを避けるとイノシシはそのまま穴に落ち上半身が穴に落ちた事で顔を穴の地面に打ちつけ身体が上がり背中を穴の淵にぶつけていた。イノシシは身体を痛めた為か動きが鈍っていてイノシシの背中を魔力を多く込めた世界樹の棒で滅多撃ちにしていく。ヒスイも酸は使わずに水魔法を使って固めた水でイノシシを叩いているとイノシシも動きが鈍くなっていきながらとうとう動かなくなった


 「イノシシはヤバいな倒しづらいし」


 『ヒスイが酸を使えばより早く倒せるでしょうが買い取り金額が下がりますからね』


 「そういった事も考えていかないとな」


 イノシシを収納して周りを警戒するがモンスターの姿は見えない。急いでこの場を離れて川が流れている方向に進んでいく。それからゴブリンや緑色をしたウサギ、茶色のネズミを倒しながら進んでいくと川が流れる場所まで着いた。川に着いた時に川の水が流れてくる森の奥を見るとそこにはシカが群れで水を飲んでいた。見つからない様に木の影に隠れるとナビィに念話する


 (ナビィ、あの群れに攻撃して倒せると思うか?)


 『倒せると思いますが危ないですからやめておきましょう』


 (そうだな)


 息を殺して隠れているとシカもこちらを気にしていないのか川から去っていった。それから魔境に入った場所まで戻りまた川に行きを昼食を食べる時間帯まで繰り返し往復しながら今日は魔境に入っての戦闘も結構した。昼食になった事だし川を下って魔境から出る


 「魔境を出るとやっぱり魔力の感じが違うな」


 『魔境は魔力が豊富ですからね』


 「お腹空いたし昼食にしよう」


 魔境から離れた位置に移動して座り昼食に買った串焼きとパンをまな板に出して今日も挟んで食べる。ヒスイには今日採取した生命草と回復草を葉っぱ付きで上げて水筒に水魔法で入れた水を飲んで流れる川の音を聞きながら過ごしていく


 「ふぅー食った食った」


 お腹をポンポンと叩きながら一息いているとヒスイはもう薬草を食べ終わってその辺をウロウロとしている。食事休憩を終えて土魔法を使って穴を掘っているとヒスイが戻ってきた


 「何かあったのか?ヒスイ」


 ヒスイをピョンピョンしたりプルプルしたりしている


 『モンスターが周りにいないか見て回っていたそうですよ』


 「そうか。ヒスイ、今から解体するんだけど内臓とか血とか吸収するか?」


 『イノシシや緑色のウサギや茶色のネズミの内臓や血が欲しいそうですよ』


 「わかった。それを採取に解体するからおいで」


 ヒスイを手招きして呼び解体を始める


 

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