第11話

 持ってきた薬師ギルドカードは名前とランクと納品回数が書かれた白い金属のカードが渡されたそのカードのランクには仮と書かれているのがわかる


 「これが薬師ギルドカードです。今はランクは仮ですがスキル調合を取得でき次第ランクを書き換えます。スキルを取得できたらランクを上げることができます。ランクを上げるにはポーションなどの薬を納品してその回数によりランクが上がります」


 説明聞き頷きながら返事をする


 「わかりました」


 「施設の説明ですね。施設を使用するにはここで許可を取り施設内の鍵と砂時計を渡されます。渡された施設の部屋の中には調合器具がありますのでそれを使い調合を行ってください。渡された砂時計が落ち切ったら部屋から出てください。部屋の調合器具を壊された場合には弁償してもらいます。調合に必要な素材や器具は薬師ギルドで買えますから必要な場合には購入してください。さっそく使いますか?」


 「いえ、今日は使いません。これ書き終わった紙です」


 購入する為の用紙に書き終わった紙を薬師ギルド職員に渡す


 「わかりました。これから持ってきますのでお待ちください」


 渡された紙を読み受け付けの奥にギルド職員の女性が薬品を取りに向かう間金貨をいじりながら待つ。それからしばらくして大きな箱を持ってやってきた。箱をカウンターに置きこちらに箱の中を見せてきた


 「これが注文の薬品です。全部で大銀貨9銀貨7枚です。箱は別料金になりますが必要ですか?」


 「持ち運べるので大丈夫です」


 金貨を支払いおつりの銀貨3枚を渡される。それからすべての薬品を収納袋に入れて薬師ギルドを出る


 (これで買い物は終わったな)


 『そうですね。まだ五の鐘まで時間がありますから広場で露店でも見ますか?それとも宿に戻りこの世界の事や装備スキルや今後の事でも話し合いましょうか?』


 (広場はまた来れるし帰り道に見るくらいにして宿に戻ろう)


 戻る途中の間には野菜や果物、スープやウサギの串焼きの屋台があったりするのを眺めながら宿に戻る


 大熊亭に戻ると受け付けにサーヤが座って店番をしている様だった


 「あっ、ハルトお兄ちゃんおかえりなさい!」


 「ただいま。部屋に戻るから鍵お願い」


 「鍵持ってくるから待っててね!」


 サーヤが鍵を取って戻ってきて鍵を手渡す


 「はい!鍵だよ!ねえねえちゃんと冒険者になれたの!」


 首に掛けている冒険者ギルドカードを見える様に取り出しサーヤに見せる。サーヤはじっと冒険者ギルドカードを見てくる


 「綺麗な色のカードだね」


 「じゃあ部屋戻るよ」


 「えーもっとお話しようよー」


 「まだやる事があるからごめんね」


 えーとむくれるサーヤに謝りながら部屋に行くために2階上がり部屋に戻る。鍵を閉めベットに座る


 (それにしてもサーヤちゃん警戒心がないんじゃないかってくらい距離感が近いよな。なんか理由があるのかな)


 『スキルの効果かもしれませんね』


 (スキルの効果?)


 『はい、スキルで自身に害がある相手かわかったり良い結果をもたらす相手かわかるスキルもありますから』


 (そういったスキルもあるのか。そのスキルあったら便利そうだし俺も覚えられるスキルなのか?)


 『相当難しいですね。意識して手に入れられるスキルではないでしょうからあの子は先天的に生まれ持ったスキルでしょうから』


 たまたま取得できたら運がよかったと思った方がいいスキルってことか


 (さて今後どうしようか)


 『今後とは?』


 (この世界をどう生きようかってこと)


 『生命と死の世界樹の迷宮を攻略して欲しいと女神リフラス様に頼まれたのでは?』


 生命と死の世界樹?世界樹の名称なのか


 (頼まれたけど誰も攻略した事ないんだろ。できるかわからないしできなかった場合を考えるとさ……まあ、今度は長く生きられるように強くはなりたいからレベルを上げる為にモンスターとは戦うけど)


 『ふむ、生命と死の世界樹の迷宮の攻略以外になにか目標が欲しい感じですか?』


 (目標……目標か……うーん、そんな感じかな。今のところ世界樹の迷宮の攻略と強くなる事しかないし)


 『では美味しい物を食べる旅はどうですか?生命と死の世界樹の迷宮に向かうには世界にあるすべての世界樹の迷宮を攻略する必要がありますから』


 (すべての世界樹の迷宮ってどういう事だ?世界樹って一つだけじゃないのか?)


 『この世界には世界樹が7つあります。火の世界樹、土の世界樹、風の世界樹、水の世界樹、光の世界樹、闇の世界樹、生命と死の世界樹があり火と土は人大陸、風と水は人魔大陸、光と闇、生命と死の世界樹は魔大陸にあるのです。そして魔大陸には大陸内のモンスターが他の大陸に行かない様に結界が張られています。その結界を通るには火、土、風、水の世界樹の迷宮を攻略する必要があり結界を通った後も生命と死の世界樹の迷宮に入るには残りの光と闇の世界樹の迷宮を攻略しないと迷宮に入れません』


 あの時リフラス様が可笑しかったのはこれのせいなのか?


 (攻略できていない世界樹の迷宮はどれだけあるんだ)


 『魔大陸の世界樹の迷宮以外は攻略されていますがそれもスタンピードの前ですから随分と昔ですね。それに攻略した者たちも他の世界樹の迷宮は同じ大陸にある迷宮以外に攻略はしていないですね』


 (ここ最近は世界樹の迷宮の攻略はされていないのか?)


 『そうです。スタンピード以降は迷宮内のモンスターのレベルが上がり強くなっているので攻略できなくなった様です』


 (そうなんだ……なんでそもそもスタンピードなんて起きたんだ)


 『それはですね。世界樹の素材目当てに世界樹があった場所を支配していた国が世界樹から無理矢理素材を取り始めたんです。本来は世界樹の迷宮を攻略した者たちが採取をするか自然に世界樹から落ちたりした素材を取る様にしないといけなかったんですけどそうせずに世界樹を傷つけて採取した事で世界樹が危機を感じ迷宮内のモンスターが強くなりますます攻略できなくなりその繰り返しでとうとうスタンピードを起こし世界樹の迷宮から強いモンスターたちが現れました。その国は滅び人魔大陸中に広がりました。そして世界樹同士が繋がりがありすべての世界樹の迷宮が強化されスタンピードを起こした結果攻略できなくなったのです』


 (そもそもなんでその国はそんな事したんだ。神様たちは止められなかったのか)


 『戦争の為ですね。その国は人魔大陸の半分の地域を支配していました。大陸を統一し人大陸をも支配しようとしていました。その結果滅びまでに最終的に大神殿があった国とその国と同盟があった国以外を支配して風の世界樹以外にも水の世界樹からもさらに素材を採取してスタンピードを起こし滅んだんです。神々たちも何度も止める様に大神殿を通して警告をおこないましたが止める事なく結果スタンピードを起こし滅びました』


 (そっか……でも7つもか〜めちゃくちゃ大変じゃない?)


 『そうですね、でも攻略はするのですよね』


 (あー……うん、まあできるとこまで頑張るよ)


 『そうですか、私もできる限りのサポートはしますよ』


 (ありがとう、ナビゲーション)


 ベットに横になりそのままゴロゴロと転がりながらぐでーっと寝っ転がりなにも考えない様に目を瞑り横になる


 (今後は強くなり世界樹の迷宮の攻略を頑張るって事でいいとしてそういえば日付とかってこの世界はどんな感じなんだ)


 『1日は24時間で1週間は6日あり風、火、水、土、光、闇の順番で1ヶ月5週間あります。月は1月〜12月あり1月の最初の日は生命の日で12月の最後の日は死の日の2日を足した362日で一年です』


 


 

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