ツキシルベ

Nakaya

窓の外

一昨日AM0:30


部屋は暗いのに窓の外から溢れる光でその周辺は明るい。その光の正体は月明かりだった。満月には届かない少し欠けた三日月が反射する光。それは今の僕には満月のような明かりに感じられた。いつも見える星も消してしまうほどの光なのか星が見えない。否、そんなことは違うとは知っている。でも、そう見えてしまう。今という時間は急ぎ足だったが月明かりが戻してくれたゆっくりな時間の流れに身を任せてみる。そして、月を背に眠る。




昨日AM0:13


今日の月は昨日より高い。昨日より部屋が暗いと思ったら、月は形を少し変えに高い位置にあった。明るさは同じなはずなのになぜか心に仕舞い切れない想いがある。なんだろうか、この裏切られたような、置いてかれたようなそんな気持ち。なんだか、泣きそうだ。こんな気持ちになるなら無理矢理にでも寝ればよかったな。今日は、よく寝れそうにない。でも、この暗さは僕の心を表しているのか?昨日に感じた気持ちはどこかに消えてしまったようだ。




今日AM0:22


眠れないが無理やり眠るのも惜しい。昨日よりも月は僕を見離している。その理由なんて分かりきっている。日付を超える度に月が道を照らすための明かりを減らしているようだ。それは、きっと悪い意味じゃないと思う。だから、導いてくれた方に暗くても進むしかないと思う。そうすればきっと、輝かしい何か掴めるような気がするから。それは、未来かもしれないし夢かもしれない。それは、光の少ない欠けた不完全な月を待ちながら考えよう。少し、現実から離れてゆっくりと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツキシルベ Nakaya @nakaya_soda1005

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る