気持ち

次の日私 花風唄 は先生に引越しのことを話した。

昼休みには学校全体に知れ渡っていた。


昨日傘を差し出した少女は家まで送って

くれた。

名前は聞けなかったがたぶん同い年か年上だろう。


宮野さんと小柳くんは学校に来ているけど教室には顔を出さない。

私は1人で本を読んで過ごした。


その日の放課後事件が起こった


「ねえ!もうどうするのよ!」

「締め切りもうすぐなのに」


どうやら体育館の装飾が壊されたせいで

終わっていなく揉めているらしい。


「てかさ なんで体育館の装飾

選んだんだよ」


1人の男子が言った。

確かに絶対ひとつの仕事をクラスでやらなければならない。

でも仕事でこれよりももっと簡単な仕事もあっのに。

ただでさえ練習時間が短くうちのクラスは歌が上手くないのに....


「てかピアノの宮野と歌が下手な小柳は

どこいったんだよ」


学級委員が言った。

クラスのみんなもザワつく。

すると


「装飾諦める?」


1人の女子が言った。

その言葉にほとんどのみんなが

「さんせー」と言って各自帰りの支度を

始めてしまった。


私は本当にいいのか と思いながらも音楽祭に出れないのに私には発言する権利はないと思って私も帰ろうとした。

引越しの準備しないとな〜

そんなことを考えながら教室を出ようと

した。


「おい!待てよ!」


突然教室から怒鳴り声が聞こえて慌てて

振り返ると岡崎くんが顔を赤くして

立っていた。


「なんで!諦めるんだ?」


岡崎くんは怒鳴りながらもどこか悲しげな表情で私たちを見た。


「いや....俺らは忙しいし」

「それに歌の練習もしないと」


クラスの人達はそんな岡崎くんとは反対に冷静に言った。


「それにさ体育館の装飾選んだの

岡崎じゃん」


1人のクラスメイトの発言でその場は和んでみんなは 頑張れよ と岡崎くんに言いながら教室を出ていった。

こんな時小柳くんとか宮野さんだったら

どうするのかな と思った。

でも私にはどうすることもできない。

締切は明日

今から1人でやっても間に合わないだろう。

私はどうすればいいか分からず、そのまま

動かない岡崎くんを見つめて黙っていた。


音楽祭まであと7日




俺 小柳響は校舎裏にいた。

校舎裏は日陰で寒気がした。

誰かが忘れていった傘がそこら辺に落ちている。

明るさが校風の学校とは感じられない

空気。

俺は花風に言ってしまった言葉が頭に

流れていた。

どういう顔で会ったらいいか分からず

朝から校舎裏にいた。

今は午後4時くらい。

俺は何をしたらいいか分からず座っているとチリンチリンと自転車のベルがなった。

その自転車には腐れ縁の花札歌が

乗っていた。

こいつとは生まれた病院 誕生日が一緒で

小学校の中学年まで同じだったが歌が小5で引っ越した。

だが俺が引っ越してきたここの中学校に

たまたま歌がいた。

俺的に歌は苦手なタイプで別れたかったがなかなか縁が切れない。

歌は自転車から降りて俺に近付いてきた。


「なんだよ」


俺なふてくされて言った。

歌は少しにやけながら


「別に」


と言って自転車をその場に停めた。










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