ひとりひとり

「唄!今までどこにいたの?

心配したんだから!!」

ごめんなさい ちょっと補習で



私 花風唄は心配症の奏に嘘をついて答えた。

今はちょうど20時を回ったところ。

帰り道遠回りだったから遅くなって

しまった。

父と母は共働きで帰ってくるのは2人とも

だいたい23時頃。

だから家にいるのは奏ひとり。


奏は私の姉ということになっているが私は

奏を姉と思ったことなんて1回もない。

なぜなら彼女は施設から引き取った子

だから。

私には本当の姉がいたらしい。

しかし生まれつき体が弱かった本当の姉は

5歳で亡くなったと聞いた。

その時は私も生まれておらず母父の

2人暮しになってしまった。

寂しかった母父は施設で本当の姉と名前と歳が同じの奏を引き取ったらしい。


だから私は奏を姉と思っていないしクラスの誰にも姉の存在を教えてないし....

でも小柳くんには知られているが.....

ちょっと心が痛い。


「どうしたの?元気ないじゃん」

あるよ

「そっか 夕飯できてるよ」

ありがとう


こんなに私は奏を嫌っているのに奏はうちのことを心配してくれているんだ。

変なの

........っあ

奏と小柳くんって性格似てる。

だからあの時小柳くんに憎悪を

抱いたのか。

だったら謝らなきゃな。

そう思いながら奏の作った夕食を食べた。


23時を回った頃

ガチャ

玄関のドアが開いた。

2人が帰ってきたのか。

私に母と父は無関心。

養子の奏にとても愛着がある。

私は本当の娘なのに。

私は母と父に会わないように2階に

上がった。


しばらく経ったあと下では笑い声が聞こえてきた。

奏が憎い。

なんで私は母の父に愛されないの?

泣きそうになった時、部屋のドアが開いて奏が入ってきた。


「母さんたちが読んでる」


そう言って奏は部屋を出た。

私は涙をふいて部屋から出た。

なんの用だろう。


1階へ降りてリビングに入った。


「ここに座れ」


父が言ったので大人しく椅子に腰を下ろした。


「全員揃ったな」

「「はい」」

はい


私達はいっせいに返事をした。

それが私の家のルール


「全員呼んだのは他でもない

また転勤が決まった」

「父さん今度はどこ?」


奏はワクワクしたように聞いてた。

転勤は奏にはあまり関係ないがないから

だろう。

奏は高校で寮生活。

でも今は秋の短期休暇で家にいる。

奏が家にいない期間は私にとっては地獄。


「NYだ」


父が言った。

ニューヨークか....

じゃあ今の学校の人たちとはもう簡単には会えなくなる。


「単身赴任といきたいところだか社長命令

で家族もNYに行けとのいうことだ」


あっそ っと私は思った。

家族全員で行けなんていつもの事じゃん。


「それと唄」

はい


何よ突然 と思いながらも返事をした。


「お前はNYでこれから婚約者と生活

するんだ。 嬉しいだろ」


はい?どゆこと?

戸惑いながらも私は聞いた。


どういうことですか

「俺はNYの会社で社長となれる

俺がこれから勤めるのは今勤めている

会社の姉妹会社だからだ」


ふーん学校で言う姉妹校みたいなものか


そうですか で婚約者とは

「あ〜それはお前はNYで結婚して

幸せになれるんだ」

ですが私はまだ13歳ですが

「心配ない 結婚できる歳になったら結婚を

する約束だ」

そうですか


意味が分からない


「あっそれとその許嫁音楽嫌いらしいから

間違えても彼の前でピアノを弾くなよ」

でも


どういうこと?

ピアノが弾けないなんて そんな....

そう思った時


「唄 我慢しなさい」


母に怒らて落ち込みながら部屋を出ようとすると父が言った。


「引越しは11月11日だ」


11月11日って音楽祭の日じゃ.....

まぁ音楽祭をやろうっていうクラスの空気じゃないし.....

そう思いながら私は部屋へ戻った。






俺 小柳響は部屋でテレビを見ていた。

いつもは笑うバライティー番組なのに今日は全く面白くない。

すると隣に小さい女の子が座った。

俺の妹の桜だ。


「にーちゃん 今日の番組面白くないの?」

「あぁ」

「チャンネル変える?」

「大丈夫」

「.....にーちゃん元気ないね」

「そんなことねーよ」

「じゃあ どうしたの?」

「.....」

「喧嘩でもした?」

「....」


なんだよ 急に....


「なんか知らないけど謝んなよ」

「あぁ」

「あぁって言ったってことはやっぱり誰かと喧嘩したの?」


しまった

はめられた

だけど花風には謝るべきだよな


「桜」

「なに?」

「ありがとう」

「うっうん」

「じゃあ俺寝る」

「待って」

「なんだ」

「嘘ついちゃダメだよ

自分に正直になってね」

「あっあぁ」


嘘ついちゃダメってどういうことだ?

まあいっか

そういえば花風なにか宮野に話そう

としてたよな。


よしっと気合いを入れ直し自分の部屋に行きスマホを見ると1件のメッセージが入ってた。


『小柳響様

突然のメッセージ失礼します。

少しあなたと連絡先が繋がれている人に

頼みまして今メッセージを送って

おります。

わたくしドレミのリーダー有井菜々子と

申します。

どうかお見知り置きを』


なんだこのメッセージ。

有井菜々子?誰だろ?

イタズラメールか.....?

ドレミってなんかどこかで

聞いたことあるような....

なんかすごい引っかかる。

ちょっと連絡繋がってる人に聞いて

みよう。

花風以外に....



いろいろ聞いていたらいつの間にか23時になっていた。

そろそろ寝なきゃなと思ってベッドに

入った時着信がなった。


『 もしもし 夜遅くにわりーな』

「大丈夫 それより海人どうした?」


電話してきたのは今の学校の唯一の友達 姫崎海人 。


『 お前 ドレミのこと調べてただろ』

「あぁ」

『 ドレミについて分かったぞ』

「すげ〜!教えてくれよ」

『 通称ドレミ

本当の活動名は唄ファンクラブ』

「ん?.....あー!!」

『 どうした?』


思い出した。

今までどうして忘れていたのだろうか。

最近唄と関わりすぎていて忘れていた。

唄にはファンがいたんだ。

そういえば放課後ベンチで会った時

人から逃げてきたって言ってたよな....

でもこの前....宮野と....

もしかしたら人から逃げてきたのは嘘....

俺を最初からはめるために?

いや花風に限ってそんなこと....

もしかしたら自分でドレミに殴り

こもうと?

いやいや花風がそんなこと....

もう俺なんかいらないのかも.....

どこかで俺は花風を守ろうとしてた。

誰かが彼女にまとわりつかないように。

でも違った。俺が邪魔だったんだ。

だって花風ドレミのメンバーとすごい

仲良しだった。

俺が邪魔したんだ。

花風の邪魔を.....


とりあえず明日有井菜々子に会おう。

そしたら何かわかるかも。


「おい!響どうした?」


あっ....考えすぎてて海斗のこと忘れてた。


「なんでもない」

「ならいいが.....」

「なんか海斗のおかげでわかった

気がするよ」

「そうか よかった」

「あっちょっと待て」

「なんだ?」

「有井菜々子には気をつけろ」

「えっ?.....っあうん」

「絶対会うなよ」

「えっ?それってどういう.....」


こと と言う前に電話は切れてしまった。

どういうことどろうか。

不安に思いながら俺は眠りについた。






私 宮野詩希は塾で授業を受けていた。

私は性格は悪いと言われているけど頭は

いいとしか言われたことがない。

それは親にも言われる。


学年順位は常に1位

塾の成績も塾内1位

全国学力検査でも全国1位

たくさんの高校からすでに中1で推薦を

もらっている。

さらに全日本ピアノコンクールで優勝

そして私の所属する合唱部で全国1位に

いかせた。

100年に1人の秀才と言われてきた。


そんな私をドレミのやからはファンクラブに入れた。

私は自分から入ったわけじゃない。

どうせ宣伝かなにかのためだろう。

でも必要なくなったらポイってどういう

神経してんのよ。

有井菜々子は!

誘って来たのはそっちなのに!

明日殴り込みに行くか....

まあ冗談だけど

そんなことして親にチクられたら.....


「おい!宮野くん」

「っはっはい」

「授業中だぞー」

「すっすいません」


っわ私としたことが印象が下がった。

まあいい今度のテストで印象回復するか。


でも今までは考え事してても先生の声は

聞こえていたのに。


家に帰って冷めたご飯を食べた後

私は本を読んでた。

私の家はルールが厳しい。

20時からはテレビを見てはいけない決まりになっている。

だから本を読むしかない。

親たちはほとんど出張だから最近は顔を

会わせていない。

最後に顔合わせたの1年前くらいか?

私は1人っ子だし家には家政婦くらい。

今日は家政婦もお休み。

親たちがいないのにルール守ってるって

私バカみたいだな。

癖なのかもしれないな。


....私花風さんに悪いことしちゃったのかな

でっでも悪いのはあっちだし.....

うーん.....

私はしばらく黙ってしばらく考えた。

私は少し考えたあと思わずテレビをつけて

しまった。

私は初めて見たバライティー番組を

見ながら思った。

『 これでいいんだ』と

















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