第2話
なんでこんな世界に生まれてきたんだろう。
人が感情を一定以上出しすぎた時、身体中の水分が、その人が一番影響を受けているものに形をかえて暴走し、その際水分が大幅に減少する。だから皆水と抑制剤を常に持ち歩いているんだ。
なのに、私は薬が効きにくい。それに加えて、高校生になったのと同時に脳腫瘍が発覚。
まじでなんなん…私の人生。おかしいでしょ。
沸々と怒りと絶望が入り交じって、右腕に繋がった装置から異音が出て、機械が早いリズムで音をだす。すると、ぞろぞろと医者や看護師が慌ただしく入ってきて、私に注射やら麻酔をする。
…これが、憧れてたJK生活か?こんなはずじゃ…なかっ…た…。
ここで私の記憶は途切れ、また朝を迎える。
だが、今日は母親とは違う知らない人がいた。
3、40代の男の人と、私と同じくらいの男の子。
あぁ、この男の子は、充実した生活を送っているのか。羨ましい。なんで私だけ。
そんな事を考えたら、無意識に横にあったペットボトルを投げつけていた。
「あっ…」
頭を擦りながらハテナを浮かべてこちらを見つめてくる。母はなにか怒っているようだけど、無視して布団に潜り込む。
先生が一つ咳払いをし、話し始めた。
「あぁ、えっと…お子さんのカウンセリングを依頼されてるんですよね。」
「あぁ、はい…。他にも色んな方にお願いしたんですけど、あの子、誰にも心を開かなくて。」
「そうですか…。では、うちの助手の彼に仕事を任せたいと思います。」
「え…この子がですか?娘と同じくらいの子ですけど…。」
「えぇ。なので、あえて彼に任せます。このくらいの子は同じ世代の子でないとあまり悩みを打ち明けにくいと思うので。」
「そうですか…。よろしくお願いします。」
頭を下げてもらう程の事は出来ないと思うが…と不安を抱えながら、僕も頭を下げる。
あの子、彩沙さんからの僕の好感度最悪だろうけど。一日目は、日程を決めて一旦終わった。
僕の仕事は週一回、彼女とお話をする事だ。
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