最近の近況

スマホを得てからそろそろ2年が経つ。今は6歳。修行も続けている。

ある程度の武器にも慣れておこうと思い、扱い方の練習をする事にした。

戦闘で劣化すれば、途中で武器を替えて戦う場面はあると思う。剣やナイフ、斧に棍棒と・・・・杖術なんてのもあるから杖も必要かな?とりあえずひと通り把握しておく事にしよう。

日常的に剣や棍棒を振り回しても体力を使い切らないくらいには身体を慣らしたい。片手で使える小型の斧やナイフなんかは投げることも出来る。そういった武器は的を作り、遠くから当てる練習もした。

そんな修行をしつつ、空いた時間でアイリーンの手伝いや町の鍛冶屋でバイトをした。鍛治屋のバイトで要らない武器を貰って練習に使っていた。色々な情報も得る為に町の人間とも交流を続けた。

変わった事と言えば以前話した隠れんぼで、つまらないと言われてから忖度する事にしている。把握はしてるが分からない振りをしてワザと見つかる等、色々と気を使っていた。

隠れんぼの他に鬼ごっこも修行として利用した。言わなくても分かるかもしれないけど、最終的にこの鬼ごっこも忖度で手を抜く事にはなった。

鬼ごっこでは走る事がメインで、持久力を鍛えるにはぴったりだ。俺は呼吸を使い[気]を身体中に流す。

基本的に呼吸は口や鼻から酸素を肺に取り入れ、心臓をポンプに血液を使い身体全体に運ぶ。その要領で心臓の辺りで[気]を練り、酸素と一緒に血管を通して身体全体に持って行く。ただ[気]を練るという行動に関しては、俺自身いつの間にか出来ている状況だからあまり偉そうに説明出来ない。とにかく呼吸しながら意識を集中して[気]を練り、そのまま心臓と肺の機能もサポートして息を切らさずに相手を捕まえる。遊びながらそんな事をしていた。

練った[気]を身体の表面に貼り、外部の情報を触覚で得る。つまり風や空気の振動を感知し、その情報で空間把握をする。そして体内では視覚や嗅覚、聴覚を強化と保護に使う。ここまで来れば恐らく回復には流用出来ると思う。まぁ、多少の不安は残るけど。

残りの懸念材料は攻撃だが、漫画で見た様なエネルギー弾的な物は使えない。

もし使えても撃った瞬間、精神力を使い切ってぶっ倒れると思う。戦闘中に倒れたらその場で終わりだ。やはり攻撃に使うなら身に纏って打撃として放つ。それが現実的だな。流石に子供の遊びで攻撃練習は出来ない。これに関しては1人で練習した。

練習を始めてしばらく経ったある日、足下の石を拾い意識を集中する。[気]を流すイメージを浮かべながら手に持っていた石を強く握る。その一瞬で石は砂になった。


俺「うぉ!」


驚いた!正直きっかけは全く分からないが、俺はこの時から[気]を攻撃に使える様になった。後は実戦練習だ。

この辺りはあまり魔物が出ない地域だ。けどそれでも多少の出没はする。俺としてはラッキーだ。覚えたばかり[気]を使い速やかに片付ける。今の所は、単体の魔物ばかりというのもあり難なく倒せている。

しかし今はまだ子供の身だ。勝手に魔物を始末しているのを知られるのは不味い。そういう意味でも警戒は必要だ。

普段は普通の子供として過ごそうと努力はしているが、何処かで失敗してないかビクビクしている時もある。何とも年相応に生きるというのは難しい。

そんな日々を過ごしていると、ジンがこの先勇者としてやって行けるか少し不安を感じていた。別に何か理由がある訳では無い。

ゲームだとそもそも鍛えていない状態で職業が勝手に聖騎士になり、王都の偉い人が来てアイツを王都にある学園に放り込む。元々英才教育で勉強だの剣術だの習っていた連中と一緒に生活など中々大変だろう。

地球ではユーザーとして眺めていただけだが、今は一応幼馴染で友人だ。気になって仕方がない。思い立ったが吉日という言葉もある。俺は魔法は駄目だが、多少の勉強と我流ではあるけど剣術を仕込む事にした。ある種ただの同情だが将来の為に強くなるのは良い事だと思う。ちょっとシナリオ的にズレるかも知れないけど大丈夫だろう。

俺はそう安易に考えたが、後にこの行動が俺とジンの首を若干絞める羽目になった。別に悪い事はしていないのだが、やはり人生とは思う様にはいかない様だ。


ここで人物の紹介をしておきたい。


同じ家の同居人で育ての親のアイリーン。

彼女は今、医者に近い仕事をしている。病気や怪我の治療、薬草から薬の調合。中々評判は良いみたいだ。

俺と兄妹の様に育てられてる女の子が、後に大魔導師として魔王討伐に関わるエレナだ。彼女は現在同じく6歳だが既に中級の魔法を扱え、薬学も習っている。これで勉強があまり好きでは無いというから不思議だ。最近では俺の真似か接近戦闘の練習もしている。ゲームの時以上の強さになりそうな予感がする。

職業選定の儀式で光の精霊により光の聖騎士になり、将来勇者として魔王を倒すパン屋の息子のジン。彼はいつも明るくイジメなどあると止めに入る正義漢だ。相手に勝てるかは別の話だけど。少し単純な性格だから押し切れる時はパワーで押し切る所がある。ゲームではプレイヤーの選択もあるから具体的に同じ性格かはよく分からん。

町の真ん中にある教会に併設された孤児院でその孤児院に訳ありのシスター見習いとして働くマリアさんと孤児達。

孤児院に関して前情報は無い。ゲームでは施設があったことすら知らなかった。

マリアさんついては王都にいる貴族の娘という事しか分からなかった。聞いても教えてはくれなかった。まぁ、人それぞれ事情があるから仕方がない。

孤児達は元々この町の人間じゃない。この町の近辺は比較的魔物が少ないから、他よりは安全らしい。そんな理由で親を亡くした子供達が地方から送られてくる。わざわざ地方から送るのか?と疑問には思った。だけど考えても分からない事は分からないので、俺はこの理由については考えない事にした。面倒臭いし。

今の所、マリアさんとは挨拶程度の付き合いだ。孤児達には鬼ごっこと隠れんぼという名の[気]の修行に付き合って貰っている。本人達は知らないけど。

町から王都に近づくと別の大きい街がある。その街で商人として働き商会の会長をしている男の息子で、何故か火の精霊により火の聖騎士になる悪ガキのリーダー格マット。その商会の副会長している男の息子で水の精霊のおかげで水の聖騎士になる悪ガキ達のサブリーダー的なカイル。副会長の経営している会社の社員の息子で風の聖騎士になるスレイと下請けの仕事をしている男の息子で土の力を授かり聖騎士になるクライド。

この4人が面倒くさい奴らで、町に来ては一緒に連んで悪さばかりしている。基本的にはマットとカイルにスレイがメインで、クライドは付き合わされてる感じではある。でも俺としては一緒に行動する以上、仲間の悪さを止めないなら参加してなくても同罪だと思う。この前遭遇したのは、マット達がマリアさんを連れて行こうとしていた所だった。何をしようとしてたかは分からないけど。4人は他に孤児達の持ち物を取り上げたり、怪我させたりと色々な事をしていた。俺も絡まれた事がある。金持ちの息子という事もあるのか、被害に遭っても強く言えない。それが余計にあいつ等を増長させたみたいだ。


今俺の状況や住んでいる近辺での出来事はこんな感じだ。

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