改めてのはじめまして

彩都さいとは、もう諦めて視線を感じながら教室の入り口の方へ向かった。神田さんは待ってましたと言わんばかりの雰囲気で待っていた。

「約束通りに来ました。」

と今すぐにも出来るようなやる気に満ち溢れる感じで言われた。

「それじゃ、ご指導のほどよろしくお願いします。そういえばさっき決め忘れてたけど、どこで勉強する?」

「そうですね、どうしましょうか」

「ここだと、色んな人に迷惑かかりそうだから5分後くらいに正門で待ち合わせしよう。その時に決めることにしよう」

「はい、わかりました。また、正門で」

と言って一旦別れた。彩都はまだ帰りの支度をしていなかったので5分後に正門で待ち合わせることにして一旦別れることにした。教室に戻ると、何であいつが話しているんだみたいなことを話している男子どもがちらほら見えるが、無視してすぐ準備をして急ぎ足で教室を出ようとしたら睦月むつきに声をかけられた。

「彩都、今日だけ二回も訪ねて来た神田さんとはどういう関係なんだ?学校の一の女神と呼ばれる人一番関係が無さそうな彩都になぜ?」

「まぁ、いろいろとあるんだよ。先急いでるからまたな」

と言って上手く誤魔化せる訳も無く疑問を抱えている睦月を横に急いで正門に向かった。

 正門に着くとそこには、普段は無い人混みができていた。その中心を覗くと神田さんがいた。彩都は神田さんの人気を改めて実感しつつ、あんだけの人がいる状態で声をかけるのはさすが無理なのでアイコンタクトを送ってみた。すると偶然にもそれが届いたらしく会釈を返されてしばらくすると神田さんの周りを囲んでいた人は解散していた。すると神田さんが駆け足で寄って来た。

「お待たせしました。どこで行いましょうか?」

「そうだな、確か歩いて数分のところに図書館があったからそこでいいと思う」

「図書館なら、勉強しやすい環境ですし、いいですね。では早速ですが案内お願いします」

「じゃあ、行こうか」

と軽い感じで勉強する場所が決まったので図書館へ一緒に向かうことにした。だが、ここは正門。周りには多くの帰路の着く生徒がいて「あの話をしているやつは誰だ?」「彼氏いたの!?」など色々と誤解を受けている内容が聞こえていた。神田さんは聞こえてはいるみたいだけど気にしてはいない様子だったように見えた。彩都は、「否定しなくて大丈夫なのか?」と思っていた。

 少しして学校からある程度離れたところで彩都は

「神田さんだっけ?名前」と急ではあるが話しかけてみた。すると

「そうですよ。朝とか結構ドタバタだったのでそういえば自己紹介しませんでしたね。初めてまして、神田かんだ 夏果みかんです。改めて、朝は助けていただきありがとうございました」」

「初めてまして、村井むらい 彩都さいとです。朝のことはその普段から困って居る人がいたら助けてあげたいと思っているから、体が自然に動いた感じだからそんなに気にしないでも大丈夫だけど」

「村井君は優しいのですね..。」

「何か言った?」

「いえ、何も」

一瞬、悲しみ抱えた顔だったので少し気になるが気にしないでと言われてたので忘れることにした。

「そういえば、さっき何か周りの人達に色んなこと言われたけど大丈夫だった?」

「あのようなことは、結構前から言われているので慣れているので大丈夫ですよ」

「あんなこと言われて、普通の人はなんかしらの返答やら否定やらをしたくなるともうけど過去に何か酷いことあったの?。話づらい内容ないなら話さなくてもいいけど」」

ちょっと真面目な雰囲気を出しつつ気になる質問をぶつけてみた。すると、神田さんはいつもの顔は少し違う感じで話し始めてくれた。

「気になりましたか..。そうですね、中学の頃ことです。その時はまだ、自分が嫌だと思うこと言われたらしっかりと否定していました。ただ、否定をしたことにより学校では段々と私の居場所いうところが無くなって来ました。それ以降、基本的に何を言われても返さないことを決めていました」

「なるほど、そんな重い話だったとは思わなかった。ごめん」

「いえ、もう過去のことですので全然大丈夫ですよ」

と神田さんは話していたが、彩都は神田さんの悲しみの表情を見逃さなかった。しかし、それを口にするのは良くないと思い、気づいていないことにして話の内容を変えつつ話を続けた

「神田さんは勉強出来るって言ってたけど、教えるのも出来るの?」

「教えることはやったことがないのですので出来る限り頑張ってみます」

と会話をしているうちに図書館に着いた。

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同級生が恋人にレベルアップしました。 みかゆ @MIKAN_8902

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