予期せぬ事態
「え、何で?」「何であいつが学校一番の女神に..」などなど、色んなざわざわが聴こえて来るが
「朝、私が困っているところを助けてくださったのでお礼がしたいと思い伺いました。」
と大きな声で言った。教室にいるみんなに聞こえるくらい大きな声で言うものだから、
「え〜!」「マジかよ、あんなやつが..」と性別問わず..少し痛い眼差しで見られているが
「そんな、あまり大きな声で言うな」
と彩都はちょっと照れながら
「え、でも..」
女神様はなんか言いたそうにしていたがそれを押し止めて教室から急いで廊下に出た。それからちょっと息を切らしながら、
「用件は、分かった。で、何であんな大きな声で言った?」
「何でと言われましても、私は助けてくれた人には感謝を伝えお礼をすることが必要だと考えております」
「で、具体的に何をすればお礼をしたことになるんだ?」
「特には考えておりませんでした..」
「おいおい、お礼をしたいなら何か考えておいてよ..」
と彩都は苦笑しながら答えていた。
「じゃあ、テスト近いから勉強を教えてよ。」
「そんなことでよろしいのですか?」
「いつも赤点ギリギリだし、今回に至っては何言ってるかわからないところあるし」
「なるほど、わかりました。」
「じゃあ、放課後にここで」
「はい」
彩都は放課後に勉強をしてもらう約束を取り決めをして別れた。ただ、このまま教室に戻ると周りからの目線が痛いので、購買に向かうことにした。いつもなら買ったらすぐに教室に戻るところだが今日は、購買近くのテラスで食べることした。
するとそこには、
「彩都が来るなんて珍しいな。教室で何かあったのか?」
「たまには、外で食べるのもいいかなって思ってな」
「そうなんだ。じゃあまた後でな」
と言ってが隠しているのがバレている気がする返事をしていた。だが知らないフリをして空いてる席を探した。ちょうど人目につきづらいところが空いていたのでそこにした。
さっきは放課後に勉強すると約束したけど何を教えてもらうのがいいのかと考えながら食べていた。そういえば、名前何って言うだっけ?話し合ってる時に聞けばよかったなとか、話しかけられた女性について考えながら昼休みを過ごしていたら、予鈴が鳴った。机の上を片して教室に戻った。
教室に戻ると、なぜか自分の席に睦月が座っていた。睦月の席は結構離れている。
「昼休み始まった時に、何かあったらしいじゃないすか、彩都さん」
とニヤけながら
「特には、何もないよ。」
とシラを切るつもりだったが
「クラスのやつに聞いたけど、神田さんが訪ねてきたんだってね」
「神田って言うんだ。初めて知ったわ」
と話を切り替えたいと思いつつも、気になる名前について説明して欲しそうに言った。
「彩都は本当に人に興味無いよな。だから友達や彼女もできないだぞ」
「俺は必要最低限でいいんだ。それより神田って言ったけ?もう少し詳しく教えてよ」
と露骨に興味を示したのが失敗だと思ったが開き直って会話を続けた。
「お、彩都もあの女神様に興味が出てきたのか、あの人は
と食い気味にきたので、落ち着いた感じで
「へー、そうなんだ。ありがとう教えてくれて」
と言って、話を終わりにしようとしたところちょうどよく授業開始の鐘が鳴り、何か言いたそうな顔をしながら席に戻った。
授業は特にいつも通りに受けてたら、放課後になっていた。放課後になるとさすがにクラスの大半が覚えていないので一安心した。だが安心したのもつかの間、教室の入り口には昼休みに約束した神田さんが居るのではないか。
「村井君いますか」
クラスの目線が再び一斉に来た。
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