この素晴らしい探索者にドラゴンステーキを!
皆さん! グッモーニング!!!
え、やけにテンション高いなって? そりゃあそうだよ。
こんな可愛い子を抱き枕にして寝たんだから元気に決まってるじゃあないか!
ん? レズかよだって? ノンノン、私はレズじゃない......バイだ!!!
いや100以上超常に巻き込まれてたらそら常識なんてすっとびますよ。だからこうなるのは当然である(暴論)
......私だって最初は普通だったよ? でも60回目ぐらいにあった女の子が超かわいくってさ、何か酔った勢いで私に対してAPP判定してきてクリッたんだよ、その子が。そりゃあ惚れるわ、うん。
......ここらで自分語りは止めよう。永遠に終わんなくなっちゃう。それじゃ契約通り料理を作ってあげますかっと。
まだ寝てるめぐみんの頭を一撫でしてから起こさない
さてと、そっとベットから起き上がる。
メニューは......フリッタータでいっか。楽だし。
フリッタータっていうのは簡単にいうとキッシュをおかずから主食に進化させた感じのもので、卵でいろんなものを包んで作る。
これが楽な割りにおいしくて便利なんだよ。
ちなみに食材は昨日手に入ったお金でまとめ買いしてある。
なに? 冷蔵庫もないのに腐らないのかだって?
ふふーん、実は門の創造をベースに私が自分で創った創作呪文があるのだ。アイテムボックスみたいなのが。
それに時間関連の呪文をいくつかぶちこんで中の時間を止める。これにより霧○峰もびっくりの朝採れ野菜室の完成ってわけですよ!
ちなみにここらへんが友人に神話生物より呪文に詳しいと言われる所以だったりもする。
自分で言うのもあれだけど呪文創るとかそうそうできないからね。
そんなことを言ってる間にフリッタータ、完成である。
今回入れたのはキャベツとニンジンそれとタマネギにガーリック。本来はオリーブオイルで炒めるんだけど、今回はごま油を使ったためより香りが強くなっている。
この芳しい香りでめぐみんもきっと起きてくるはず。
「うみゅ......すぅ......」
起きない......だと!?
くっそう......こうなったら香草も別で炒めてやる! バターとガーリックソルトで!!
辺りにもの凄い食欲を刺激する匂いが漂う。
あ、ヤバいこれ。私が耐えれないかも......ヨダレが無限に出てくる。
めぐみん、早く起きて......! 私にはこれを長時間耐えるのは無理だ。
「くぅ......ん? スンスン、良い匂い......」
にへらっと笑い、また夢の世界へ旅立っていくめぐみん。
あぁもうかわいい!!! でも起きて!?
あ、ダメだ。もう我慢できない......
「めぐみん起きて! ご飯だよご飯!!」
「ん......あい」
ねぼけ眼を擦りながらテーブルに着く。何でこの子はいちいち挙動がこうかわいいんだろう!?
しかしこの香りを嗅いでよく無事でいられるな......恐ろしい娘!
「クンクン......いい匂いです!!!!」
あ、大丈夫だった。ちゃんと効いてた。
テーブルについた数秒後、カッと目を見開いてヨダレを垂らしながらめぐみんがそう叫んだ。
そして、二人同時にぐぎゅるるーっと腹の虫が鳴いた。
「「あっ......」」
二人共顔が真っ赤になる。
ちなみにめぐみんは普通に恥ずかしいからで、私は恥ずかしがってるめぐみんかわいい! ってなって悶絶してるから。
「さ! 食べましょう!」
「は、はい」
「「いただきます」」
□■□■□■□
ご飯の後、途中でカズマと合流してからギルドに行くとアクア様が宴会芸をしていた。
「なにしてんすか女神様......」
「ん? あ、カズマ達じゃない! どうよ見て! 新しいスキル! 最高じゃない?」
そう言うとアクア様は、頭の上で花を咲かせた。
......なにあれ凄い。あとで教えてもらお。
□■□■□■□
アクア様の相変わらずの駄女神っぷりに呆れた後テーブルにつき、私はめぐみんを残して一旦お手洗いに行った。
お手洗いから戻ってくると、めぐみんがこれ以上ないほど落ち込んでいた。なにがあったし。
「おいカズマ、私のめぐみんに何をした」
「ちょおま!? その言い方だと俺がこいつに手を出したみたいじゃねえか!? てか私のってなんだよ!」
「サツキ......」
虚ろな目をこちらに向けて、めぐみんが話しかけてきた。
「ん? なに?」
「私って......ロリっ娘ですか?」
「うん」
「ガフッ」
バタンッと音を立てて、めぐみんが崩れ落ちた。
「「め、めぐみーーん!」」
なるほど、これが「あっ(察し)」ってやつだね。
「はぁ......カズマの心無い一言のせいでめぐみん傷ついちゃったじゃん」
「いや止めをはどう考えてもおま」
「てことで慰謝料千エリスね」
「は!?」
「昨日あんだけ儲かったんだからそれぐらい払えるでしょ?」
「いやそれは」
「ね?」
「はい......」
流石はカズマ、話の分かる男。
そんな風に交渉をしていると、APP16ぐらいの金髪お姉さんが声を掛けてきた。
「探したぞ、昨日はすまなかったな。すぐに帰ってしまって」
こんな美人さんと知り合いなんてカズマやるじゃん、と思い振り返ると見るからに「やっべぇ」みたいな顔をしたカズマと目があった。
え、なに、どゆこと?
「というわけで、改めて私をパーティーに......」
「お断りします!!」
「はうぅっ! んっ! 即答とは......」
あーはん? 大体察しがついたぞ。
昨日の夜? にパーティー申請が来た→なんかやべえやつっぽい、それとなくお断りしとこ→また来た!? 全然伝わってなかったっぽい!?→即答で拒絶→喜んでらっしゃる......やっぱヤバいヤツじゃん(今ココ)って感じじゃない?
どや、私のガチ推理。たぶん合ってるはず。
その後は銀髪の子にカズマが師事されに行くことになり、私に来るか? と聞いてきたが、
「うぅ......ロリっ娘......」
とこのようにめぐみんがまだ落ち込んでるっぽいので断っておいた。
落ち込んでるときは一緒にいてあげることが一番ありがたいし、側にいてあげようかな。(建前)
あぁ落ち込んでガチへこみしてるめぐみん超かわいい!!(本音)
□■□■□■□
それから数分後、なんとかめぐみんの機嫌を取り戻した辺りでカズマが帰ってきた。
なぜか隣に頬を紅潮させた女騎士と泣いている盗賊を連れて......。
は? どゆこと?
「カズマ、その人どうしたの?」
「なに、クリスはカズマにぱんつをを剥がされた上にあり金むしられて落ち込んでいるだけだ」
「ちょ、アンタ何口走ってんだ!? いや間違ってないけど!!」
「はーん、ふーん、ほーん」
やるじゃん、流石はカズマ。そこに痺れるきもちわるーい。
しかしぱんつだけ盗るとは......ナイス。君とは趣味があいそうだよ。
「うん、そうだね! 公の場でぱんつを脱がされたからって、いつまでもめそめそしてもしょうがないね! じゃあ私は下着を人質にされて有り金むしりとられたから、ちょっと稼ぎの良いダンジョンにいってくるよ!」
「クリスぅ!? 周り女性冒険者の目まで冷たい物になってるから! 沙月!! 頼む何か言ってやってくれ、お願いします!」
「今日の夕飯、お願いね? 私とめぐみんの分」
「そ、それでいいなら! 頼むから助けてくれ!!」
よし乗った。今日はドラゴン肉のステーキ(12万エリス)にしようそうしよう。
「ちなみにそのスキルってなんてやつ?」
「窃盗スキルっていって、相手の持ち物を
「ふぅん、ならぱんつ以外も奪えるんだよね?」
「あぁ! てかそれが本来の使い方だ!!」
それを聞くと周りの人達の目も多少は落ち着いた。
よし、あと一押しだね。
「それじゃ私にもそれ使ってみてよ」
まぁカズマのバカみたいに高い幸運なら狙った物ゲットできるでしょ。
流石にこのタイミングでパンツ盗るほどバカじゃないだろうし。
「私からぱんつ以外のもの盗ってみてよ」
「あぁ。わかった」
これで一件落着かな? ドラゴンステーキは貰った。
今にして思い返すと、この時の私をぶん殴ってやりたくなる。
数々の失敗から何を学んだんだ私は......詰めが甘いと痛い目を見るって言ったじゃん......
「それじゃいくぞ......スティーーール!!」
光が収まると、カズマの手にはぱんつが握られていた。
「ふぇっ!?」
「あれ? お、おかしいなー。アハハー」
自分がやられるとなると......恥ずかしいな......。
一回ニャルに全裸に剥かれた上でそんときの探索者仲間(男もいる)の前に放り出されたこともあるしノーパンぐらいどうってことないと思ってたけど......なんというか心もとないっていうか、違う種類の恥ずかしさが込み上げてくる。
「お前って......結構かわいいぱんつ履いてるんだな。なんつうか見た目通......あ! いや、その」
「なっ!?」
そ、それを今ここで言う!?
もういいよ。君はやりすぎた。鉄拳制裁といこうか。
DEX18の脚力を存分に生かし一瞬でカズマに肉薄、男性特有の弱点にむけて全力で拳を放つ。
ヨグパンチも1MP分だけ使っちゃおう。慈悲はない。
「変態っ!」
「▽◆▲□☆▼★×*жйю■!!!!!!!!!!!!!」
内股のなんとも無様な姿勢のまま、カズマは前のめりに倒れそのまま気絶した。
「あ、悪は滅びた......!」
「「「きゃーーーーー!!!」」」
私がガッツポーズを取ると同時にその場にいた女性冒険者から黄色い悲鳴が上がった。
□■□■□■□
あの後カズマはアクア様の回復魔法で蘇った後、私にドラゴンステーキを奢ってくれた。土下座しながら。
ちなみにそれでカズマの全財産はゼロ円になったらしい。
本当においしかったし、物欲しそうにしてためぐみんに一口あーんしてあげれたから許してあげよう。
あれを食べた後のめぐみんあまりの美味しさにトロンとした目で恍惚とした表情してて超かわいかった。
翌日、改めて昨日の女騎士(ダクネスと言うらしい)の面接となった。
「ちょっと! この人クルセイダーではないですか! 断る理由などないのではないですか?」
へぇー、クルセイダー......スターダストなのかな? だったら最強だと思うけど。
「ダクネス、君に一つ、伝えておきたいことがある」
そんな風にアホなことを考えていると、いつになく真剣そうな顔でカズマが切り出した。
「俺達は、実はガチで魔王を倒そうと思っている」
「あ、あぁ」
「そうすると、もしかしたら魔王に捕まってしまうかもしれない」
「そうだろうな」
「魔王軍に捕まった女騎士......もうわかるな?」
「......も、もちろんだ」
あ、バカ。こういう人相手にそれは......
「君にはあまりにも危険すぎる。だからやm」
「魔王軍に捕まりエロい目にあわされるのは女騎士の仕事だからな。それだけでも、行く価値はある!」
「......は?」
ほら、言わんこっちゃない。
「め、めぐみん! お前もだ! 本当に過酷な旅になるぞ!」
あ、今度はめぐみんに矛先がむかった。
「めぐみんはいるの!」
「は?」
「ねー、行けるよねー」
「ふっ、当然じゃないですか......我が名はめぐみん! 最強の爆裂魔法を操る大魔法使いですから! ですから......な、撫でるのをやめるのですサツキ!」
「ふふふー、もうかわいいなーめぐみんは」
ドヤッとしたところとか頑張って見栄張ってるみたいでとってもキュート。
む、なんだよカズマ。その「常識人枠かと思ったらやっぱコイツもやべえヤツだったよ」みたいな目は。
そりゃそうだよ。むしろ私ほど頭のネジ飛んでるヤツそうそういないぞ。SAN値20切ってるし。
それはそうとカズマが「せめてダクネスだけでも」みたいな顔してるから手伝ってあげよう。
「まぁカズマ、ダクネスは私に任せてよ」
「お、おう......まかせた。ぜったいおっぱらってくれよ? これ以上ポンコツが増えたら困る」
「ふふーん、まぁ見てなって」
こんな感じの人は7回目ぐらいからの長い付き合いだった人がいるから文字通り百戦錬磨だよ私は。
「で、ダクネス。本当に危ない目にあっちゃうよ?」
「あぁ! むしろどんとこいだ!! ていうかそのために行くまd」
「変態」
「んっ! 初対面にも関わらず話を遮って罵倒してくるとは......何という高レベル!?」
「ていうかそれなら一人で行けば? されたいんでしょ? そういうこと」
「いや、それはそうなのだが......一人ではそこまですら辿り着けんのだ......」
「なんだ、上級職とか言っときながら所詮その程度なんじゃん。使えな」
「はうぅ!」
「それに今さらだけどやっぱこういうことされて喜ぶ人なんだ? マジキモいんですけど」
「くっ! まだ幼い子供がここまで冷たい表情でこんなことを言えるとは......スゴい! スゴいぞ!!」
「幼いって......アンタみたいに自分の欲望しか言わない猿よりは育ってると思うよ?」
なんか皆の私を見る目が変わってきた気がするけど気にしない。
「あ、猿じゃなくて牛だった? ごめんね。そんなおっきな(ピー)ならそうだよね、気づいてあげれなくてごめん」
ヤバい、なんか楽しくなってきた。
「ん? 牛でもないって? (ピー)が(ピー)で(ピー)しといて? マジウケるんですけど」
「んあぁっ!! ここまでの人は今まで会ったことがないぞ!! 一体どういう暮らしをしたらこんな小さいのにこのような性格になれるのだ!?」
「ふぅ......で、どうする?」
「一生ついていきます」
「やめて変態、マジキモい」
「んあぁぁん!!」
あ、(自主規制)した。
「お前......なんでそんな冷たい顔しながら笑えんの?」
そりゃあ変装90ですから。
「てか様になりすぎだろ!? お前前世で何してたんだよ!?」
「えーと......いろいろ?」
「おどろきました......サツキはそんな人だったんですね」
!? めぐみんが若干ひいてる!?
「いやそそそそんなわけないじゃん!! 演技だよ演技!!」
そんな風にわちゃわちゃしていると、急にけたたましいサイレンが鳴り響いた。
......この微妙な空気を紛らわす最高のタイミング......ナイス!!
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