第584話 地味に精神的な負荷が強そう
ロイターの結果……うん、結果としては一番成功だったって感じかな?
そして、俺が夢の中で模擬戦らしきことをしていた相手はロイターだったのだろうか……?
それから……ファティマの予想がピッタリだったのがビックリだった。
そう思いつつ、近くにいたファティマに視線を向けると……「ほらね?」って顔をしている。
さすがファティマさんだ……まったく、恐ろしい方でいらっしゃる……
「へぇ~さっきファティマちゃんから聞いたけど、みんな面白そうなことをしてたんだね?」
そして、パルフェナが一言コメントを発してきた。
「はい、タイミング的にパルフェナさんたちを誘えなかったのは申し訳ありませんが……もしよかったら、お2人も今度一緒にどうですか?」
「いいね! 面白そう!!」
「そうね」
そこでサンズが軽く謝りつつ、さらりと2人を誘った。
まあ、パルフェナがいうように、ファティマに対しては既に俺がさっき話してたけどね。
「でもよ……次またやんのは構わねぇけど、毎日っていうのは困るぜ? なんつぅか……俺は夢自体は上手く見れなかったけど、起きたとき妙に疲れた感じがしたからな……あれはそう、まるで模擬戦をやったぐらいの疲れだった」
「そうですねぇ……僕も夢の中で剣を振っていたせいか、起きたときの疲労感はそれなりにありましたからねぇ……」
「うんうん、僕もなんていうか……寝た感じしなかったっていうか、一晩中活動してたような気分でした」
「……同じく」
ふぅん? ヴィーンたちは寝起きに疲労感が残っていたのか……
「エト姉とお茶してた僕がいうのもなんだけど……ポーションとか回復魔法で疲れを解消できないの?」
「そうだな、俺がいつも勧めているトレルルスが作ったポーションなら、そんなもん一発なんじゃないか?」
まあ、スポーツドリンク感覚でポーションを飲む奴もあんまりいないみたいだけどね……
「いや、確かにそれで疲労感を解消することはできるんだけど……それでも、あんま寝てないなって感じが、ちょっとな……」
「そうですねぇ……地味に精神的な負荷が強そうな気もしますからねぇ……」
「僕もそんな感じで、たまにならいいと思いますけど……毎日っていうのは、ちょっと厳しいかもしれません」
「……私もそう思う」
「そっかぁ……さすがに次の日に影響が出るのもマズいもんね……」
「セテルタ様、実は我々も夢の中でお茶を飲んで談笑していただけなのですが、それなりに疲労感が残りました……」
「えっ! そうなの!? ……う~ん、僕はそうでもなかったんだけどなぁ」
ふむ……ヴィーンたちに加えて、セテルタの取り巻きたちも疲労が残ったのか……
しかし、セテルタはなんともなし……うぅむ、これは体質的なものが関係してたりするのかな? それとも性格?
「そうですね……僕もそこまで深刻なものではありませんが、皆さんがいうように多少は疲れた感じがありました」
おやおや、サンズもか……
「となると、ロイターよ……俺と夢の中で一晩中模擬戦を続けていたというのなら、起きたとき物凄い疲労感に襲われたんじゃないか?」
「私か? いや、それほどでもない……とはいえ、昨日も少し話したが、私の場合これまでにも割と頻繁にアレスと夢の中で模擬戦をしてきたからな……いくらか慣れがあるのかもしれん」
「そうか、なるほどね……ああ、ちなみに俺も、そんな疲れたって感じではなかったかな? ただ、寝汗はいつもよりかいてたから、まったく違いがないってわけでもなかったけど……」
「へぇ~みんな感想がいろいろ違ってて、なかなか面白いね?」
「……まあ、そういうことなら平日や何か用事のある日の前はやめておいて、休日である闇か無の前日に企画するようにすればいいのではないかしら? それも、毎週というわけではなくね」
ここで、頼れるみんなのリーダーファティマさんが、この企画の方向性を決定づけるであろう発言をした。
「それだっ! さすがファティマさんだぜ!!」
「僕もファティマさんの意見に賛成ですねぇ」
「僕もです!」
「……同じく」
「う~ん、まあ、それぐらいが妥当って感じなのかなぁ」
「……ほっ」
「そうですね、それに今は武闘大会の期間中ですし……コンディションはきちんと整えておくべきでしょう」
「うむ、ファティマさんのいうとおりだ」
……そういえば、前世で驚異的なガチャ運を誇る佐藤君がいってたっけ……「俺な、夢を自由自在に操れるんだけど、それをして次の日起きたら、スゲー疲れるんだ……だから、たまにしかやんねぇ」ってね。
その話を聞いて俺も含めたみんな、うらやましがりつつ「ウッソだぁ!」っていってたんだけど……やっぱりあれは本当のことで、夢の中で何かしようとすると疲れるのかもしれない。
……なんて、ちょいちょい凄い奴エピソードを持つ佐藤君だけど、今も夢を自由自在に操っているのかなぁ?
「……アレス、心ここにあらずという顔をしているが、どうした?」
「……ん? ああ、確かにあまり夢の内容をいじくり回し過ぎるのもよくないのかもしれないなぁと考え始めていてな……だから、ファティマの提案どおり、暇なときたまにやるぐらいでちょうどいいんだろうなって思っていたところだ」
「そうか」
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