来世でもう一度出会えたら

俺はその電話をとった。

「新名 楓希さんですか?」

「はい。そうです。奈古になんかあったんですか?」

「大変申し上げにくいのですが、奈古さんの死亡が確認されました。」

「え..本当ですか?何が原因なんですか?対応は出来なかったのですか?」

「申し訳ございません。我々は全力を尽くしましたが...」

「そうですか...今から病院に向かいますね」

俺は全てが終わった。そんな気持ちになりながら病院に向かった。

病室についた。

「奈古!奈古!ほんとに死んでしまったの?」

「奈古!奈古!なんで...最後にどうしても行きたいところがあったのに...」

「楓希さん、お悔やみ申し上げます。」

「奈古の死因はなんなんですか?」

「申し訳ございません。原因は不明です。恐らく交通事故が関係すると思われます。」

「そうですか。まず、奈古のためにこの約4ヶ月全力を尽くしてくださってありがとうございました。」

「いえいえ、これが医者の役目ですから。」


俺は病院を出た。俺は奈古の両親のもとへと向かった。

インターホンを押すとお母さんがでてきた。

「楓希くん。遠いところを来てくれてありがとうね。」

「奈古のことなんだけど、最後の最後まで、奈古の面倒見てくれてありがとね」

「いえいえ、僕は最後まで奈古と過ごせて良かったです」

「奈古も、最後を楓希くんと過ごせて嬉しかったと思うわ。」

「このことで体調とか崩したらだめよ?」

「はい!それは気をつけます。改めて最後まで奈古との時間をくださってありがとうございました。」

この一言で奈古の実家をでた。


10年後

奈古の訃報からちょうど10年がすぎた。

俺は立派な大人になった。そんな朝に俺はいつもどうり仏壇に行き奈古に手紙を読んだ。

「奈古、もうあれから10年がたったよ。俺も今でも信じられないけど、何とかいつもどうり暮らしてるよ。改めて俺は奈古と出会えてよかった。奈古と出会ってから毎日が幸せで、楽しかった。いつでもあの時に戻りたいと思う。でも、そんなことを思っても戻らないのはわかってる。だから俺は前に進むよ。俺は死ぬまで、この家で、奈古と暮らし続ける。だから俺の事を見守っててね!そして最後に、」

「俺は、君と、来世でもう一度出会えたら絶対にまた奈古に、告白しもう一度なこと暮らしたいな。その時は奈古をもっと幸せにする。だから、その時まで待ってて欲しいな。」楓希より。



~完~


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

来世でもう一度出会えたら @abeno4231

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ