新しい日々
俺と奈古が最初に向かった場所は初デートの場所、サンシャイン水族館だ。水族館の
スタッフに許可をもらった。
「奈古!ここ覚えてるか?俺たちが付き合って初めてデートで来た場所。」
「あの時、ペンギンを見て癒されて、アシカ、コツメカワウソを見て楽しんでたよなあの時は本当に楽しかった。」
「...」
もちろん奈古は喋らない。でも、奈古はきっと初デートのことを思い出してくれている。そう信じながら俺はなことすごしている。
水族館の帰り、俺はあの時のように河川敷に向かった。
「あのとき、奈古が言ってくれたこと覚えてるか?」
「...」
「何万年前からこの空にあるあの星のように、私たちもこの関係がずっと続くといいなって言ってくれたよな」
「俺は今でもあの約束を果たせてると思うよ。奈古もきっと、そう思ってくれてるよな。」
俺は水族館に行った次の日お台場海浜公園
に行った。ここは2人が初めて遠出した場所でもある思い出の場所だ。
「奈古、ここも覚えてるか?2人で練馬区から港区まで、歩いていったよな。疲れたけど奈古といたからすごい楽しかった。」
「お台場海浜公園の夜景をみて2人で
綺麗だねって言いながらご飯食べたよな。」
俺は思わず涙をこぼしてしまった。
あの時のことを思い出すだけで、あの時の楽しさが蘇って、せつない気持ちになる。
泣いてもしょうがないと言う気持ちになりながらも泣かずにはいられなかった。
1週間後に俺たちはお世話になった高校に顔をだした。何も変わっていなかった。校長先生に許可を貰い、文化祭の見学をした。
「奈古、ここは俺たちの高校だよ」
「一緒に文化祭、だしものしたよな。あの時練習の時から奈古と一緒に出来て楽しかったよ。そのあと、本番も大成功だったしな。」俺はそんなことを言いながらまた涙を流した。俺は泣いてばかりでいいのだろうか、そんなことを思いながら泣いていた。俺は奈古に心配させないようにできるだけ泣かないようにはしていた。でも、やっぱり抑えられない。思い出の場所に来るとどうしても思い出してしまうんだ。
奈古は毎日1度病室に戻る。そうじゃないと家で何かあったら対応しきれないからだ。そして明日の朝にもう一度会う。そんな流れでいつもやっていた。
明日は俺たちの関係ができた、あの場所に行こっかな。とそんなことを思いながら車を走らせ家へと向かった。
食事とお風呂をすませ寝ようとした時だった。家の電話がなった。俺は嫌な予感しかしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます