第12話 出撃

伝次郎の初任務は下記の作戦情報を味方の最前線基地に届けることにあった。

その作戦は以下のようになる


敵のR国は海を渡ってわが国H国の最北端に上陸しようとしている。

その足掛かりとしてR国が所有するイレブン島を補給基地としている。

国土の広いR国がH国を攻めるには、どうしてもイレブン島の補給基地を拠点として

戦線を張る必要があった。

逆に言えばここを落とせば、R国は一旦本土まで退却を強いられる。

それゆえにイレブン島の守りは強固であった。


そこで司令部はイレブン島を攻撃するために、敵の守備部隊を陽動作戦でおびき

寄せて足止めし、その隙をついて奇襲攻撃部隊が突入し一気に攻め落とす作戦を

立案した。

味方の最前線にこの情報を伝えて、敵を陽動してもらうことが伝次郎に託された

使命である。

しかし岬の先端にいる味方の部隊と伝次郎のいる基地との間には海峡があり、

そこには敵の巡視船が配備されていた。

身を隠す場所のない海上を己の翼一つで敵の監視の目を盗んで味方の前線基地へ

行くのは容易なことではない。


作戦を記した極秘文書を足につけて、伝次郎が味方の最前線へと今飛び立つ。


ゆけ!伝次郎。

H国の防衛はお前の双羽にかかっている。

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