第341話祐と女子たちの朝

朱里と春奈の肉の壁は、朝7時になっても、祐に密着していた。

祐は、脱出しようにも、無理な状態。

脚は二本とも、両側から絡められているし、腕は胸肉の中なのだから。

「汗をかいているからシャワーしたい」「トイレに行きたい」

せめて声をかけようと思うけれど、朱里と真由美は、スヤスヤと寝息。

そして、不規則にムニュが強まるので、祐自身は焦る。

(危険な兆候も確認した)(触れられたら、恥ずかしい箇所)


約10分後、その祐の煩悶を救ってくれたのは、純子と真由美だった。

寝室のドアが、スーッと開けられ

純子

「そういうことはしないって約束でしょ?」

真由美

「祐君が、真っ赤になって困っている・・・ほら・・・押し付け過ぎ」

(祐はホッとしたので、危険な兆候は、静かにおさまった)

(ただ、純子と真由美も、全く同じことをしているので、祐は女性の怖さを知る)


ただ、朱里も春奈も、すぐに祐の束縛の解除を行い、祐はシャワーとトイレを完了。

朱里と春奈も、身づくろいを完了。

朝7時半には、全員で朝食になった。(大きな土鍋で、トマトリゾット)


祐は、食べながら懇願した。

「今夜からは、泊らないで、お願いします」

「腕が伸ばせない」

純子は、女子全員の顏を見た。

「大丈夫と思うよ」

春奈は、プチ文句。

「それでは、お隣さんの純子さんと真由美さんに、有利過ぎるのでは?」

朱里も、続く。

「まだ、心配ですよね、私は毎日でもいいかな」

真由美が、話をまとめた。

「祐君の意思が大事、バイトの原稿もある」

「私たちも泊ることはしないから、そうしよう」


その祐は、半分食べ終わり、スマホを見て首を傾げた。

女子全員が注目するので、説明開始。

「愛奈から、長文のメッセージ」

「愛奈の知り合いで、レイラってアイドルがいるらしい」

「僕に逢いたいとか」

「愛奈は、止めているけど・・・?」

「レイラのマネージャーが、愛奈のマネージャーに頼み込んで」

「愛奈のマネージャーが押されて・・・」

「え・・・マジ?」

「お昼のライブバーに来る?」

「でも、レイラって誰?」

「知らない、そんな人・・・」


真っ先に反応したのは、真由美だった。

「知っている!超ムカつく炎上小娘でしょ?」

春奈は、スマホでレイラを検索。

「あーーー!こいつか・・・」

「資産1億持たない男は、ゴミ」

「ブス隔離条例を作れ?ブス専用車両を作れ」

純子も調べた。

「へえ・・・巨乳は暑い?アイドルから巨乳廃止条例を作れ?何それ」

「自分が貧乳だから?」

真由美は、祐の顏を見た。

「会う必要ないと思うけど」


祐は頷く。

「そんな人に関係している時間ないもの」

「入院して、原稿が100枚以上遅れている」

「今夜から、マジにやらないと、迷惑かけることになる」


すると女子たちの顏が、また別の意味で変わった。

「無理・・・根を詰めないで」

「手伝う、また倒れたら困る」

「ねえ、泊らないから」

「肩揉みもするから」


・・・何やかやと、最初のテーマに近づいてしまう、祐と女子たちである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る