第241話純子の信頼 京都に行く話が持ち上がる。

私、純子は、隣の部屋の「祐君と春奈さんの状況」は実に気になっている。(合鍵もあるから、押し掛けようと何度も思った)

でも、祐君は、付き合って時間は短いけれど、「裏切るタイプ」の人間ではない。

だから、「春奈さんが何をしでかしても、なびかない」と確信している。(できれば、助けて!と言って欲しいけれど)(春奈さんの、諦めは、不明)(でも、祐君は、うちのもんや)


祐君はピアノの練習を始めてから、食欲が増した。

おそらく体力と神経をかなり使うので、今までの小食では、身体が持たないと思う。

本当に美味しそうに食べるので、それを見る私も、うれしい。(最大の調味料は空腹?いや、私の愛情や!)

夜も12時を過ぎて起きていられないらしい。

となると、起きるのが朝7時だから、睡眠時間も7時間確保している。

アルバイト(今のところ、秋山先生、平井先生、佐々木先生)も、順調に推移。

「まあ、何とかなっとる」と思っていたら、祐君からコールがあった。


「部屋に来てください」


「はぁい」と答えて、祐君の部屋に入った。

真由美さんも同時だ。(ちょっと気に入らん)


祐君は、余裕顏。(最近の主流)(ちょっと小悪魔風に可愛い)

春奈さんは、赤い顔。(祐君に迫ってかわされた?そんなところやな)


祐君

「赤ペンで平井先生の解説を直しました」

「コピーしたので、点検してください」

「先生にもPDFにして、送りました」


私も真由美さんも驚いた。

「先生の文を修正?」


祐君は、笑う。

「同じ意味のことを、表現を変えただけ」

「何かあれば、青ペンがいいかな」


春奈さん。

「次の土曜日でいい」

「ゆっくり直して」


春奈さんから、また話があった。

「出版社の人も、次の土曜日から参加します」


祐君は、嫌そうな顔。

「春奈さん、早過ぎると思う」

「真由美さんの挿絵も、写真もない」

「もう少し、材料がそろってから、出版社の人と話そうよ」


春奈さんは、首を横に振る。

「いや、彼女も、古文には詳しい人」

「文だけでも、見てもらおうかと」


私は、春奈さんに確認する。

「平井先生も、出版社に見てもらうことで納得を?」

春奈さんは、頷いた。

「出版社の彼女は、既に祐君の仮名序現代語訳と和歌の新訳は、読んでいます」

「それで、出版も早めたいと」


真由美さんが祐君に聞く。

「写真がないと・・・嫌なの?」

祐君は真面目顔で頷く。

「春だから、梅、柳、桜、鶯、全部撮って載せたい」

「真由美さんのイラストも載せたい」


春奈さんは、少し考えた。

「一度、全員で京都に行こう」

「撮影場所だけでも、見つけておかない?」


女子全員が頷く中、祐君は誰かと電話を始めている。



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