第181話三人のスケジュール決定と夕食検討(祐は責められる)

私、真由美の「田中朱里さん=名古屋嬢論」に対して、祐君は反応を控えた。(なかなか賢明な祐君やけん、そうなると思うとった)(やさしい子やけん・・・それも魅力・・・なめたくなるほどの美肌・・・って・・・祐君が何か話すみたい)


祐君(また、たどたどしい・・・このまどろこしさが・・・よかと!)

「結論的に・・・って僕なりの」

「月曜日、火曜日を万葉に」

「水曜日と木曜日を古今に」

「金曜日と土曜日を源氏に」

「それを基本にしたいなあと」

「もちろん、作業の進行具合とか、先生たちからの意向も踏まえるけれど」


純子さんは、うん、と納得。

「了解、現時点での基本線やね」

私も異論はない。

「作業時間は、夕食後でいいかな」

祐君

「概ね、午後7時くらいから」

「ただ、それぞれ個人の都合がある時は、連絡を」

純子さんが、ニンマリ。(このニンマリ顔は、不安)

「私と祐君は、同じ大学で同じ授業やから、夕食も同じ時間に可能」

私は、あせった。(・・・この・・・独占は許さんばい!)

「私も、サークルには、入らんけん、夕食もOK」

(要するに、祐君との夕食権は、譲らんということ)

(それでなくても純子さんは、一日至福の時間が多い、たまには譲って欲しい!)


ところが、祐君が、この「夕食」で、ためらいの顔。

「あの・・・そこまでは・・・皆さん食べたいものがあるでしょうし」

「僕は、夕食なんて、簡単に済ませたいタイプなので」


その祐君の発言で、純子さんと私は、顔を見合わせた。(・・・最近、目と目で、気持ちがわかる・・・これは二人で祐君を叱らんといかん!と思った)(祐君のお姉さんの気持ちも、わかった・・・祐君の欠点も理解した)


純子さんの言葉がキツめ。

「あのね・・・夕食が簡単にって・・・何言うとる?」

私も、言葉を強くした。

「見ていて、私たちより小食、しっかり食べんと、夏は持たんよ」

祐君はタジタジとなった。

「あ・・・はい・・・そうかな・・・」(そのウロタエ顔も、そそるなあ・・・押し倒したい・・・喘ぎ顏が見たい・・・って・・・恥ずかしい・・・でも血が騒ぐ)


テーブルの上の祐君のスマホが光った。(置きっぱなし・・・無防備?他の女からの電話なら見逃さんよ)


・・・ところが・・・他の女だった。


「風岡春奈」だ。


祐君は、私たち二人に頭を下げ、スマホのスピーカーを「オン」にした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る