第151話祐君の苦しみと微妙な表情が気になる

私、純子は、ハラハラしながら祐君と歩く。

超美少女「田中朱里」の出現と、祐君へのアプローチも本当に気になったけれど、それ以上に祐君の「塩対応」と、田中朱里の顔を真っ赤にした「フラれガッカリ姿」も気になった。

(おそらく、かなり久しぶりに会って・・・あるいは田中朱里さんは、大教室で待ち構えていたかも・・・それに塩対応なのだから・・・)

(それを気にするうちも、仏様のように善人や!と思うけど)


だから、祐君に聞いてみた。

「なあ、祐君、冷た過ぎや、そう思うたよ」


祐君は、口ごもる。

「ごめんなさい、気をつかわせて」

「確かに冷たい・・・かな」

「でも、気持ち全般に余裕が、今の僕にはない」

「情けない・・・実力不足で」


私は察した。

「平井先生と秋山先生の?」


祐君は、私から、少し身体を離す。

「ごめんなさい、巻き込んでしまって」


しかし、私は祐君を離さない。

「そういうことは言わないの、怒るよ」(大学生になった途端、超大先生と一緒に仕事、それも重要な部分を任せられているのだから、祐君は、かなりなプレッシャーを感じているのは、わかる)

(でも、私はどんな祐君と一緒にいたい、いるって決めた、だから離さない)

(グイッと腕を組んであげた、もちろん、押し付けてだ)


祐君は、前を向いた。(案外、スンナリだった、祐君は、やはり良い子だ)(私の胸力も、なかなかのものだ!)

「珈琲豆を買って帰ります」(う・・・私も明太子女も、かなり飲むから)


その祐君の目の先には、珈琲豆屋さん。

祐君は、「コロンビア」と「モカ」を買った。

私も飲んでばかりで申し訳ないので、「お金出すよ」と言ったら、

祐君

「それなら、紅茶をお願いします」(うんうん、気が合う)


「茶器も買っていいかな」(何しろ、平井先生と秋山先生から、高めなアルバイト料をいただいている、有効に活かさねば、と思った)


祐君も、一緒に選ぶ。

「クリスタルの茶器が使いやすそうです」(さすが、お茶の本場、静岡育ち!)

茶葉は、定番のダージリンと、アプリコットを選んだ。


珈琲豆屋さんを出て、

祐君

「田中朱里さんには、悪いことしたかな」(今さら?反省しているし・・・)

「でもねえ・・・」(すごく深い響きがあった)


「何かあったの?その昔に」


祐君は、何も言わなかった。(何か言いづらいことがあった、と理解した)


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