第80話祐君と奈良町の話、いろいろ話して、ついにスリスリと・・・
祐君がお菓子を食べる姿は、本当に可愛い、美味しそうに食べる。(胸がキュンキュンしてしまった)
最初に手に取ったのは、やはり「お饅頭」だった。
「お饅頭好きなの?」(あえて聞いてみた)
「いろいろと、思い出があって」(うんうん・・・でも・・・母親とだ)
「和菓子と洋菓子とどっちが好きなの?」
「どっちとは・・・は決められないけれど・・・純子さんのご実家の和菓子は、どれも好きです」(お上手!でも、実感がこもっているから、素直に受け止める)
「奈良町も、かなり歩いたの?」
「そうですね、元興寺さん、御霊神社さん・・・」(うんうん、そうだろうね)
「純子さんのご実家以外は・・・」(メチャ、気になった)
「砂糖伝さん」(うわ!大の仲良し、仕入れ先だし。砂糖とか飴の超老舗)
「団子屋さんもあった」(うん、あの店も仲良し、いい感じのおばさんがやっている)
「甘味屋さん」(いい感じのおねえさん、奥さんかな)
「奈良町情報館では、紫蘇ジュースを」(・・・あそこは、若くて綺麗なお姉さんがいる、ちょっと危険)
「お土産屋さんで、にゅうめんを出しているところもあって」(ああ、わかる、時々挨拶したかな、いい人だ)
「ほかにも・・・いろいろ・・・」
祐君は、話に疲れたようだ。
お茶を飲んでいる。(あまり根掘り葉掘りしない、母とは違うのだ)
「今日は、上野に行ったの?」(今さらながらに聞いてみた)
「はい、国立博物館に、そしたら知っている源氏の先生がいて、母の師匠でもあるけれど」
「・・・もしかすると、すごい先生なの?」(なんとなく、ピンと来た)
「はい、秋山康さんと言って、源氏物語の大先生、皇室にも出入りされて、勲章とか、たくさんの本を出されています」
「ふぅん・・・いいなあ・・・」(祐君が急にまた、神々しく見えた、そんな先生とお知り合いなんて)
「純子さんも、誘おうかな、今度散歩に」(え?マジ?祐君は、よい子だ!)
「はい、いつでも言って!」(ここで本音が出るのが、奥ゆかしくないところかな)
「純子さん、浅草は歩いたこと、あります?」
「ない」(恥ずかしいほど、きっぱりだ)
「関東は、味が濃いけれど」(うわ・・・心配してくれるの?)
「大丈夫、祐君と一緒なら」(また本音そのものだ・・・)
祐君は、ふっと笑った。
「純子さんの反応、大好きです」
「万葉の女性のような、大らかでやさしくて、素直な感じ」
「え?・・・もう・・・恥ずかしい・・・」
(祐君に反応でも何でも、好きって言われたら・・・もう・・・あかん)
(自分自身、顔が真っ赤を自覚する)
私、純子は、祐君の「好意」を「尊重」した。
スリスリとお尻を動かし(大きいって言うな!)、祐君にピタリと寄り添ったのである。
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